暗号資産(仮想通貨)ドージコイン(DOGE)とは?将来性や特徴を解説

ドージコイン
将来性
2024-06-26 更新

暗号資産(仮想通貨)のドージコイン(DOGE)は、世界で最初に流行したミームコインといわれています。

インターネットミームである柴犬の顔をロゴにした「ドージ(Doge)」をモチーフにしたドージコインはたびたびインターネット上で話題に挙がり、その都度、世間の注目を浴びています。

はたしてミームコインとは何なのか、ドージコインとはどのような暗号資産なのか、この記事ではドージコインについて、その仕組みや人気の秘密、将来性を詳しく解説します。

代表的ミームコインのドージコイン(DOGE)とは

ドージコイン(DOGE)は、2013年12月6日にIBMソフトウェアエンジニアのビリー・マーカス氏とAdobeソフトウェアエンジニアのジャクソン・パーマー氏によって作成された暗号資産(仮想通貨)です。

当時、暗号資産が乱高下する投機の様子を揶揄する目的で「ミームコイン」として作成されました。ミームコインとは、インターネット上で広く愛されているミーム(ジョーク)に影響を受け開発された暗号資産のことです。

ミームコインのミームとは、模倣によって人から人へと伝えらえる情報や文化を指す言葉ですが、インターネットスラングではインターネットやSNS上で拡散されるコラージュ画像や略語などを指して使われることが多くなっているようです。

ドージコインは、ネットの一部で人気の柴犬の画像「Doge」をモチーフにして、暗号資産全体への風刺のために作られましたが、発行目的とは裏腹にキャラクターとしての「可愛さ」や「愛嬌」によってファンを獲得しました。

SNSで話題となり人気の暗号資産(仮想通貨)に

ミームやミームコインの特徴として、コミュニティの存在は欠かせないものといわれています。ドージコインにも、作成後すぐに独自のオンラインコミュニティサイトのDogecoin.comが誕生しました。

ドージコインのコミュニティは、米国のソーシャルメディアReddit(レディット)で取り上げられたことをきっかけに人気となり、すぐに専用ブログとフォーラムを開設したことで、Webサイトへの訪問者は最初の一カ月で100万人を超えました。さらに、その市場価値は800万ドル(当時8億円相当)に達し、一時は時価総額で7番目に大きな暗号資産となり注目を集めました。

Dogecoin.comでは、ドージコインの起源を完全なるジョークと記載しており、「楽しくてフレンドリーなインターネット通貨」として宣伝しています。実際に、ドージコインの開発者であるマーカス氏とパーマー氏がドージコインを立ち上げた理由は、ビットコインや「次のビットコインになる」と標榜していた他の暗号資産をからかうことだったとしています。

こうしたジョークとして生まれた特性が拡散にも貢献しているようです。ドージコインは2021年1月に、スペースXやテスラなどのCEOであるイーロン・マスク氏がドージコインに言及したことをきっかけに注目を浴びました。同氏は度々、ジョークを混ぜたドージコインに関する発言をSNSに投稿しており、そのためにDOGEの価格が上昇しています。

2023年4月4日には、Twitterアプリ(現X)に表示されるロゴが一時的に青い鳥からドージコインのロゴに変わったことで大きな話題となりました。

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ドージコインの仕組み

ドージコインは、ライトコイン(LTC)をベースに開発されていることから、コンセンサスアルゴリズムにはプルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work:PoW)が採用されています。

また、ドージコインはビットコインやライトコインよりも高速かつ低コストで利用できるように、ブロック生成時間が短く設計されています。

ビットコインのブロック生成時間は約10分に1回、ライトコインはビットコインの4倍の2分30秒に1回ですが、ドージコインはさらに改良され1分に1回です。

ビットコインやライトコインは、それぞれ発行上限が設定されています。一方、ドージコインは年間の発行数量を50億DOGEとしながら、発行上限数量を設定していないインフレモデルを採用しています。

通常、暗号資産の多くは、発行上限を設定することで希少価値を高め、価格の維持を行っているものですが、ジョークコインのドージコインはそうした設計思想を取っ払っています。

ドージコインの思想とコミュニティ

Dogecoin.comによると、ドージコインに関する冒頭の説明で、「偶然生まれたクリプトムーブメントで、人々を笑顔にします」と書かれています。ドージコインに大切なものは、ドージコインマニフェスト(宣言)に要約されているように、「実用的」で、「人格的」、「歓迎の精神を持ち」、「信頼できること」です。

これらの精神は「Do Only Good Everyday(DOGE:毎日良いことだけをする)」の非公式なキャッチフレーズで表現されています。

ジョークで始まったとされるドージコインですが、コミュニティではドージコインを従来の法定通貨に代わる現実的で正当な通貨として支持することに情熱を注いでいます。

こうした目的のため、ドージコインのエコシステムはダイナミックかつ有機的な方法で拡大し続けており、最も楽しい暗号資産であるという原点に常に忠実でありながら、人々のための暗号資産として大いに真面目に活用されることを目指しています。

ドージコインの将来性

ドージコインは、開発プロジェクトの継続とドージコインのサポートを提供するために、2014年にドージコイン財団(Foundation)を設立しました。

同財団は、2021年12月にドージコインのアップデート計画である「ドージコイン・トレイルマップ」を発表しています。

具体的にはドージコインの導入をサポートするプロダクトの開発や、コンセンサスアルゴリズムをPoWからプルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake:PoS)に移行するなどの様々な取り組みを行なっています。PoSへの移行については、イーサリアムの開発者の1人であるヴィタリック・ブテリン氏の協力も得ているようです。

それ以外にも、プロダクト開発用のライブラリであるリブドージコイン(Libdogecoin)の実装やプラットフォーム導入サービスのGigaWallet(ギガウォレット)プロジェクトが進められています。

リブドージコイン(Libdogecoin)の実装

リブドージコインは、ドージコインを扱うためのプログラム作成を支援するツールで、プログラミング言語であるC言語で使えるライブラリの一つです。

リブドージコインはドージコインのプロトコルの完全な実装であり、Cライブラリ(および一般的な言語への関連付け)として、暗号資産に関する詳細を意識することなく、誰でもドージコインに準拠した製品を構築可能にします。

ただしリブドージコインは、純粋なライブラリであり、実行可能なノードプログラムではありません。

リブドージコインは、ドージコインのコア機能を取り出し、多くのプログラミング言語で使いやすいように整理したシンプルなCライブラリです。このライブラリを使うことで、Python、Ruby、Node.jsなど、さまざまなプログラミング言語でドージコインに関連するプログラムを簡単に作ることができます。

Cライブラリであるリブドージコインは、コアウォレットへの依存を多様化し、標準ベースのウォレットとノードの実装を開発する選択肢を増やす機会を多くの開発者に提供します。

ギガウォレット(GigaWallet)プロジェクト

トレイルマップの取り組みの多くは、開発サイクルタイムを短縮し、ドージコインをプラットフォームに統合しようとする開発者の開発手段をスムーズにすることに重点が置かれています。

これまでのドージコインには、プラットフォーム、交換業者、小売業者が独自のインフラストラクチャ上で実行できる、目的に適した「ドロップインバックエンドサービス」が存在しませんでした。ドロップインバックエンドサービスとは、すぐに使用できるサーバーサイドの環境を提供する事業者を意味します。

ギガウォレットプロジェクトは、数秒でセットアップが可能で、開発者が洗練された決済プロバイダーと同じくらい簡単にドージコインのトランザクションをプラットフォームに追加できるオープンソースの取り組みです。

ギガウォレットプロジェクトは、2つのAPIを提供することを目指しています。

一つは、従来のドージコイントランザクションの処理と検証用で、メッセージ・キューやWeb用のAPIに接続できる最新の「イベント駆動型のアーキテクチャ」を備えているAPIです。

イベント駆動型のアーキテクチャとは、ユーザーがマウス操作やキーボード操作など、ユーザーによる操作によって発生した何かのイベント(事象)をトリガーに動作する機能です。

もう一つは、ドージコイン・キーリング・アプリとSDKを統合するためのAPIです。

このAPIは、モバイルファーストソリューションであり、ギガウォレットを使用するプラットフォームが、ユーザーの承認を得るためにアプリからドージコイン・キーリング・アプリに直接料金を発行(送金)できるようにするためのものです。

こうした展開により、小売業者、ソーシャルメディアプラットフォーム、ゲーム開発者などによるドージコインの導入が加速することを狙っていきます。

ジョークコイン、ネタとしてスタートしたドージコインではありますが、技術はジョークではなく真剣に開発が続けられていることから、より実用的な暗号資産にする計画がさらなるドージコインの発展につながる可能性はゼロではありません。

ただし、現行の発行上限のない仕組みはドージコインの需要と供給バランスに問題が発生しやすく、長期的な価格上昇を考えた場合には課題でもあることは否めません。

それにも関わらず、常に話題となるドージコインは、今後も見逃せない存在の一つには間違いないでしょう。

まとめ

通常であればミームコインは実用性や価値を支えるメカニズムがないケースがほとんどで、文字通りジョークで終わってしまうことがほとんどです。しかし、ドージコインは実用性や拡張性が伴う、まれな例であり、またミームコイン特有の盛り上がり方を見せたことから、主要な暗号資産(仮想通貨)として台頭しました。

しかし、ドージコインをはじめとしたミームコインは、あくまでもインターネット上のパロディやコミュニティから発生したユーモアを楽しむための暗号資産です。コミュニティのノリを楽しむものであり、将来性を見込んで投資・投機する対象ではないということを念頭において取引を行うことが大切です。

ミームコインは非常に価格の変動が激しく、SNSやインフルエンサーなどコミュニティの影響によって大きく左右されます。ミームコインを購入する際には、コミュニティのノリを理解した上で、自己責任で慎重に取引することを忘れてはなりません。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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