ユーティリティトークンとは?特徴や機能、事例を解説

ユーティリティトークン
2020-07-29 更新

暗号資産(仮想通貨)に関連して、「〇〇トークン」という用語を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?トークンにはいくつかの種類があり、それぞれがどう違うのかわかりにくい部分があります。

本記事では、トークンの概要を紹介した上で、ユーティリティトークンについて解説していきます。セキュリティトークンとの違いにも触れていますので、疑問に思っている方はぜひご覧ください。

トークンとは何か?

まずはトークンについて簡単に説明していきましょう。暗号資産・ブロックチェーンの文脈においてトークンとは、ブロックチェーン技術を用いて発行された電子的な証票です。証票とは、何らかの証明をするための書き付けを意味します。また、トークン(token)は日本語にすると「商品やサービスとの引換券」や「代用貨幣」という意味です。

イメージしづらいかもしれないので、ここではざっくり「色んな機能が付いたポイントのようなもの」だと思っておいてください。

トークンはブロックチェーン上で発行され、その所有者が何らかの権利を持つことを証明するという機能を持っています。通貨やポイントはトークンの代表例ですが、映画のチケットなども一種のトークンだといえるでしょう。

また、2016年〜2017年頃はトークンを販売して資金調達を行う「ICO」(Initial Coin Offering)という手法が注目を集めました。ただ、詐欺的なICOなども横行したことから、現在、ICOは「資金決済法」(STOは「金融商品取引法」)によって規制されています。そのため、誰でもトークンを発行して、販売・流通させられるわけではありません。ICO実施のハードルは高いので、国内でICOを目にしたら、法律に従っているのか確認した方が良いでしょう。

暗号資産(仮想通貨)とトークンの違いとは?

実は、暗号資産とトークンには明確な違いがあるわけではなりません。コンセンサスを得た分類方法があるわけではないのです。

トークンという大きなカテゴリの中に、ビットコインやイーサリアム、リップルといった暗号資産が位置付けられることもあれば、独自ブロックチェーンを基盤とするものを「コイン」(Coins)とし、イーサリアムなどの既存のブロックチェーンを間借りする形で発行されているものを「トークン」(Tokens)として区別することもあります。

トークンにはどんな分類があるのか?

前述のように、コンセンサスを得たトークンの分類方法があるわけではありませんが、よく使われている分け方はいくつか存在します。例えば、「ユーティリティトークン」と「セキュリティトークン」はそのひとつです。

ユーティリティトークンは、何らかの実用性を持ったトークンであり、主として特定のサービスにアクセスする権利として機能します。一方で、セキュリティトークンは「証券型トークン」と訳されることが多く、文字通り証券の性質を備えたトークンです。例えば、株式や債券といった有価証券をトークン化したものや、不動産やアートなどの所有権をトークン化したものがセキュリティトークンに該当します。

その他の分類方法としては、他の同種トークンと代替可能な「ファンジブルトークン」や代替不可能な「ノンファンジブルトークン」(NFT)という分け方があります。NFTはブロックチェーンゲームなどでよく使われているトークンです。

また、ビジネスレイヤーでは、トークンの定義や概念に関する標準化団体「Token Taxonomy Initiative」が、トークンの機能面に着目した分類方法「Token Taxonomy Framework」を発表しています。Token Taxonomy Initiativeは、マイクロソフトやアクセンチュア、IBM、インテルといった大手企業や有力なブロックチェーン企業が参画している団体です。

以上のようにトークンの分類について様々なアプローチが提案されていますが、「暗号資産の厳密な分類分けは時期尚早」など、様々な意見があります。

それではトークンの全体像を解説したところで、ここからはユーティリティトークンに焦点を当てていきましょう。

ユーティリティトークンとは?

前述したように、ユーティリティトークンは、何らかの実用性を持ったトークンであり、主として特定のサービスにアクセスするための権利として機能します。「ユーティリティ」(utility)とは、「有用性、実用性」という意味を持つ単語です。

ユーティリティトークンが持ち得る機能としては、「プロダクトを所有したり、サービスを使用したりする権利」「サービスやコミュニティの重要な意思決定に投票する権利」「サービスの利用料」「ユーザーの行動のインセンティブ(ポイント的な振る舞い)」などが挙げられます。

身近な具体例を挙げると、映画のチケット(映画1本を観る権利)や投票所入場券(一票を投じる権利)、ソフトウェアのライセンスキー(当該ソフトを一定期間使える権利)などは、まさにユーティリティトークン的な機能だと言えるでしょう。ユーティリティトークンは、こうした有用性のある権利をブロックチェーン上で発行した電子証票なのです。

ユーティリティトークンとセキュリティトークンの違いとは?

ユーティリティトークンとセキュリティトークンは、投資性の有無という点で明確に異なります。ユーティリティトークンは投資性が無く、あくまでもサービスを利用する権利やトークンの所有者がサービスに関わる権利に過ぎません。

また、価値の裏付けという観点からは、セキュリティトークンには株式や不動産などといった価値を裏付ける担保資産があります。一方でユーティリティトークンは、サービスやコミュニティへのアクセス権であり、価値の裏付けはありません。

ユーティリティトークンとセキュリティトークンには以上のような違いがあります。ただし、ユーティリティトークンであっても、セキュリティトークン的な性質を持つ場合がある点には注意が必要です。

ユーティリティトークンの価値はどう担保されているのか?

ユーティリティトークンは、サービスやコミュニティへのアクセス権であるため、サービスやコミュニティが充実・拡大していけば、トークンの利便性と共にそれ自体の価値が高くなる可能性があります。ユーティリティトークンの価値は、サービスやコミュニティの質に依存するのです。

ただし、トークンの価格という観点から見ると、トークンと引き換えにサービスを利用する仕組みの場合、質の高いサービスであるほど、トークンを手放す(使う)動機が強く働くため、トークン価格の下落圧力となり得ます。したがって、ユーティリティトークンを保有したくなるような仕組みづくりが重要になります。

ユーティリティトークンの事例紹介

それでは、ユーティリティトークンの事例を紹介しておきましょう。どちらも日本国内で取引可能な暗号資産です。

プライバシー重視のWebブラウザ「Brave」のBAT

「Brave」はプライバシー重視の比較的新しいWebブラウザです。デスクトップ版・モバイル版の両方がリリースされており、着実にダウンロード数を伸ばしています。2019年後半に4,000万DLを突破しており、かなり健闘している新興ブラウザだと言えるでしょう。

Braveは、広告代理店に多くの手数料が徴収され、プラットフォーム(GoogleやFacebookなど)に多くの個人情報が収集・利用されているという課題を解決するために開発されています。広告ブロック機能が標準搭載されており、ユーザーの意思に関係なく広告が表示される仕組みではなく、広告を表示するかをユーザーが主体的に選択できる仕組みとなっています。

ユーザーが広告を視聴した際に、Braveに組み込まれているユーティリティトークンの「BAT」(Basic Attention Token)が付与される仕組みになっており、BATは広告視聴のインセンティブ(動機)として機能しているのです。また、BATはメディア、広告主へのインセンティブとしても流通しています(2020年5月1日時点、日本ではBATポイントが付与される)。

トークンが組み込まれたプロダクトとしてはトップクラスに普及しているのがBraveであり、大きなユーザーグループにおいてBATがどのように機能するかは注目すべき点だと言えるでしょう。

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DAppsプラットフォーム「Ethereum」のETH

イーサリアム(Ethereum)は、スマートコントラクトやDApps(分散型アプリケーション)を構築するためのプラットフォームです。このプラットフォームを使用する際の利用料として用いられるのが、基軸となる暗号資産(ユーティリティトークン)「イーサ」(Ether、通貨単位はETH)です。

イーサリアム上で何らかのアプリケーションを動かすには、少額のETHが必要であり、この仕組みがスパムなどの防止に役立っています。イーサリアムは世界でトップクラスに利用されているブロックチェーンであるため、こちらも要注目だと言えるでしょう。

ユーティリティトークンまとめ

ユーティリティトークンは、何らかの実用性を持っており、特定のサービスへのアクセス権として機能するトークンです。投資性の有無という点でセキュリティトークンとは明確に異なります。ただ、ユーティリティトークンとして流通している場合であっても、証券的な性質を持つようになる場合もあるので注意が必要です。

国内で流通している暗号資産(トークン)としては、BATやETHがユーティリティトークンに分類可能であり、今後どのように発展していくのかは要注目だと言えるでしょう。広く使われるユーティリティトークンほど価格の維持が難しいという点に留意は必要ですが、余剰資金の範囲で投資を検討してみるのも良いかもしれません。

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