ライトコイン(LTC)とは?初心者向けにわかりやすく解説!

ライトコインとは
2021-11-24 更新

ライトコイン(単位: LTC)は、ビットコインを基準として開発された暗号資産(仮想通貨)ですが、ベースとなったビットコインよりも決済が行いやすくなるように様々な工夫がなされています。今回は、これまでのライトコインの開発や価格推移などを含め、特徴を解説していきます。

ミンブルウィンブルでプライバシー(匿名性)保護に踏み出すライトコイン

2019年10月10日、ライトコイン(単位: LTC)の開発陣は、プライバシー(匿名性)保護とスケーラビリティの実現を目指す技術「MimbleWimble」(ミンブルウィンブル)を(オプション機能として)導入する正式提案を行いました。ただしライトコイン創設者のチャーリー・リー氏を中心とする開発陣は、その目的としては「ファンジビリティ」(代替性、代替可能性などの意)をまず重視しており、匿名性に必要なものと位置づけています。

ファンジビリティとは、個々のモノ同士が交換可能で、同時にそれぞれのモノが同等かつ区別できない状態を指します。

具体例としては、日本円などの法定通貨が挙げられるでしょう。ある100円玉と別の100円玉とは交換可能で、同時にその価値は同等、また個々の100円玉は区別できません。10枚の10円玉と、1枚の100円玉とでも同じことが成り立ちます。

ライトコインは何を問題にしているのか?

暗号資産は、ブロックチェーン上に取引がすべて記録されるため、例えば過去に犯罪など不正な取引に用いられた可能性があるかどうか、履歴をたどって調べることが可能です。犯罪に利用された暗号資産を取引に使いたくない、受け取りたくないという組織・個人が現れる可能性があり、問題視されつつあります。ライトコインのMimbleWimble導入は、そのための対策とされています。

なお、「匿名性が高まると、匿名暗号資産のように暗号資産交換所で取引できなくなる」という意見に対して、創設者のリー氏はすでに何ヵ所か事業者と話し合いを始めていると明かし、その懸念はないと述べています。

関連する話題が次々と登場

2019年10月28日から開催されたライトコイン関連イベント「Litecoin Summit 2019」において、MimbleWimbleを採用している匿名暗号資産グリン(GRIN)プロジェクトの主要開発者(David Burkett氏)が講演を行いました。10月30日、ライトコイン財団がグリンに資金提供を発表しています。

さらに11月11日、正体不明の個人がグリンに対して50BTCを寄付。寄付を行ったアドレスは、2010年頃に生成されたものとなっています。

11月18日、MimbleWimbleのプライバシー保護機能を攻撃する方法を発見したというレポートが発表され、大きな話題となりました。しかし、MimbleWimble関連の開発者がすでに問題点として認識・公開している情報であることや、仕組みについて誤解していることなどが相次いで指摘されています。

2020年5月1日にはDavid Burkett氏がライトコイン・フォーラムの4月の月例報告でMimbleWimbleの機能テスト用フレームワークを構築したと発表。ブロック検証のテストも完了し、ライトコインのコードベースへの統合を開始したと明らかにしました。

なお、開発者による2021年6月3日の進捗状況によると、MimbleWimbleは2021年末頃のリリースを目指してテストが進められているようです。

ライトコイン(Litecoin/LTC)の価格の変遷は?過去の動向を確認

ライトコインは、手軽な決済手段の実現という目標に向け、新技術の導入や暗号資産決済事業者との提携について意欲的に活動しています。これに関連する発表の前後では、価格が変動しています。ライトコインの取引では、最新情報の収集がとても大事になります。

2017年12月までの推移

ライトコインは、2011年10月の運用開始以来価格は1LTC=10円前後の状態が長らく続いていましたが、他の暗号資産同様、2013年3月16日に始まったキプロス危機を契機に価格が上昇し始めました。2013年11月下旬には一時4,000円前後まで高騰しています。

2014年に入ると価格下降傾向が続き、2015年1月には210円前後となりました。また2015年8月25日に迎えた1回目の半減期前後に価格が一時上昇しましたが、その後は500円以下の状態が続いていました。

しかし2017年になると一変し、特に3月に入ると価格上昇傾向となりました。これは、2017年5月実装の「Segwit」(セグウィット。後述)の影響が大きいと考えられています。9月4日に発表された、中国による暗号資産取引およびICO禁止措置の影響は受けたものの、12月には1LTC=4万円を超え、史上最高値を記録しました。

https://bitcoin.dmm.com/trade_chart_rate_list/ltc-jpy

2018年のライトコイン価格動向

2018年の価格は下落傾向で、4月には1万1,000円にまで下落。さらに、12月には2,600円台まで価格が落ち込みました。

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2019年のライトコイン価格動向

2019年1月には1LTC=3,000~4,000円台で推移し、2月にライトコイン財団がMimbleWimble導入に向けた発表を行ったことで、2019年3月には1LTC=6,000円を突破しました。4月に入ると価格が急騰し、一時1万円を超えました。

また1月にリトアニアの暗号資産決済サービス事業者がライトコインのライトニングネットワーク(後述)に対応したことを発表した影響も指摘されています。しかし、7月上旬以降は、価格は下落傾向にあります。

ライトコインは「半減期」を2019年8月5日に迎えており、ライトコイン創設者のチャーリー・リー氏が価格上昇を見込めない旨の発言を事前に行っていたとされるためこの影響も少なからずあるとされています。

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2020年のライトコイン価格動向

2020年に入ると、暗号資産相場が2月に上昇したのに伴い、ライトコインも上昇しました。しかしその後は大きな材料もなく、7月末にビットコインやイーサリアムが牽引した暗号資産相場全体の強気ムードとともに上昇するまでは長いレンジ相場が続きました。

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ライトコイン(Litecoin/LTC)は、日常的な決済に利用されることを目指す暗号資産

ライトコイン(Litecoin)は、暗号資産の時価総額ランキングで7位(2020年8月下旬現在)となっており、日本のみならず世界的にも人気があります。

基本的な特徴やブロックチェーン技術部分はビットコインと同じですが、日常的な決済で利用しやすい暗号資産を目指している点が大きく異なります。発行上限数量8,400万LTC(ビットコインは2,100万BTC)であったり、ライトコインで買い物を行った際の決済時の待ち時間が短くなるよう、処理にかかる時間をおよそ2分30秒(ビットコインは10分)まで短縮していたりといった点はビットコインと比較して大きな利点となっています。

ライトコインとビットコインの比較
名称 ライトコイン ビットコイン
発行開始 2011年10月13日 2009年1月9日
通貨単位 LTC BTC
最小単位 1litoshi
(=0.00000001LTC)
1satoshi
(=0.00000001BTC)
発行上限数量 8,400万LTC 2,100万BTC
コンセンサス
アルゴリズム
Proof of Work Proof of Work
ハッシュ関数
(暗号化方式)
Scrypt
  • SHA-256
  • RIPEMD-160
ブロック
承認時間
2分30秒 10分
半減期 84万ブロックごと 21万ブロックごと

「Segwit」(セグウィット)で送付遅延などのスケーラビリティ問題を解決

スケーラビリティ問題とは、1つのブロックの中に書き込める取引データ(トランザクション)の容量が限られていることが引き起こす障害に関する問題です。ブロックの容量がいっぱいになるまでデータが書き込まれると処理速度が低下し、送金遅延を引き起こします。

ライトコインは、トランザクションの承認速度を速めるため「Segwit(セグウィット)」(Segregated Witnessの略称)を採用しています。Segwitとは、ブロックチェーンに記録される取引データのデータ量を圧縮する技術で、1ブロックに記録できる取引データの数を増やすものです。Segwit自体は、ライトコイン独自の技術ではないものの、2017年5月に実装された際にはライトコインの価格が上昇しました。

「ライトニングネットワーク」で送付時間や手数料を低減

「ライトニングネットワーク」は本来のブロックチェーン(メインチェーン)とは別の部分(オフチェーン)に取引データを一時的に記録し、蓄積された取引を集計したデータだけをメインチェーンに記録する仕組みです。

ライトニングネットワークを利用することで、少額の決済でも効率よく行い処理することができるため、スケーラビリティ問題を克服するための有効な解決策として注目を集めています。

「アトミックスワップ」により、異なる暗号資産同士で取引できることを目指す

アトミックスワップとは、暗号資産交換業者などの仲介役を介することなく、異なる暗号資産同士で取引を行う仕組みです。メリットとして、個人情報をオンラインに出すことなく個人間で取引が可能なことです。暗号資産を取引する際に第3者に自身の暗号資産を預ける必要がないことから、安全性が高いとされています。ただしアトミックスワップに参加している暗号資産は限られており、実際に取引に利用できる状態にはなっていません。

ライトコイン(Litecoin/LTC)の今後や将来性は?

Segwitやライトニングネットワークは、ライトコイン独自の技術ではないものの、少額決済などにおいて広く普及するかどうかが注目されています。ライトニングネットワークの動向次第では、ライトコインが改めて注目を浴びる可能性は十分あるでしょう。

また、MimbleWimbleに関する開発動向も見逃せないでしょう。2019年2月、ライトコイン財団がMimbleWimble導入に向けた発表を行った際にもライトコインの価格が変動しており、関連する議論や実装の進展次第では改めて価格に影響する可能性があります。

技術面以外では、2019年7月、アメリカで暗号資産決済サービスを提供している事業者がライトコインをサポートしたことが大きなトピックです。これにより、全米3万9250(2019年7月時点)以上の店舗でライトコインを決済に利用できるようになったとうたっています。この点は、決済への利用しやすさを目指すライトコインならではの動きといえるでしょう。

2020年5月には、最初期のコンピュータゲーム「ポン」や「アステロイド」などの開発などを行ったことで有名な伝説的ゲームメーカー「アタリ」との提携を発表しました。アタリが展開するゲームプラットフォーム内でライトコインが使えるようになるというものです。ゲーム分野への暗号資産の応用は「ノンファンジブルトークン」(NFT)の人気の高まりなどで話題のトピックとなっています。

ライトコイン(Litecoin/LTC)まとめ

ライトコイン(Litecoin)は、日常的な決済に利用されることを目指す暗号資産で、国内外で人気があります。
ビットコイン(Bitcoin)から派生した暗号資産であり、「ライトニングネットワーク」や「アトミックスワップ」といったビットコインの問題点を解消するための仕組みを導入している他、MimbleWimbleの開発など、今後もより使いやすくしていこうという動きが見られます。

なお、DMM Bitcoinなら、ライトコインの「現物取引」及び「レバレッジ取引」を行えます。暗号資産取引はメリットだけでなく、リスクもあります。売買を行えば必ず儲かるというわけではないため、リスクについてもしっかり学び、必ず対策を検討し売買を行うことが大切です。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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