イーサリアムが人気を牽引、Dappsとは何か?

Dapps
2020-02-12 更新

Dappsとは、ブロックチェーン上でスマートコントラクトを利用することで実現できるアプリケーションです。現在、数多くの分野でDappsが開発され始めており、次世代型のソフトウェアとして注目を集めています。そんなDappsについての概要をここではご紹介します。

Dappsとは、どんなアプリ?

Dappsは、Decentraized applicationの略称です。日本語に訳すると「非中央集権型アプリ」となり、「分散型アプリ」とも呼ばれています。ブロックチェーン上でソフトウェアを動作させる仕組み「スマートコントラクト」を応用したものであり、現在ではオークションプラットフォーム、ゲームなどが開発されています。

パソコンやスマートフォンのアプリと何が違う?

Dappsがパソコンやスマートフォンのアプリと異なる点は、スマートコントラクトをベースとしているため、ブロックチェーンに履歴やデータを記録しつつ、常に稼働し続けられることです。

そもそもブロックチェーンは、一定の手続きによって生成されたデータをP2Pネットワーク上で共有しています。そのため、仮にあるデータが改ざんされた場合、ブロックチェーンデータを共有している他のマシンでもそれに気づけるようにすることで、データの改ざんを防げるようになっています。

「何らかの価値を備えるもの」を、デジタル空間上で資産として扱える

このような技術的な特徴によって、デジタル空間でも資産を扱うことができるようになりました。ここでいう資産とは「何らかの価値を備えるもの」全般を指しており、代表的な例が暗号資産(仮想通貨)やトークンにあたり、さらに知的財産なども該当します。理論上、ブロックチェーン上でスマートコントラクトを利用することにより、あらゆるものが資産として取引できます。

ブロックチェーンにより資産をデジタル空間で扱えるようになったことで、従来のサービスに新たな要素を加えられるほか、これまでにはないユーザーエクスペリエンスを実現できるようになりました。例えば、SNS形態のサービスであれば、コメントを投稿したり「いいね」を押したユーザーにトークンを発行して利用を促進するといった事例や、保険領域で掛け金や保険金の支払いを自動化することで、迅速かつ確実に支払いの実行が可能になる事例など、様々なユースケースが実現されています。

「スケーラビリティ問題」の解決が急務

現状、ブロックチェーンはその処理能力がユーザーの増加に対応できるのかに疑問符が付けられており、この対応が急務になっています。このような問題は「スケーラビリティ問題」と呼ばれています。スケーラビリティ問題の解決に向け、多くの技術者や研究者が努力しており、実際のDapps開発現場でもこの問題への取り組みが進められています。なるべく必要なデータの処理だけブロックチェーンに任せて、それ以外をサーバーやデータベースで行うといった構成で、この問題を回避しようとするのが一般的です。

ユーザーから見えない部分でのスマートコントラクトの活用例も

そのため、現在では、非中央集権型ではないため正確には完全な分散型アプリといえないものの、ユーザーが操作する画面部分のみパソコンやスマートフォン用アプリとして作成し、ユーザーから見えない部分(バックエンド)にスマートコントラクトを利用するというものが存在します。なかには、ブロックチェーンは資産を扱う部分、それ以外の部分は通常のサーバーやデータベースなどを利用するといった形で使い分けることもあるようです。

見た目や動作させただけでは、ユーザー側からはDappsかどうか分からないものが登場する方向にあるといえるでしょう。

2019年12月現在では、イーサリアム基盤のDappsが主流

当初Dappsは、イーサリアムのスマートコントラクトを応用する形で増えました。この点についてイーサリアムの主要開発者ヴィタリック・ブテリン氏は、「イーサリアムはスマートフォン」といった言葉でイーサリアムを紹介しています。

これは、イーサリアムをスマートフォンになぞらえて、多くの開発者が様々な目的のソフトウェアを自由に開発・公開でき、一方でユーザー側もそれらを自由に利用できることを説明しています。それまでのブロックチェーンが、ビットコインのような価値手段目的、あるいは特定用途に制限されていたことと比べると、イーサリアムはかなり自由度が高いといえるでしょう。

このような背景もあり、世界的にはイーサリアム基盤のDappsが主流となっており(2019年12月現在)、現在も様々な分野で開発やリリースが行われています。

エコシステムの充実が続き、多くの開発者を呼び込む

イーサリアムが多く利用されている背景には、エコシステムの充実も挙げられます。イーサリアムはスマートコントラクトを実用レベルで利用できるようになったきっかけを作ったブロックチェーンでした。そのため、多くの技術者によってオープンに開発や発展が進められています。

またこの影響で、イーサリアム上でDappsを開発する場合に便利なツールが数多くリリースされており、開発の参考になるドキュメントも増えています。これからDappsやスマートコントラクトを開発したいエンジニアや企業からみた時に、イーサリアムが選ばれやすい環境にあるのです。

暗号資産としてのイーサリアム(ETH)の入手しやすさ

一般的には、Dappsを利用するには暗号資産が必要になります。例えばイーサリアム基盤のDappsなら、手数料(Gas)支払いのため暗号資産としてのイーサリアム(ETH)を用意することになります。イーサリアムの場合、日本に限定してもDMM Bitcoinをはじめ多くの暗号資産交換業者が扱っており、Dappsゲーム(後述)で遊びたい初心者の方も手軽に入手できる点は、見逃せないメリットといえるでしょう。

様々な仮想通貨・ブロックチェーンがスマートコントラクト・Dappsに力を入れている

Dapps開発にあたり、その基本となるスマートコントラクトを備えるブロックチェーンは、何もイーサリアムだけではありません。数多くのブロックチェーンが、スマートコントラクト機能を実装したり、処理能力を向上したりすることでDapps基盤となるべくしのぎを削っています。

処理速度が速く、機能性に優れる「EOS」

中国では、スマートコントラクト、Dappsを利用できる暗号資産・ブロックチェーンとしてEOSが支持されています。EOSは「イーサリアムキラー」と呼ばれるほどその機能性が優れています。イーサリアムと比べ処理速度が速く、スマートコントラクトをC/C++というプログラミング言語で開発できるため技術者からも好まれています。

「ビットコインキャッシュ」もスマートコントラクト機能を実装

ビットコインからハードフォークして誕生したビットコインキャッシュも、2018年5月にスマートコントラクトの機能を実装しました。ビットコインキャッシュは、処理能力を上げるためブロックひとつあたりのサイズを大きくするなど、機能性の向上に努めています。スマートコントラクト機能の実装によって、ビットコインとのさらなる差別化を計っています。

メインチェーンとサイドチェーンを組み合わせ、処理能力向上を図る「Lisk」

アメリカ発祥の「Lisk」(リスク)と呼ばれるブロックチェーンも注目されています。Liskは、ブロックチェーンをメインチェーンひとつだけでなく、その子供に当たるブロックチェーン「サイドチェーン」を組み合わせることで処理能力を向上させています。

Dapps基盤としても注目を集める「ネム」

ネム(NEM)も、Dapps開発の基盤として注目を集めつつあるブロックチェーンです。ネムは、機能向上を目指す大型アップデート「カタパルト」(Catapult)の開発が進行しており、2020年2月~3月にかけてメインネットの運用が開始予定です。カタパルトが無事実行されると処理速度が大きく向上し、さらに公印証明(アポスティーユ)と呼ばれる仕組みが使いやすくなるなどの変化があります。

増加を続けるDappsゲームとは?

Dappsの代表的な例としては、ゲームがあります。日本のゲームメーカーの中にはすでに世界的な人気を得ているものもあり、Dapps領域では最も活況を呈しています。海外でも、イーサリアム基盤のカードゲームが人気を獲得しつつあり、トレーディングカードのマーケットプレイスを開設しています。これにより、プレーヤー同士がカードの売買やトレードを行えるようになりました。

また2019年12月現在、アンドロイド(Google Play ストア)やiOS(AppleのApp Store)のような有力なアプリストアが存在せず、複数サービスが競争しています。一般的なユーザーにとっては、このサイトさえ見ればOKといったサービスの登場が望まれていますが、今後どのようになるかに注目が集まります。

ブロックチェーン上における資産作成・取引向け規格を活用

イーサリアムでは、ブロックチェーン上で資産を作り、取引しやすくするために様々な規格が「ERC」として複数提案されています。ERCは「Ethereum Request for Comments」の略称で、イーサリアム上であれば誰でも開発に利用できる改善案となっています。これらERCが議論を経て承認されると、「EIP」(Ethereum Improvement Proposals。イーサリアム改善提案)として採択され、イーサリアムのアップデート時に実装されます。

DappsゲームでもERCは活用されており、特に「ERC-20」、「ERC-721」、「ERC-721x」、「ERC-1155」と呼ばれる規格が注目されています。

ERC-20

ERC-20は、イーサリアムにおいて広く普及している規格で、ファンジブルトークンを定義しています。ファンジブルは代替可能性という意味で、ゲームで例えると、固有の価値を備えておらず一定価格で交換可能な武器やアイテム、ゲーム内通貨に該当します。

ERC-721

ERC-721は、ノンファンジブルトークン(NFT)について定義した規格です。ノンファンジブルとは代替不可能性といった意味で、NFTとは代替できない固有の価値を備えるトークンを指します。ゲームの例では、「伝説の武器」など他と取り替えのきかない固有の価値を備える存在にあたります。

ERC-721x

ERC-721xは、複数のERC-20およびERC-721トークンを一括かつ安価な手数料(Gas)で送付(取引)できるようにした規格です。ERC-721拡張版にあたり互換性の高さを特徴としているため、すでに存在しているERC-721対応ウォレットやサービスを活用しやすい点もメリットとなっています。イーサリアム向けDappsゲーム開発キットで定評のあるLoom Networkが提案した規格で、非常に注目されています。

ERC-1155

ERC-1155は、複数形式のファンジブルおよびノンファンジブルトークンを一括かつ安価に送付(取引)できるという規格です。ERC-20/ERC-721トークンを同一フォーマットで管理できるなど、開発者側にとって利便性が追求されています。例えば、ゲーム世界のある国ではAコイン、別の国ではBコインがそれぞれ流通・共存しているといった仕様の場合、ERC-20/ERC-721では複数のスマートコントラクトが必要になりますが、ERC-1155では同一のスマートコントラクトで可能になります。ただ、ERC-721との互換性の面で難があり、ERC-721準拠のノンファンジブルトークンとの取引が行えないと指摘されています。イーサリアム向けのゲームプラットフォームを展開している「Enjin」が主導しています。

Dappsまとめ

Dappsとは、ブロックチェーン上でソフトウェアを動作させる仕組み「スマートコントラクト」を応用したものです。スマートコントラクトをベースとしているため、ブロックチェーン上に履歴やデータを記録しつつ、常に稼働し続けられるメリットがあります。

Dappsは、イーサリアムのスマートコントラクトを利用する形で数を増やしており、他の数多くのブロックチェーンもスマートコントラクト機能を実装しています。今のところ、ゲーム領域を中心にDappsが注目されており、日本のゲームメーカーの中には世界的な人気を得ているものもあります。海外では、イーサリアム基盤のERC-721規格に基づくカードゲームが人気を獲得しつつあります。

このような経緯もあり、Dappsがどのようなものか実際に試したい場合は、イーサリアム基盤のものが手軽という状況になっています。一般に、Dappsを利用する場合には手数料(Gas)の支払い用に暗号資産としてのイーサリアム(ETH)を要する必要があるため、DMM Bitcoinなど暗号資産交換業者などで入手を検討してみると良いでしょう。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

関連記事

今、仮想通貨を始めるなら
DMMビットコイン