ステラルーメン(XLM)とはどんな暗号資産(仮想通貨)?特徴を解説

ステラルーメン
2024-08-31 更新

ステラルーメン(XLM)は、数百万種類も存在する暗号資産の中で、時価総額ランキングでは常に2桁台(100位圏内)に位置している有数の暗号資産です。

その一方で、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、エックスアールピー(XRP)に比べると、あまりなじみはないかもしれません。

今回は、ステラルーメンがどのような暗号資産なのか解説しましょう。

ステラルーメン(XLM)とは?

ステラルーメン(XLM)は、リップル社の元開発者・共同創業者であるジェド・マケーレブ氏によって開発された暗号資産(仮想通貨)です。

ステラルーメンの初期発行数量は約1050億XLMで、発行上限数量が毎年1%ずつ増える仕組みがありましたが、2019年10月にステラルーメンのコミュニティによる投票を経て、新規発行が終了しました。

また2019年11月には、後述の「ステラ開発財団」(SDF:Stellar Development Foundation)が、所有している550億XLMを焼却(バーン)しています。この焼却によって、ステラルーメンの総供給数量は約500億XLMとなりました。

「ステラ」と「ルーメン」

2014年7月31日、マケーレブ氏は個人が国際送金に使うことを目的としたブロックチェーン「ステラ」(Stellar)を立ち上げました。

ステラの主な開発・運営は、ステラ開発財団(SDF)という非営利団体が担っています。ビットコインのような完全に分散化されたブロックチェーンと比較すると、SDFによってある程度管理されている点が特徴といえるでしょう。

またマケーレブ氏は、金融機関を中心とした法人向けの国際送金ネットワークを提供するリップル社の開発者・共同創業者でもあり、ステラ自体はリップル(現エックスアールピー(XRP))の分散型台帳技術をベースとしています。

エックスアールピー(XRP)とステラルーメンの大きな違いは、エックスアールピーが法人向けであるのに対し、ステラルーメンが個人間における送付を主なターゲットとしている点だといえます。

そして、「ステラ」ブロックチェーン上で流通する暗号資産こそが、「ルーメン(XLM)」であり、日本ではステラルーメンと呼ばれています。

ステラルーメンは、異なる通貨同士のトレードを橋渡しする「ブリッジ通貨」として利用されており、送付にかかる時間は5秒前後とされています。また、送付にかかる基本的な手数料は0.00001XLMです。

国際送金を素早く安価な手数料で行えるという点は、エックスアールピーとステラルーメンに共通する特徴であり、今後両者がどのように市場を獲得していくかは注目すべきポイントだと考えられるでしょう。

ステラブロックチェーンの特徴

ブロックチェーンとしてのステラは、さまざまな数の組織・個人が設定・管理する「Stellar Core」(ステラ・コア)ノードから構成されており、暗号資産(仮想通貨)のウォレットや外部のアプリ、決済サービス事業者などとステラ・コアが通信する際の仲介役となる仕組み(API)「Horizon」(ホライゾン)が機能しています。

また、独自のコンセンサスアルゴリズム「Stellar Consensus Protocol」(SCP)が導入されています。SCPを簡潔に説明すると、ステラ・コアで構成された合意形成を行うためのネットワーク(Quorum)において、3分の2のノードが同意した取引データが同期されていく仕組みとなっています。

デジタル資産(アセット)を発行可能

ステラブロックチェーン上では、イーサリアムのERC-20などと同じように、デジタル資産を新たに発行できます。

実際にステラ上ではステーブルコイン「USDC on Stellar」が流通しています。

2021年2月にUSDC on Stellarがリリースされた際の供給量はわずか300万ドル程度でしたが、2024年7月には2億ドルを突破するほどにまで成長しています。
一時的に暗号資産市場全体の低迷期があり、供給量も減少しましたが、2024年の暗号資産ブームにより再び注目を集め、今や重要なデジタル資産としての地位を確立しています。

スマートコントラクトを実行可能

ステラ上ではスマートコントラクトを実行できます。スマートコントラクトとは、プログラムによってあらかじめ決められた処理を自動執行できる仕組みで、当該プログラムを事後的に変更・改ざんすることは困難です。

最近ではステラのスマートコントラクト機能を強化するために「Soroban」というプラットフォームが導入されました。

Sorobanは、Rust言語を基盤とし、開発者にとって使いやすい環境を提供します。Sorobanはスケーラビリティを考慮して設計されており、マルチコアスケーリングや最適化された手数料モデルを解決する機能を備えています。

さらに、ステラ開発財団(SDF)は、Soroban上でのプロジェクト開発を促進するために$100Mの採用基金を立ち上げました。この基金を通じて、開発者やスタートアップは、支援プログラムやコミュニティファンド(SCF)を利用してプロジェクトの資金を得ることが可能です。

Sorobanによって、ステラ上でより複雑で高度なスマートコントラクトを構築できるようになり、デベロッパーは幅広い分野でイノベーションを推進することが期待されています。

ステラルーメンの今後は?

2024年の戦略では、ステラ開発財団(SDF)は、2023年の成功を基に、ステラネットワークの実用性を拡大するための計画を打ち出しています。

この戦略の中心には、オープンな参加、イノベーション、ガバナンスという三本の柱を掲げており、ステークホルダーに対して柔軟な技術スタックを提供することで、将来的なネットワークの持続可能性を確保することを目標としています。

また、日常的な金融サービスの提供を重視し、特に普及を目指す製品や企業への支援を拡大することによって、グローバルな金融システムへのアクセスを広げることを目指しています。

さらにそれらに加え、信頼性のある技術スタックの構築も重要視されており、これによりユーザーが求める透明性と信頼性の標準を支える基盤を提供します。

SDFはこれらの目標を達成するために具体的な活動を進め、四半期ごとに進捗状況を報告して透明性を保っています。これら今後の動向については、SDFの報告にも注目していきたいところです。

ステラルーメン(XLM)まとめ

ステラルーメンは、リップル社の元開発者・共同創業者であるジェド・マケーレブ氏によって作られた暗号資産(仮想通貨)です。高速かつ安価な国際送金を実現するために独自のコンセンサスアルゴリズム「Stellar Consensus Protoco」を採用しており、国際送金ネットワークとして一定の存在感を示しています。

特に、USDC on Stellarの運用実績の面で存在感が高まっており、欠点だったスマートコントラクト面については、「Soroban」が打開策となるかどうか注目が集まるところです。

※掲載されている内容は更新日時点の情報です。現在の情報とは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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