一人負けのXEM(ネム)、10月下落アノマリー否定となるか?

Daily Market Report 2021/10/21

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出来高減少、XEM(ネム)への関心薄まる?

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
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上図は、2021/7/1から執筆時点までのXEM/JPYの出来高(棒グラフ)と終値(折れ線グラフ)を表したものである。

7/20の当社レポート(Daily Market Report 2021/07/20「圧倒的に弱いXEM(ネム)に反発の予兆?」参照)において、7/16、17の出来高の急増(上図 青四角)を伴った価格上昇が、強気相場への転換点になる可能性について言及した。

同レポート執筆以後の7/20以降の値動きを上図で確認すると、概ね100~200億円程度の出来高を維持しながら、価格は9/6まで上昇傾向を維持していた。7/20始値13.04円から、直近高値となった9/6高値24.90円まで約1.9倍に価格が上昇しており、レポート内で言及した通り、出来高の急増後に短期的な強気相場となったようだ。

しかし、9/7のエルサルバドルでのビットコイン法定通貨化を受け、暗号資産市場全体が下落したことをきっかけに上昇相場は一旦終わりを迎えた。その後、9月下旬まで売りに押され、XEM/JPYは一時13.86円まで弱含みの状態であった。

現在価格は、9/29安値から持ち直し傾向にあるようだが、値動きは力強さを感じるものではなく、出来高も100億円を割り込む日が増加し、冴えない状況と言えるだろう。

XEM/JPYは年初来上昇率が、当社取扱銘柄唯一の年初来マイナス(10/19当社レポート「年初来からの上昇率が目立つQTUM(クアンタム)、今後の展開は?」内ランキング表 参照)であることに加えて、1/1には約200億円の出来高であったものが、10/19には約64億円と、年初来比で約7割減少している。

BTC/JPYが史上最高値を更新し、盛り上がりを見せていることと対照的に、XEM/JPYは市場参加者の関心が低下し、上昇への期待感が盛り上がりにくい相場付きとなっている印象だ。

今回はそんな年初来ワーストパフォーマンスのXEMについて、テクニカル部分と季節性アノマリーの両面から確認する。

一目均衡表・雲抜けが上昇へのカギ

XEM/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、XEM/JPY の日足チャート(2021/5~執筆時点)に、一目均衡表と200日移動平均線(上図 白線)、サポートライン(上図 赤点線)・レジスタンスライン(上図 黄色点線)を描画したチャートである。

執筆時点では、転換線(上図 黄色線)が基準線(上図 赤線)を下から上に突き抜け、遅行線(上図 緑点線)がローソク足以上の水準に位置しており、2種類の上昇シグナル(好転)が点灯している。

ここから、現在一目均衡表・雲下限付近で推移しているローソク足が、雲を上抜けできれば三役好転が成立する。

そうなる場合、9/6を起点としたレジスタンスラインを上抜けし、6/22安値を起点としたサポートラインとの間で、三角持ち合いとなっている状況を上方ブレイクする。

複数の上昇シグナルが点灯することとなり、上昇相場へ移行することも考えられる。

そこから続伸し、現在下降を描いている200日移動平均線の水準や、5月の暗号資産市場暴落後の戻り高値水準である、25円台をしっかりと回復できれば、5/7高値である44.88円を目指した上昇軌道に乗る可能性もあるだろう。

一方で、XEM/JPYの10月アノマリーでは、違った見方ができそうだ。

アノマリーでは下落に警戒が必要か

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上記は2016~2020年での騰落日数を一覧にした表と、2016~2021年の10/1の始値を基準とした、10月中の変化率を表したチャートである。

過去5年間で、最大上昇率を記録したのは2018/10/8で+12.6%、最大下落率を記録したのは2017/10/31で-20.3%となる。また、過去5年間とも10月の下落日数は上昇日数を下回っており、アノマリーとしては10月は弱気相場であることが分かる。

騰落日数一覧表より過去5年の合計では、9月・10月に下落日が最多となっており、XEM/JPYは秋頃に弱含む傾向があるようだ。

加えて、2016年~2020年の10月中の値動きについて、チャートで確認すると、月末にかけてマイナス圏での推移となる傾向も読み取れる。2019年については、かろうじてプラス圏に回復して月末を迎えているものの、それ以外の年では10月終値が、月初比-5%以上の下落となっている。

そうした中、今年10月のXEM/JPYの値動きは、月初比+15%以上の水準での滞空時間が長く、過去5年の値動きとは異っており、アノマリーを否定する値動きとなる見方が可能だろう。

一方で、10/9高値から徐々に上値を切り下げていると見れば、上昇の勢いが失われ始めたと捉えることも出来る。

このままアノマリーを否定する値動きを続けるのか、はたまた10月下旬にかけてアノマリーを踏襲し下落に転じるのか、注目したい。

もし、過去の下落率のパターンを踏襲するとした場合、最大下落率となった2017年の20.3%下落を10/1の始値に当てはめると、XEM/JPY = 15.16円×0.797=12.08円となる。

これは、レポート内で触れたサポートラインを割り込む水準であり、三角持ち合いの下放れによる下落に警戒が必要となるだろう。

この場合、6/22安値8.78円を睨んだ大幅な下落に警戒する必要がありそうだ。

(10/20 午後9:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

10/20の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は5.57%、中央値は5.21%、標準偏差は2.12%となった。

最大上昇銘柄はLTC/JPY11.12%、最小上昇銘柄はBTC/JPY2.86%

10/20の当社取扱い銘柄は全面高となった。

最大上昇銘柄のLTC/JPYは、3日続伸。夜間帯に上昇し、明け方には23,500円台まで値を伸ばした。

最小上昇銘柄のBTC/JPYは4日続伸。円建て価格は一時765万円まで上昇となり、昨日に引き続き過去最高値を更新した。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

10/20の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は7.16%、中央値は6.25%、標準偏差は2.19%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はMONA/JPY11.97%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY4.88%となった。

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2021-10-21
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