圧倒的に弱いXEM(ネム)に反発の予兆?

Daily Market Report 2021/07/20

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・銘柄毎の明暗分かれる

上図は、2021年初から執筆時点(7/19午後23:00時点)までの当社取り扱い銘柄の騰落率ランキングである。

上昇率1位はETC(イーサクラシック)、2位はETH(イーサリアム)となっている。
1位のETCに関してはグリーン・イーサリアム(ETCはアイコンがETHの緑色)と称され、ETHの安価な代替銘柄として物色され大躍進となり、ETHの約3.8倍の上昇率を記録した。

2位のETHは、DeFi(分散型金融)市場の拡大により需要が高まっていることや、マイニングによる環境負荷低減となる、ETH2.0へのアップデートを控えていることを背景にBTC(ビットコイン)を大きく上回る上昇率となった。

一方で下落率1位のXEM(ネム)と2位のMONA(モナーコイン)は、年初来マイナス水準で推移している。
特にXEMは年初来-30%超の下落率となっており、他銘柄に比べ圧倒的に弱い状況である。

今回は年初来ワーストパフォーマンスのXEMについて、現在の値動きと今後のシナリオについて考察してみる。

XEM/JPYの出来高が急増。価格水準変化の予兆?

XEM/JPY日足(2021.1.1 – 2021.7.18)
CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は、XEM/JPYの終値の価格と出来高の推移である。(期間:2021年初~執筆時点)

年初からの出来高の推移をみると、1月の200億円前後の出来高で推移していたのに対し、2月にかけて2~5倍程度に増加しており、出来高の増加に伴い価格も上昇していることが分かる。(上図青矢印)

その後、新暗号資産Symbol付与に関連するスナップショット日(権利確定日)が発表された2/23には一時2,000億円を超える出来高を記録した。
3/3に年初来高値82.55円をつけるまで、押し並べて800億円程度の出来高を保っており比較的加熱した様相が窺える流れであった。

ところが、3/12にSymbol付与に向けたスナップショットが完了すると、新暗号資産付与の権利落ち、イベント通過での事実売りが先行した。価格は56円台から一時14円台まで、1,800億円近い出来高を伴っての大幅下落となった。
このフローではスナップショットに向けた資金流入が、一転、逆流したものと考えられる。

その後、急落に対する自律反発も見られたが、イベント通過によって手がかり難となる中、徐々に出来高が減少し価格も下落した。

XEM/JPYは、6/22に一時10円を割り込む場面もあり、下値模索を継続するような活力にかけた展開となっていたが、直近の7/15-7/17の間に、突如600億円程度の出来高(上図黄色枠)を伴い、約1.4倍(7/15始値:11.70円→7/17高値:16.99円)の急騰となった。

現時点では14円台後半まで失速しているものの、暗号資産市場全体が停滞気味の展開が継続している中、逆行するような値動きとなった。

XEM/JPYの10円近辺は市場参加者にとって、「売られ過ぎ」と意識されたのか、いずれにせよ、出来高急増に伴い価格が上昇したことは、相場が強気に転じる兆しを見せ始めたとも言えるであろう。

2月の上昇相場の状況を鑑みても、価格上昇の一要素として出来高増加をともなっており、今しばらくは出来高と価格の推移に着目する必要がありそうだ。

中期チャートでシグナル点灯?

XEM/JPY 週足 bidチャート(当社取引ツールより作成)
XEM/JPY(ネム)のチャート・価格情報はこちら

上図は、スロー・ストキャスティクス(※1)とRCIを表示させたXEM/JPYの週足チャートである(2021年10月中旬~現在)。

テクニカル面では、6/21週につけた年初来安値8.7円から徐々に下値を切り上げる中、オシレーター系指標において、以下のシグナルが点灯した。

①スロー・ストキャスティクスにおいて、6/28週時点(上図 上黄色丸)で売られすぎ水準である20%以下において、%D(上図黃色点線)がSlow%D(上図赤線)(※2)を下から上に抜けるゴールデンクロスが形成され、反転シグナルが点灯。

②RCIも同様に、売られすぎ水準である-80%の水準から反転し、RCIが上昇する中で7/5週に-80%ラインを超え(上図 下黄色丸)、反転シグナルが点灯。

過去には、2020年12月期と2021年3月期の2度、上記2種類のオシレーター指標の反転シグナルが揃った場面があり(上図赤丸部分)、いずれの場面においても、その後の価格の折り返しに転じていることがチャートより読み取れる。

今回も2種類のオシレーター系指標で反転シグナルが点灯しており、反転期待を感じるテクニカルが読み取れる状況である。
中期的に下落相場から転じる兆しになるか注目される。

(※1)スロー・ストキャスティクス:テクニカル分析の一つで、ある一定期間の中で、現況の変動がどの程度の強さであるか見極めるテクニカル指標。オシレーター系に分類される。
(※2)現在の価格位置の相対的水準を示す「%K」、「%K」の移動平均である「%D」、「%D」の移動平均である「SLOW%D」を用いる。

オシレータ系のテクニカル分析からは、XEM/JPYは反転の可能性が見れるようになったが、最後に今後のシナリオを整理する。

XEM/JPY 週足 bidチャート(当社取引ツールより作成)

上記XEM/JPYの日足チャートを見ると、足元では6/22安値8.7円から切り返し、15円ライン(上図赤線)を回復したものの、再度押し戻されている。

出来高が減少し始めた5月末からのチャートを見ると、20円ラインがレジスタンスラインとして、10円ラインがサポートラインとして機能しているように見ることができる。

したがって、現在の水準から上下どちらのラインをブレイクするかが重要視されることとなろう。

以下、上昇シナリオおよび下落シナリオを想定してみる。

<シナリオ1>:20円ラインを上方ブレイク

オシレーター系指標の上昇シグナルが有効であり、下値を切り上げ、上昇に転じるシナリオである。

20円ラインを明確にブレイクすることによって、年初来の水準を回復することとなる。上述した通り、当社取り扱い通貨の中でも一際下落の目立つXEM/JPYであるが、年初来水準を回復したとなれば、一旦下落トレンドを脱したとの判断を取ることもできそうだ。

1月中に停滞し、2月の上昇相場の始まりとなった25円ラインも上抜けすることができれば、5/7高値44.88円や4/17高値55.30円を意識した転換を期待することも出来るかもしれない。

<シナリオ2>:10円ラインを下方ブレイク

今回確認した上昇の兆しがすべて否定され、下落トレンドが再開するシナリオである。

ここから下落トレンドに回帰し、10円ラインを割り込んだ場合、9円付近の年初来安値更新が強く意識されることとなる。年初来安値を更新した場合、明確なサポートが見当たらないこともあり、下落にはずみが付く可能性も考えられる。

この場合、XEM/JPYは2020年3月半ばから同年8月半ばまで概ね3-5円の狭いレンジでのもみ合いが続いたこともあり、心理的節目である5円がターゲットプライスと想定されるであろう。

5円付近まで下落することとなれば、材料を伴わない上昇が見込みづらく、長期停滞も想定され、注意が必要となってくる。

(7/19午後11:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

7/19の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-6.90%、中央値は-6.60%、標準偏差は2.45%となった。

最小下落銘柄はETC/JPY-2.19%、最大下落銘柄はXEM/JPY-10.91%

最小下落銘柄のETC/JPYは、日足チャート上にて7/9に100日移動平均線を明確に下方ブレイクしてから下落基調となっている。暗号資産全体が下落基調な中で健闘しているが、今月末にハードフォークが行われることが先月に発表されて以降は、材料に乏しい展開が続いている。

最大下落銘柄のXEM/JPYは、当社取り扱い銘柄内において騰落率・ボラティリティ共に4日連続で最大値を記録した。ここ直近4日間は、2日の上昇後、2日の下落となっており、各テクニカル指標が材料視されているもと、思惑が錯綜し荒い動きとなっている印象だ。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

7/19の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は9.84%、中央値は9.16%、標準偏差は3.65%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はXEM/JPY20.81 %。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY5.77 %となった。

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2021-07-20
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