年初来からの上昇率が目立つQTUM(クアンタム)、今後の展開は?
Daily Market Report 2021/10/20
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・健闘するQTUM
騰落率(当社クローズレートより作成)
上図は2021年の当社取扱い銘柄の騰落率をグラフにしたものである(1/1基準)。(OMGは1/1時点で当社にて取扱いがなかったため割愛)
ランキング1位となったETCについては、10/8のマーケットレポートで分析しているので、興味のある方は参照していただきたい。
今回はランキング2位となっているQTUMに注目し分析してみたい。
騰落率ランキング(当社クローズレートより作成)
本レポート執筆時時点
騰落率は全般的にプラスとなっており、XEMを除いて各暗号資産は年初来からプラス成長している。
中でも抜群のパフォーマンスを見せているのはETCとなっており、QTUMは2位である。QTUM/JPYの価格は、1/1時点で232.294円だったが、5/9には2,931.085円となり1,161.8%のプラス成長となった。
この上昇の背景を探ってみよう。
・日次変化率分布:QTUM
QTUM日次変化率分布(当社クローズレートより作成)
上図は2021年1月1日から10月17日までのQTUM/JPYの日次変化率の分布である(日次変化率は、前日の終値から当日の終値の変動幅をX%で示したもの)。
QTUM/JPYは±2.5%に大きな山を作り、大半が±5%以内に収束している。±5%以内のところでは山の高さがほとんど変わらないが、裾野は広く、-32.5%以上の下落、47.5%以上の上昇となった日もあることがわかる。
全体としてはプラス上昇の日が多く、290回のうち155回と半分強の53.45%となっている。
OMGの日次変化率の分布状況を騰落率が低かったMONA、XEMと対比して整理すると以下のようになる。
【QTUM/JPY】
±2.5%以内:86回(29.66%)
±5%以内:170回(58.62%)
プラス:53.45%
【MONA/JPY】
±2.5%以内:136回(46.9%)
±5%以内:222回(76.55%)
プラス:51.03%
【XEM/JPY】
±2.5%以内 94回(32.41%)
±5%以内 181回(62.41%)
プラス:54.48%
QTUM/JPYと比較して、特筆して大きな違いはないことが分かる。
しかしながら、目立った上昇率(本稿では+5%以上とする)を記録した日数を算出してみると、以下の結果となり、QTUM/JPYがMONA/JPYとXEM/JPYと比べ一定の優位性があることが分かる。
QTUM/JPY:70回(24.13%)
MONA/JPY:36回(12.4%)
XEM/JPY:57回(19.66%)
以上のことを踏まえると、QTUM/JPYは他銘柄と比べても騰落率がプラスである日数は変わらないが、その一方で、上昇したときの値幅は大きいことが分かる。その値幅の大きさが、年初来パフォーマンスが他銘柄よりもアウトパフォームしている要因と考えられる。
このように騰落率をブレークダウンしてみると、上昇時のボラティリティの高さがランキングの結果として色濃く反映されていることがわかる。
また、ボラティリティが高いということは、上昇可能性が大きい反面、下落リスクも大きくなる。従って取引においては、テクニカル分析のみでなく、ボラティリティを知ることで適切なポジショニングが可能となる。
当社のマーケットレポートにおいては、日々、ボラティリティのランキングも記載しているので、併せてご確認頂きたい。
・フィボナッチ・リトレースメントによる分析
QTUM/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
QTUM(クアンタム)のチャート・価格情報はこちら
上図はQTUM/JPYの日足チャートに5/7の高値3,586円と6/22の安値437円を結んで、描画ツールにあるフィボナッチ・リトレースメントと一目均衡表、及びボリンジャーバンドを反映させたものである。
<現状>
現在QTUM/JPYはフィボナッチの赤ライン(23.6%水準:1,180円)とオレンジライン(38.2%水準:1,640円)の間を推移している。
一目均衡表においては雲のねじれ付近に位置するものの、雲は下限にありサポートとして機能しているように見える。
7/20以降順調に上値を伸ばし、9/5から9/7にかけてオレンジライン(38.2%水準:1,640円)の上抜けにトライしたが失敗し、赤ライン(23.6%水準:1,180円)を下抜けた。
その後、ボリンジャーバンドの下限がサポートとして機能し、再び反発上昇したが、今度はボリンジャーバンドの上限がレジスタンスとして機能し、赤ライン(23.6%水準:1,180円)とオレンジライン(38.2%水準:1,640円)の間まで押し戻された。
さて、今後の値動きはどうなるだろうか?
<シナリオ1>:上昇シナリオ
直近のターゲットはオレンジライン(38.2%水準:1,640円)が一つの目処として想定される。
このラインは9月に上抜けに失敗している価格帯であるが、ここを上抜けするとなると、2,000円台が次のターゲットとなる。
一目均衡表の雲の上にあり、ボリンジャーバンドも収縮している状況から、上昇となれば、頭上に障害物が何もないことから大幅な上昇の可能性も視野に入れておきたい。
<シナリオ2>:下落シナリオ
QTUM/JPYは9月に上抜けを失敗した際は、赤ライン(23.6%水準:1,180円)を下抜け、ボリンジャーバンドの下限で下げ止まった。
今回はボリンジャーバンドの下限も赤ライン(23.6%水準:1,180円)付近に位置しており、先の方に、薄いが雲が広がっていることから、1,180円付近では底堅い展開が予想される。
しかし、薄い雲をあっさり割り込み、赤ライン(23.6%水準:1,180円)を下抜けた場合は再び500円を割る可能性があることを視野に入れておくべきだろう。
QTUM/JPYは大半が±5%以内の変動に収束するが、上下ともに大幅な変動のある銘柄である。ボリンジャーバンドも収縮から拡大となる可能性もあり、急激な上昇下落には注意が必要だ。
(10/19 午後9:00時点)
・銘柄別価格前日比 (%)
社内データより作成
10/19の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。
平均値は0.43%、中央値は0.26%、標準偏差は1.49%となった。
最大上昇銘柄はBTC/JPYの3.71%、最大下落銘柄はXLM/JPYの-1.96%。
最大上昇銘柄のBTC/JPYは2日続伸。円建て価格は一時733万円まで上昇となり、過去最高値を更新した。
最大下落銘柄のXLM/JPYは3日続落。軟調な展開が続いており、価格は41円前半台での推移となった。
・24時間 ボラティリティ (%)
社内データより作成
10/19の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。
平均値は4.47%、中央値は4.07%、標準偏差は1.08%となった。
最もボラティリティが高かった銘柄はLTC/JPYで5.97%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はOMG/JPYで2.85%となった。
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