相対的に強いメイカー(MKR)、DeFiにおける取り組みがカギか

Daily Market Report 2023/3/10

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1月からの当社取り扱い銘柄騰落率


2023/1/1から3/8までの取り扱い銘柄騰落率(当社取引ツールより作成)

上図は、2023/1/1から3/8までの当社取り扱い銘柄の騰落率である。2023年に入ってからは暗号資産市場の好調によって全銘柄がプラス圏にあるが、数度の調整を挟んだ後、高値圏からは値を崩す形となっている。

その中でもMKRは年初比で83%増の水準と比較的値を保っている。

今回はそんなMKRについて、DeFi市場におけるある取り組みの観点から考察したい。

DeFi市場におけるRWA(Real World Assets)

そもそもDeFiとは、従来の金融サービスに対する形で中央集権的な管理者なしで金融サービスを提供する仕組みのことである(詳細は当社コラムを参照)。

従来の金融サービスが抱えていた諸問題(例えば、人によっては銀行口座を開設できない、管理者の権限によって突然サービスが使えなくなるなど)に対する解決策として生み出されたDeFiである。

ところが、DeFiが抱える問題も最近になってあぶり出された。それは裏付け資産の乏しさである。

例を挙げると、2022年のルナ/テラショックは、アルゴリズムによって1ドルの価値を保つとされたテラUSDの価値が暴落したことに端を発したショックであったが、その原因は裏付け資産としてのLUNAの貧弱さであった。

価値が不透明なものを裏付け資産とすると、ルナ/テラショックのような事例が起こってしまう。

その問題を解決する試みとして最近注目を浴びているのが、RWA(Real World Assets)である。RWAとは、不動産、証券など実世界に存在する資産をトークン化してチェーン内に取り込んだものであり、従来の金融とDeFiの世界の橋渡し役としての期待が高まっている。

そんなRWAをうまく取り込んでいるのがメイカープロトコルである。

メイカープロトコルでは、担保資産を預け入れることでステーブルコインを発行することができる(詳細は当社コラム参照)が、2020年にはRWAをその担保として扱うことができるようになった。

具体的な事例では、仏ソシエテジェネラルが2021年にRWAを担保にローンを提案しており、今後もRWAが絡んだDeFiの活用事例は増えていくものと考えられる。

そんなメイカープロトコルのガバナンストークンとしての価値が、現在のMKRの価格を下支えしているという可能性を考えたい。

テクニカル

当社取引ツールより作成
MKR(メイカー)のチャート・価格情報はこちら

上図は、MKR/JPYの2022/11/20から現在までの日足チャートである。

1月の下旬にゴールデンクロス(上図黒丸)が発生してから、5日移動平均線が25日移動平均線の上に来ており、買いの強さがうかがえる。特に3/1に一気に上昇してからは一段上のレンジ圏内で推移した。

RSIは75付近と高水準のため、割高感が意識される。このため、短期的な調整により3/1の始値105,000円水準までの下落は意識しておきたい。

一方で、上述のとおり、MKRに関しては、ガバナンストークンとしての価値が、現在のMKRの価格を下支えしているという可能性も考えられる。

このような下支え材料に再度着目されると、短期調整後は一転上を目指す展開も想定しておきたい。

この場合25日移動平均をサポートに120,000円を早い日柄でクリアできれば、直近高値である130,000円台を目指した動きとなろうか。

ガバナンストークンであるMKRを運用に使用するDeFiを代表するプロジェクト「MakerDAO」に関して、3/5に、そのMakerDAOが米国債投資で収益改善と追加投資を検討するニュースが出ている。

これらのDeFiプロジェクトの動向が価格に影響することが考えられ、引き続き注視が必要だろう。

(3/9午後7:00時点)

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2023-03-10
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