好材料に富むカルダノはこのまま好調を維持できるか

Daily Market Report 2023/2/2

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期間:2023/1/1~2023/1/31
CoinMarketCapより当社作成

2023年の年初以降、暗号資産の時価総額は大きく上昇している。

1月において時価総額を86%も上昇させたエンジンコイン(ENJ)は、昨年リリースしたエンジンウォレット2.0が今年に入りiOSに対応したことや、ENJのサービス領域であるNFT分野が復調傾向にあることにより大幅に上昇しているようだ。

同期間で時価総額を84%伸ばしたアバランチ(AVAX)も、プラットフォームにおけるノード運営において、クラウドインフラの市場シェアで1位を誇るAWS(Amazon Web Services)が利用可能になるというビッグニュースに加え、カナダ最大の企業であるShopifyもアバランチのNFTが作成・販売できるようになることも大きな上昇要因のようだ。

これらに次いでカルダノ(ADA)も時価総額を56%上昇させるパフォーマンスを発揮しているが、果たしてこのまま好調を維持できるだろうか。まずはこれまでの推移をおさらいしよう。

・2022年のカルダノをおさらい

期間:2022/1/1~2023/1/31
当社取扱い暗号資産うち時価総額上位5銘柄の推移
Tradingview、CoinMarketCap、Wall Street Journalより当社作成

2022年を振り返ると、ADAは多くの暗号資産と同様、年間を通して下落傾向にあり、8月まではビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)と比べてやや低い程度のパフォーマンスで推移していたが、9月以降はそれらの暗号資産を大きくアウトパフォームしている。

この原因は、カルダノネットワークの「Vasil」ハードフォーク実施によるものだろう。

このハードフォークはもともと2022/6に予定されており、ブロックチェーンのスケーラビリティが改善するため大きく期待されていたものの、ハードフォーク実施までに延期を繰り返していた。

その後、当初の計画から約2カ月遅れとなる2022/9/22に実施されることとなったが、これにより材料を出し尽くしたとみなされたためかADAに売り圧力が高まり、この傾向が続いていたと考えられるだろう。

結果として、ADAの2022年のパフォーマンスは80%下落となり、2023年を迎えることとなった

2023年以降のカルダノと今後の材料

2023年に入りADAが好調である理由には、カルダノネットワークの弱点が克服される期待の高まりが理由のひとつであると考えられる。

DefiLlamaより当社作成
2023/1/31時点

そもそもADAは、BTCのような決済手段としての利用のみを目的としたものではなく、スマートコントラクトを用いたネットワークの基軸通貨としての運用を目的とした暗号資産である。

しかし、TVL(Total value locked = DeFiにて預けられたADA)は時価総額のわずか0.55%(2023/1/31時点)に留まり、これまで本来の用途・目的に沿った運用がされているとはいえない状況が続いていた。

2023年の第一四半期にはこのいびつな状況を打破するため、カルダノネットワークにてアルゴリズム型ステーブルコイン「Djed(ジェド)」とUSD担保型ステーブルコイン「USDA」が注目材料だ。

ステーブルコインローンチによりブレイクした事例としては、トロンネットワークにて2022年5月にリリースしたステーブルコイン「USDD」が記憶に新しい。

2022年は年初から年末にかけてBTCが60%、ETHが63%、ADAに至っては80%の下落を経験する中、TRX(トロン)は19%の下落に留めることに成功したが、これはステーブルコインの導入による影響が大きいとされる。

ジェドが採用するアルゴリズム型ステーブルコインといえば昨年、暗号資産市場全体を戦慄させた「LUNA(テラ)」および「UST(テラUSD)」を連想させるが、ジェドはこの教訓を活かし、急な価格変動が起きた際などにUSDとの連動性が外れにくい技術設計となっている。

また、カルダノネットワーク拡大のテコ入れとして2/15頃にカルダノネットワークのアップグレードとして「SECP」ハードフォークが予定されており、これによりクロスチェーンのアプリ開発の敷居が下げられる予定となっている。

このことはカルダノネットワーク上で稼働するDApps数が少ないという状況を改善できる可能性のある好材料といえるだろう。

カルダノネットワークの利用者にとってはステーブルコインのリリースが、開発者にとってはSECPハードフォークが、それぞれカルダノネットワークの利便性を向上させる要因となるため、これらの計画が順調に進めば昨年のTRXと同様、ADAは引き続き好調を維持できるかもしれない。

現在、ADA/JPYは50円の攻防が続いているが、これらのニュースを受け、好調を維持できれば、ADA/JPYはFTXショック直前である2022/11の約60円まで価格を戻せる可能性もあろうか。

一方で、米国のファンダメンタルズに目を向けると、2/1のFOMC(連邦公開市場委員会)にて0.25ポイントの利上げ発表があったが、会見にてパウエル議長は状況を確認する必要があるもののインフレ緩和の認識を示したことで2/1のニューユーク株式市場の終値は小幅に値上がりした。

しかし、議長は少なくともあと2回は利上げあると明示しており、引き続き注意が必要だろう。

(2/2 午前10:00時点)

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