暗号資産は老舗銘柄を選好する方向へ。原点回帰の流れは継続か

Daily Market Report 2022/12/5

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リスク回避先となるLTC、BCH

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上図は、FTXショック直前の11/7から12/4までの当社取扱銘柄の内、時価総額10億ドル(約1,340億円)以上の騰落推移を表している。上図の色付き4銘柄以外はグレーで統一している。

11月は、FTX破綻の余波がヘッジファンドや投機筋にも広く波及し、暗号資産市場は全面安の展開となっている。

しかしながら、LTC(ライトコイン)は僅かながら逆行高、BCH(ビットコインキャッシュ)は下落幅が限定的となっており、リスクオフの局面で選好されている銘柄も確認できる。

ETHは9月に大型アップグレード「Merge」が行われ、次の話題を待つ状況に対し、BCHでは来年5月頃にアップグレードが予定されており、LTCでは来年夏頃に半減期が控えている。

目先にわかりやすい材料を伴っていることで、暗号市場全体がリスクオフに傾く中でも底堅い動きに繋がっている可能性がありそうだ。

BTCに類似した”老舗銘柄”がキーポイント


上表は、時価総額10億ドル以上の当社取扱銘柄のチェーン(メインネット)始動年、コンセンサスアルゴリズムの一種であるPoW採用の有無、他チェーンとの互換性あるいはDapps(分散型アプリケーション)機能の有無を一覧にしたものである。各銘柄は11/7起点の騰落率順に並べている。

値動きが堅調なLTC、BCHはPoWを採用しクロスチェーン、Dapps機能が無いことが共通している。

暗号資産の創世記に誕生したBTCは、BTC残高※をアドレス(アカウント)間で単純にやり取りする機能のみを持ち、仕組みは非常にシンプルなものである。
※正確には残高ではなくUTXOのやり取りだが、わかりやすい表現として「残高」と記載。

そのシンプルさ故に改ざんに強く、信頼性の高さに繋がり、システムの脆弱性を狙われた大々的な事件はなく13年以上もBTCのブロックチェーンは安定して稼働し続けている。

複雑なアルゴリズムロジックで稼働していたステーブルコインUSTは2022/5にいわゆる取り付け騒動に発展して急落し、その影響はスマートコントラクト機能を有するETHなどにも大きく波及した(テラショック)。

上表にて騰落率一位のLTCは、ブロック生成時間の短縮などでBTCをグレードアップさせた銘柄である。また、BCHは2017年にBTCからハードフォークした銘柄であるため、これらの銘柄はBTCとの類似性もある。

また、シンプルな仕組みはハッキングリスクを抑え、他チェーンとの互換性が無いことは他銘柄からの独立性を保ちやすい。そして、LTCに関しては稼働年月が長いことも心理的に好材料となりうるだろう。

実際、2022年は暗号資産市場全体で金額ベースにおいて前年比2倍のハッキングが報告されている(11/18 coindesk)が、暗号資産の中でも用途や技術がシンプルであるLTC、BCHの価格推移が堅調なのは、こうした背景があることも考えられるだろう。

暗号資産マネーは、“老舗銘柄”に向かいつつあり、原点回帰の流れは今後も続くかもしれない。

BTCには更なる売り圧力も!?

一方で、老舗中の老舗であるBTC価格が振るわない理由はどこにあるんであろうか?

BTCは暗号資産のシンボル的な存在であるために、その技術的な安定性を上回る形で負の側面である信用リスクに対する懸念が晴れないためであろう。すなわちFTXショックが市場に及ぼす不確実性が未だ強いために上値が重くなっていると言える。

例えば、BTC投資信託(GBTC)の運用会社と同じグループであるジェネシス・グローバル・キャピタル社は、FTX社への預け入れが焦げ付いている状況であるとされる。仮に、ジェネシス社の悪影響が64万BTCを運用するGBTCに広がれば、BTCの下落要因となりそうだ。

上述のとおり、暗号資産マネーはBTCを中心とした”老舗銘柄”に向かいつつあり、原点回帰の流れがあるかもしれないが、暗号資産の代表であるBTCは、他の暗号資産よりヘッジファンドなどの大口投資対象となる傾向にあるため、強力な売り圧力が出現するリスクも健在であり、BTCの先行きは楽観できなさそうだ。

(12/4 午後9:00時点)

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2022-12-05
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