方向感がつかめないBTC。今後の値動きはどうなる?―先週の騰落率と注目すべきトピックス

Daily Market Report 2022/3/17

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当社取扱い14銘柄の騰落率

騰落率ランキング(期間2022/3/6 – 2022/3/12)
当社クローズレート(Bid)より作成

上図は2022/3/6~2022/3/12における当社取扱い銘柄の騰落率のランキングである。

3/9に当社取扱い暗号資産は全銘柄高騰したが、翌3/10には反落。3/9の上昇分を打ち消すほど下落する銘柄があるなど、方向感が定まらない状況だ。

結果的に対象期間においては14銘柄中10銘柄が上昇しているが、ウクライナ情勢に係る各国の動き次第ではボラティリティが急速に高まる可能性もあり、予断を許さない展開が続きそうだ。

ビットコインのチャートで見る先週からの出来事(3/6~3/14)

時価総額1位の暗号資産、ビットコインのチャートで出来事をまとめる。

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

3/9の高騰に関しては、米時間3/8にイエレン米財務長官の声明文が一時的に公開されたことが影響していると見受けられるだろう(3/9 CoinDesk)。

声明文では「暗号通貨に関する大統領令は、米国の政策を省庁間で調整しながら“責任あるイノベーション”を支援することになる」と触れられており、暗号資産市場はポジティブなニュースとして反応。結果、ビットコインは一時的に前日比+8.9%を付けることとなった。

上記のニュース以外にも、3/10に韓国で暗号資産(仮想通貨)に友好的な姿勢を見せている尹錫悦(ユン・ソギョル)氏が韓国大統領選に勝利した(3/10 コインテレグラフ)。

同氏は韓国国内でのブロックチェーン企業を支援していく旨を語っており、こちらもポジティブなニュースとして暗号資産市場は受け取ったようだ。

一方で、先行きの不透明さに拍車をかけているニュースもある。

各国で進められているロシアへの金融制裁に関連して、米上院議員が制裁回避を阻止するため、暗号資産取引所等の業者に対し顧客情報や取引記録の報告を求める法案を起草していることが報じられた(3/10 CoinPost)。

また、3/11にはG7がロシアに対する金融制裁をさらに強化する共同声明を発表した(3/12 CoinPost)。

3/12にも金融制裁が加えられているロシアの富裕層が、アラブ首長国連邦で暗号資産(仮想通貨)を売却していると報じられた(3/12 CoinPost)。

冒頭で述べた通り、ウクライナ情勢の変化によって予想だにしない値動きをする可能性も考えられるだろう。

その点を踏まえ、ファンダメンタルズの観点から今後の展開を整理したい。

<上昇シナリオ>軍事侵攻停戦又は、停戦への光明

連日報道されているように、ウクライナとロシアは停戦に向けた交渉を続けている。

しかし、双方の姿勢が崩れることは無く、大きな進展がないのが現状だ。

停戦に向けての交渉に進展があれば好感され、他の金融商品と共に一気に価格が上向くことも予想される。

また、もしも停戦に至らなかったとしても、両国の首脳会談が実現し何らかの進展があった場合も上昇要因となるだろう。

このようなポジティブなニュースがあれば、3/9の前日比+8.9%のような上昇が考えられ、ビットコインも500万円台が見えてくるだろう。

EU議会での暗号資産法案「MiCA」にも注目しておきたい。

マイニングが必要なPoW(プルーフオブワーク)銘柄を禁止する条項が加えられたことで、暗号資産エコシステムへの打撃が危惧されていた。

しかし、この条項は非承認となった。

非承認になったことで懸案事項が解消されたが、MiCAの新バージョンは、EUが定めた環境に配慮した経済活動を認定する基準である「EUタクソノミー」において、2025年1月1日までに暗号資産マイニングから生じる二酸化炭素を削減する内容が盛り込まれているので注意が必要となりそうだ。

<下落シナリオ>軍事侵攻悪化又は、各国介入の泥沼化

両国の停戦交渉が一向に進まず情勢のさらなる悪化が進んだ場合、先行きの不透明感からリスク資産である暗号資産の売りが進む可能性があるだろう。

また、各国のロシアへの金融制裁の影響から、一般投資家の暗号資産投資の締め付けが発生した場合もネガティブな要因として市場は受け取ることが考えられよう。

他に、米国金利動向にも注目しておきたい。

米連邦準備理事会(FRB)は、3/15~3/16で行なわれる会合で利上げを決める見通しだったが、3/17、結果は市場の予想通り0.25%の利上げとなった。

新型コロナウィルスや、ウクライナ侵攻による原油高が追い打ちをかけ、2月には前年同月比7.9%と、約40年ぶりの上昇率を記録している。

物価上昇に歯止めをかけるための利上げだが、世界金融市場への影響は大きい。

昨日は材料出尽くしと、米国がシェールオイル増産をすることが日経新聞の1面に報道されるなど、原油価格のピークアウトもあって米国株は大幅に上昇している。

ただし、根底にある地政学的リスクとインフレリスクが依然として市場に重くのしかかる可能性があり、金融市場への圧迫要因となろうか。

この場合は暗号資産市場も例外ではなく、軟調傾向が継続する可能性もあるだろう。

(3/17 午前9:00時点)

銘柄別価格前日比(%)

社内データより作成

3/16の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は3.24%、中央値は2.92%、標準偏差は1.41%となった。

最大上昇銘柄はENJ/JPY5.94%、最小上昇銘柄はMONA/JPY0.29%

最大上昇銘柄のENJ/JPYは1週間ぶりに160円台を回復。東京時間からじりじりと下値を切り上げていたものの、FOMCのイベント待ちということもあってか大台を手前に伸び悩んでいた。

ENJ/JPYもFOMC後にBTCが急落したことにつられて下落したものの、BTCの持ち直しとともに反発に向かった。160円を上抜けしたことではずみが付き、一時165円まで上値を伸ばした。

最小上昇銘柄のMONA/JPYは、110円付近で小動き。これといった手がかりもなく、110円付近での膠着状態が続いた。

FOMC通過後にBTCが急落したものの、MONA/JPYではそれほど大きな影響を受けておらず、ここ数日のレンジ内での動きに留まった。

24時間 ボラティリティ(%)

社内データより作成

3/16の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は6.79%、中央値は7.07%、標準偏差は1.30%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はBAT/JPY9.11%

一方、最もボラティリティの低かった銘柄はXRP/JPY5.08%となった。

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2022-03-17
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