ETC(イーサクラシック)、下値模索からの重要局面か

Daily Market Report 2021/06/09

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75日移動平均線で反発も戻り鈍い

ETC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、ETC/JPYの日足チャート(期間:2021/04/08~現在)である。

年初から上昇基調が継続していたETC/JPYは、5月に入り暗号資産全般への買い意欲を背景に、米国Robinhoodの取扱銘柄であること(5/6 CoinPost)もあいまってか、5/6には史上最高値となる18,000円に到達した。

しかし、その後は暗号資産全体のリスクオフも重なったこともあり、翌日以降、軟調な展開が継続し、5/22には一か月ぶりとなる4,000円割れの水準にまで下落した。

5月末にかけては自律反発の局面が見られ50日移動平均線をサポートに下値を切り上げたものの、上値も重く、6/5には50日移動平均線に触れないまま下押した(赤矢印)。

現在は最高値の半値八掛け二割引である5,760円付近を推移している。

現在のETC/JPYは、半値八掛け二割引のほかに、次の3点からも重要な局面といえる。

①75日移動平均線の接近
②5,000円付近のサポートの攻防
③2020年高値付近のサポート

①75日移動平均線の接近
75日移動平均線は、今年1月にETC/JPYが上抜けてから5/19に下押すまで一度も触れることのなかったサポートラインであり、5/23の下落時にもサポートとして機能している(上図黄矢印【1】)。
現在のETC/JPYを日足以上の期間でみるうえで、上昇トレンドが依然継続していると判断する上での根拠の一つとなりうる。
この75日移動平均線であるが、6/8営業日に再び接近しており(上図黄矢印【2】)、今回も反発できるか注目される。日足終値ベースで2営業日以上下回った際には、市場参加者に上昇トレンドの終焉を彷彿させ、上値の重い展開の継続となりそうだ。

②5,000円付近のサポートの攻防
今年4月末までのETC/JPYの年内最高値は5,190円であるが、5月下旬の下落では、この価格帯を終値ベースで上回って引けるなど、サポートとして意識されていた。
このため、5,000円付近の価格帯を意識した攻防が想定される。この価格帯を割った場合には、弱気相場入りと判断され、下値模索の展開となる可能性も視野に入れておきたい。

③2020年の高値付近のサポート
5,500円は、2020年の年内最高値である。ETC/JPY は昨年2月に5,500円をつけてから、8ヶ月以上の長期に渡って下落トレンドとなった。この節目を下回った際には、ETC/JPYの弱気相場入りを警戒した市場参加者の手控えが起こりうると考えることができそうだ。

また、ETC/JPYのチャートを見るうえで、ETC/ETHのチャートもあわせてみておきたい。

年初からのETC/JPYの上昇であるが、ETC特有の主な強気材料は、①昨年10月に51%攻撃の対応策が導入されたこと、②米国の個人投資家向けアプリに上場していることの2点に代表されるように、ETC自体のファンダメンタルズ材料は少ない。

このため、ETCの上昇も、多くはETF上場申請やNFT銘柄として注目を浴びたETHに牽引された可能性が考えられる。

ETCは時価総額や流動性、知名度等の面でETHと比較したとき、グロース銘柄のような側面(≒強気相場で、伸びしろを期待された小型株が高PERにも関わらずさらに高いパフォーマンスを見せる現象)があったともいえそうだ。

つまり、ETC/ETHは、年前半のアルトコイン相場における市場参加者のリスク選好姿勢を表しているとも捉えることができる。

ETC/ETHのチャートをみてみよう。

ETC/ETHは10日連続陰線、0.02ETH割れを試す展開へ

ETC/ETH 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図はETC/ETHの日足チャートである。

ETC/ETHは、ETC/JPYと異なり、依然として75日移動平均線の上方にあるが、5/25に4/23安値から5/6高値にかけてフィボナッチラインの50%ラインで反落してからは10日連続陰線をつけており、短~中期的な下落トレンドの真っ只中にあるとみて良いだろう。

6/8に関して言えば、50日移動平均線を下回っており、これを背景にした売りによって下落を加速させたとも考えられそうだ。

上図では、4/23安値から5/6高値にかけてフィボナッチラインを引いている。このフィボナッチラインは、23.6%ライン、38.2%、50.0%ラインのレジスタンスや、50.0%、61.8%、76.4%ラインのサポートと、それぞれ一度は反発、反落の兆候が見られていることから、次に0.02000ETH付近で上方向へ動意づく展開(反発)が視野に入る。今回の下値の目処となりうるサポートの一つとして考えられるだろう。

このすぐ下の0.01915ETHも下値の目途として見ておきたい。これはETC/JPYと同じく、4/17高値と5/19安値の付近に位置しており、平行線を利用する市場参加者の注目しているラインである。また、この価格帯に入ると、50日移動平均線が75日移動平均線を下抜ける(デッドクロス)可能性が高まってくる。その場合には下方向へ勢いづき、上図フィボナッチ起点である4/23安値の0.01147ETHを目指す展開も視野に入ってくるだろう。

一方でETC/ETHは現在75日移動平均線を上回っており、ETHよりもETCが選好されている状況である。マーケット全体の地合いが好転して、市場全体が全面高となった場合においてはETC/JPYがアウトパフォームする展開も視野に入れておきたい。

(6/8午後8:00時点)

銘柄別価格前日比 (%)

社内データより作成

6/8の当社取扱い銘柄別終値の前日比は上記グラフの通り。

平均値は-3.71%、中央値は-3.10%、標準偏差は2.19%となった。

最小下落銘柄はXRP/JPY-0.01%、最大下落銘柄はMONA/JPY-7.62%

最小下落銘柄のXRP/JPYは、直近高値である5/18の180円付近を起点とした半値押し水準を一時的に下回り、84円まで下値を拡大した。その後は、その達成感や安値圏での値ごろ感からの買いなどが支えとなったのか、米国時間からは上昇を続け、下落分をほぼ取り戻した形となった。

最大下落銘柄のMONA/JPYは、戻りが鈍い。他銘柄同様、米国時間からは買いの勢いが強かったものの、4/17高値である430円付近からの半値押し水準を明確に下回った水準での取引となったこともあり、同水準がレジスタンスとして意識され、上値の重い値動きとなった。

24時間 ボラティリティ (%)

社内データより作成

6/8の当社取扱い銘柄の24時間ボラティリティは上記グラフの通り。

平均値は15.40%、中央値は15.11%、標準偏差は3.22%となった。

最もボラティリティが高かった銘柄はMONA/JPY22.94%。一方、最もボラティリティの低かった銘柄はBTC/JPY9.72%となった。

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2021-06-09
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