2023年、なぜBTC(ビットコイン)は上昇した?その要因は“良いとこ取り”!?
Daily Market Report 2023/12/20
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今年も残すところ僅かとなった。
改めてこの一年間を振り返ると、BTC(ビットコイン)は年初の約217万円から現在は約610万円とおよそ2.8倍もの上昇をしている。
今年のBTC上昇の要因はどこにあったのか。
究極の安全資産とされる金にちなんでデジタルゴールドと表現される一方で、株価などのリスク性の高い資産との相関性も多く指摘されているBTCは、アセットクラスとして二面性があると言える。
本レポートでは、金価格に連動することを目指した暗号資産ZPG(ジパングコイン)と、日米の代表的な株価指数である日経平均とS&P500を比較対象として、BTC上昇の要因を紐解いてみる。
・金価格、株価それぞれの上昇時にBTCも連れ高に
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上図は、2023年の各アセットの月間騰落率を一覧にしたものである。また、株価、金価格それぞれで最も上昇した2期間を色塗りにしている。
BTCは現在までに年初来181%上昇しているため、当然ながら他アセットと比べると月間騰落率は高くなっている。二桁上昇率を記録した月は4つあり、騰落の単純平均値も10%と突出している。
【1月】
FTXショックの影響を受けたまま210万円台でスタートしたBTCだが、米経済のソフトランディング期待が先行したこともあってか他アセットの価格上昇を追い抜く強さで急速に価格を回復、月末にはFTXショックの下落分をすべて戻す形となり、騰落率としては2023年最大の37.7%を記録した。
【3月、10月】
金価格(ZPG)は3月と10月に大きく上昇しており、これは市況環境の悪化による投資家のリスク回避の結果だと考えられる。
3月は米国の大手地銀が破綻し、急速な金利上昇による負の側面が浮き彫りになった。10月はイスラエルで戦争が勃発し、債務上限問題を発端とし12年ぶりに米国債が格下げされた月であり、同じく投資家はリスク回避を好んだと言えよう。
この時期には株価よりも金価格の上昇が目立ち、BTCもそれぞれの月で19%、29%と急騰した。
【6月、11月】
6月は、雇用や個人消費の堅調さから米景気に対する楽観的な見方が広がり、日米ともに株価は上昇した。
11月は、利上げ局面の終了が意識されて16年ぶりとなる高水準を記録していた米国の長期金利が月末にかけて急低下し、この金利低下の影響は株価にとってポジティブ材料となった。
6、11月に金価格は伸び悩んでいたが、BTCはこのリスクオンの局面の恩恵を受け、それぞれ16%、7%と続伸した。
このように、金価格と株価はそれぞれリスクオフ、リスクオンという別々の要因で上昇している。しかし、BTCはリスクオフ、リスクオン両方の局面で高値を追求した。
リスクオフではデジタルゴールドとして、リスクオンでは株式のようなリスク性資産として、BTCは両者の”良いとこ取り”をするような動きをしたと言えよう。
結果としてBTCは、年間騰落率181%と本レポートで比較した他アセットと比べ圧倒的なパフォーマンスとなった。
勿論、過去の当社マーケットレポート(『年初来高値のBTC(ビットコイン)、懸念材料はないのか?』)などでも触れているように、今年は現物ETF承認への期待がBTCの価格上昇に影響しているため、一概に株価と金だけの影響とは言えないものの、上図を確認すると、2024年も株価と金の”良いとこ取り”により、更なる価格上昇も考えられるだろう。
また、2024年はビットコイン独自のポジティブ材料である現物ETFの承認、BTC半減期などが予定されている。市場全体のリスクオフ、リスクオンに加えてこれらの独自材料が重なれば、BTCが2021/11に記録した過去最高値(約780万円)を超えることも決して夢物語ではないかもしれない。
(12/19 午後7:30時点)
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