年末上昇の掉尾の一振は暗号資産にもあるか。過去5年間の動きをみると…
Daily Market Report 2023/11/29
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今年も残すところ1ヶ月となった。今年一年を振り返ると暗号資産は大きく値を戻しており、BTC(ビットコイン)は年初の約217万円を底値に現在は約550万円と2.5倍も上昇した。
また、相場の世界では「掉尾の一振(とうびのいっしん)」という、12月は年末にかけて相場が上昇しやすいことを示す格言がある。この格言通りにBTCをはじめとする暗号資産は12月に一段高となるのか。
本レポートでは2018年~2022年の各年12月にフォーカスし、BTC、ETH(イーサリアム)、XRP(エックスアールピー)の月間の騰落推移を振り返ってみる。
・過去の12月推移
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上図はBTCの12月騰落推移を表している。価格は12/1始値を100として指数化し、各年の推移を色分けした。
2020年は「100→148」と大きく上昇している一方で、その他の年は「100→82~94」と下落傾向にある。
上図の年末時点の数値を合計して5で割り算出した数値(※以下、平均指数とする)は101となっており、言い換えると5年間の平均で騰落はほぼフラットである。
上図はETHの12月騰落推移を表している。
2018年は5~11月まで7か月連続陰線(月間での下落)の反動とも考えられるが、上昇3回、下落2回と方向性は分かれており、5年間の平均指数は97(3%下落)と若干の下落となっている。
上図はXRPの12月騰落推移を表している。
2020年末にはSEC(米証券取引委員会)がリップル社を提訴しており、そうした影響も考慮する必要はあるが、他2銘柄と比べ突出してXRPのパフォーマンスは振るわないと言えるだろう。
特徴としては上図全てのパターンで下落していることが挙げられる。
平均指数は75(25%下落)と低くなっており、極端に下落した2020年を除いても平均指数は85(15%下落)である。単純な考察ではあるが、過去5年間の12月推移のみから予測すると、今年12月にXRPは15%~25%下落する可能性があるとも考えられそうだ。
以上のように、XRPを含めた暗号資産市場は「掉尾の一振」の格言通りとはなりにくいかもしれない。
・XRPのターゲットプライスは?
当社取引ツールより作成
最後に、過去5年間で年末のパフォーマンスが特に振るわなかったXRPについて、今後のシナリオを検討してみよう。
上図はXRP/JPYの8月から現在までの日足チャートである。
過去の12月騰落推移の傾向をアノマリーと捉えた場合、XRPは12月に15%~25%程度下落するシナリオが考えられそうだ。
現在値87.5円に対して、15%下落水準はおよそ74.3円であり、これは8/17の大幅下落以降の上値抵抗線(上図 黄色線)とおおよそ一致する。25%の同水準は約65.6円であり、こちらは9月と10月それぞれに付けた底値ラインと近い。(上図 青線)
先月はXRPのETF上場申請(フェイクニュースであったことが後に判明)でXRPは乱高下しており、新たな材料は不安定な相場に繋がる可能性もある。
また、年初比較で暗号資産市場は急回復しており、長期保有者が年末にかけてポジション手じまいを積極的に行うと、相場には重石となってきそうだ。
(11/29 午前5:00時点)
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