月足では下落の市場だが、追い風あり?9月にテストネットローンチのETHはどうなる

Daily Market Report 2023/8/31

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8月1日からの騰落率


騰落率ランキング(期間2023/8/1 – 2023/8/29)
当社クローズレート(Bid)より作成

上図は、8/1~8/29時点におけるNIDTを除く当社取扱い銘柄の騰落率のランキングである。

26銘柄中24銘柄が下落しており、うち13銘柄は10%を超える大幅な下落となった。

8/30のマーケットレポート「グレースケールの勝訴に沸くビットコイン、急落前の425万円水準に戻れるか」に記載のとおり、8/29にグレースケールがSEC(米証券取引委員会)に勝訴した。

これにより、BTC(ビットコイン)は380万円付近から400万円まで価格が上昇したが、BTCはじめ多くの暗号資産価格は8月に入り下落している。

BTCの上昇要因があったにも関わらず、当社取扱い銘柄の多くは8/1の価格を超えることができていない。

価格が戻らない背景として、8/17公開のFOMC議事要旨が挙げられる。大半の参加者が追加の金融引き締めが必要になると認識している旨が公表され、株式市場は下落。暗号資産市場もそれに連れられる形で大幅な下落となった。

逆に上昇しているのはZPG(ジパングコイン)とTRX(トロン)である。

ZPGは金価格との連動を目指す暗号資産であり、今回の価格上昇も金価格に連れられる形で上昇している。「有事の金」と称されるように、昨今の世界情勢の不安定化を懸念し、金の買いが走っていると考えられる。

TRXは個別の材料が無いことから、単に米株市場、暗号資産市場の上昇を受けて同じく上昇したものと考えられる。

本レポートでは値下がりはしているものの、下落率はマイナス4%にとどまるETH(イーサリアム)について、直近のファンダメンタルズと、テストネットローンチを発表したETHの動向を踏まえた今後について考察する。

市場は良好?ETHの今後

ETH/JPY 8時間足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
ETH(イーサリアム)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2023/8/1~2023/8/29までのETH/JPYの8時間足チャートである。

前述した通り、8/29に米デジタル資産運用会社のグレースケールがSECに勝訴し、BTCを含め多くの暗号資産の価格が高騰した(上図赤枠)。

これを受けてETHも同様に、前日比4.6%上昇となる250,000円を突破している。

上記に加え、米総合購買担当者景気指数(PMI)などの経済指標が弱まっており、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めの終焉を期待した買いが株式市場に入った。

これらのことから、ファンダメンタルズは良好であると考えられるが、再度金融引き締めが意識されるようなニュースが出た場合は一転して悪化する可能性もあるため留意しておきたい。

また、これら市場に関連するニュースとは別に、ETHはテストネット「Holesky」のローンチを9/15に予定していると発表した(CoinMarketCap)。

このテストネットは、現在のテストネットである「Goerli」を置き換えるものであり、前2回のテストネットとは違い、インフラやプロトコル開発におけるテストを推奨している。

置き換える理由として、現在の「Goerli」テストネットでは、テストネット用ETHであるgoETHを投機目的で買い占める動きがあり、開発者が開発に必要な量を手に入れることが難しく、開発を進めるうえでネックになっていたことが挙げられる。

今回の「Holesky」では、テストネット用ETHである「Holesky ETH」の供給を16億枚に決定しており、前テストネットと比較し開発がしやすくなることから、ETH自体の盛り上がりにもつながると考えられる。

ETH/JPYは現在24万円付近で推移しているが、暗号資産市場のファンダメンタルズや、金融引き締めの終わりの期待感から、まずは直近8月前半の高値である26万円のレベルがターゲットとなろうか。

ただし、26万円より上は年初来高値の28万円レベルが見えてくるため、上値が重くなってくる可能性が高くなる。

それを見越した売りも26万円までに相当量発生する可能性もあり、悪材料が出て下落速度を速める展開には、十分注意しておきたい。

(8/30 午後4:00時点)

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