グレースケールの勝訴に沸くビットコイン、急落前の425万円水準に戻れるか

Daily Market Report 2023/8/30

_

良好なファンダメンタルズのBTC

BTC/JPY Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、8/28 7:00から現在までのBTC/JPY 1時間足Bidチャートである。

8/29 23:20ごろに米デジタル資産運用会社のグレースケールがSEC(米証券取引委員会)に勝訴したとの報道が出始めると、ETF転換承認への思惑からか、価格は380万円付近から400万円を超える水準へと大きく上昇した。

そもそもSECとグレースケールのETFを巡る問題を振り返ると、2021年10月にグレースケールが運用するビットコインファンドをETFに転換する申請を行ったものの、2022年6月にSECはこれを拒否することを決定。これを受けてグレースケールがSECを提訴していた。

今回の判決では、SECの拒否決定が覆されたため、米国初の現物ビットコインETFの誕生の道筋が見えたことから急騰につながったと考えられる

また、8/29 23:00には米JOLTS求人件数の発表もあったが、こちらは予想946万件に対して882万件と大きく下振れたことで、労働需要の鈍化から米国債金利が低下、ドル安に繋がった。これを受けてBTC/USDが上に反応していたことも、今回の急騰の追い風となったと考えられる。

上述のように、米国の金利低下という金融商品全体のファンダメンタルと現物ETF上場に伴う買い需要というBTC特有の材料が同時に発表された形となった。

以下では、これらを踏まえて、今後の価格目処を考えてみたい。

価格目処

BTC/JPY Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、2023/6/1から現在までのBTC/JPY日足Bidチャートである。

8/17の急落後、380万円代の水準でレンジ相場となっていたBTCだが、今回の上昇によって一気に400万円台へと復帰した。

結果として、昨日のマーケットレポート「正念場のビットコイン、カギは200日SMAと米国株の動向か」でも記載のとおり、200日移動平均がサポートとして機能した状況となっている。

前回の急落の原因の一つがFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨がタカ派な内容であったことを考えると、今回のJOLTS求人件数の減少は重要だ。

今週金曜日に発表される米雇用統計(前回18.7万人、予想16.5万人)はJOLTSの結果を踏襲するように弱い数字が予想されている。

結果が予想どおり弱い場合は、BTC/JPYには更なる追い風となる可能性が出てくるであろう。

それに加えて更に、現物ETF上場の可能性が一層高まったことから、ブラックロックのBTC現物ETFの実現もこれまで以上に価格に織り込まれていくのではなかろうか。

BTC/JPYの上値の目途は、ひとまずは8/17の急落前の425万円の水準が考えられる。

425万円が早い段階でクリアできるような相場付になれば、7月につけた年初来高値である450万円の水準を更新できるかに注目したい。

反対に、再度金融引き締めが意識される場合など、ファンダメンタルズが悪化した場合の下落目処は200日移動平均線の水準である、375万円付近となろうか。

今回、グレースケールがSECに勝訴したが、ビットコインETFの最終的な上場が保証されたわけではない。

グレースケールのCEOであるマイケル・ソネンシャイン氏は、X(旧Twitter)にて「当社の法務チームは裁判所の意見を積極的に検討しています。」と述べており、現物ETF上場など、引き続き、金融商品全体のファンダメンタルに関するニュースに注目が必要であろう。

(8/30 午前6:00時点)

◆本資料においてお客様に提供される情報は、株式会社DMM Bitcoinが収集・作成等したものです。

◆本資料は、一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、暗号資産取引の勧誘を目的としたものではありません。

◆本資料は、本資料作成時点で株式会社DMM Bitcoinが信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。

◆本資料の情報によって生じたいかなる損害についても、株式会社DMM Bitcoinおよび本情報提供者は一切の責任を負いません。

◆本資料のグラフ・データ等は、過去の実績または作成時点での見通し・分析であり、将来の市場環境の変動や運用状況・成果を示唆・保証するものではありません。また、税金・手数料等を考慮しておりません。

◆本資料に関する著作権、知的所有権、その他一切の権利は、株式会社DMM Bitcoinまたは権利者に帰属します。お客様は、本資料に表示されている情報をお客様自身のためにのみ利用するものとし、第三者への提供、再配信、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。


本日のスプレッド縮小対象銘柄はキャンペーンページで発表いたします
2023-08-30
ページTOPへ