金価格のアノマリーから見たZPG(ジパングコイン)、夏場が狙い目?

Daily Market Report 2023/8/15

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金価格のアノマリーを探る

Bloomberg(https://www.bloomberg.com/)より当社作成

上図は、各年の7月を起点として、過去4年間におけるNY(ニューヨーク)金価格の推移を1年間ごとに指数化した比較チャートである。

上図のように、夏場の7月を起点とした場合、少なくとも過去4年間では、年末年始の時期において金価格が7月初頭の水準を上回る傾向にあることが分かる。

年末年始の金価格には、夏場と比較して強含む傾向があると考えられそうだ。

安全資産や無国籍通貨と呼ばれる金ゆえに、世界情勢変化などの有事に反応しやすい反面、普段はボラティリティも他のアセットと比べて低いが、こうした傾向は1つのアノマリーと捉えられるだろう。

そもそも、アノマリーとは相場の経験則を意味するものであり、明確な根拠づけは難しいとされる。

しかし、古くからアノマリーは多くの投資家心理に影響を与えており、「麦わら帽子は冬に買え」等、過去の経験則に沿った相場格言も多く存在する。

本稿では、金価格との連動を目指すZPGに、金価格のアノマリーを重ねて今後の見通しを検証してみたい。

アノマリーの背景は?

World Gold Council(https://www.gold.org/)より当社作成

上図は、2019年~2023年6月までの過去4年間における金の宝飾需要を四半期ごとにまとめた一覧表である。

金需要は、主に宝飾需要、産業用需要、投資需要、中央銀行需要に区分され、中でも宝飾需要が最大のシェアを占めるといわれている。

また、上図を見れば、夏場となるQ3から年末のQ4に向けて宝飾需要が高まる傾向が顕著であり、世界各国におけるクリスマス商戦(12月)や新年のイベント(1月)を見据えた動きと見ることもできよう。

金に限らず、需要と供給の関係が価格を決定づけるのが市場原理であるから、年末年始に金価格が強含むアノマリーは、当然の帰結といえるだろう。

そして、金価格との連動を目指すZPGにおいても、需要の低い夏場に買い、需要の高まる年末年始に売るという戦略に繋げることができそうだ。

先述の「麦わら帽子は冬に買え」は、季節外れに需要のない商品を購入しておくことを勧める相場格言だが、ZPGにも当てはめることができるかもしれない。

今後の見通し

ZPG/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
ZPG(ジパングコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2023年4月から直近までの日足チャートにRSIを示したものである。

金価格については、今月初頭に史上最高値を更新しており、金価格と連動してZPGも上図のように高値を更新した。

現在は最高値時に近い価格推移をしており、一見すると過熱感のある値動きとも言えそうだが、RSIは50%を下回っており、底堅い上昇トレンドを支えている格好だ。再び最高値をうかがう様相にも見える。

上図が示す8,500円から8,800円のレンジ相場を上抜ければ、9,000円台も現実味を帯びてくるはずであり、金価格における過去4年間のアノマリーに倣えば、年末年始に向けてZPGの押し目買いも選択肢の1つとして検討の余地があるだろう。

一方、気がかりといえるのがウクライナ情勢である。

有事の金と称されるだけに、ここ数年の金価格上昇は、ウクライナ情勢が下支えしてきたといっても過言ではない。

8/5から8/6にサウジアラビアで開催された和平協議には中国も参加しており(8/8 Reuter)、ロシア寄りと考えられていた中国の参加は注目に値するニュースといえよう。

さらなる孤立を避けるべくロシアが軟化に傾き世界情勢の安定に繋がれば、有事の金は魅力を失い、ZPGを巻き込む展開になることは想像に難くない。

また、欧米諸国のインフレ率はピークアウトの兆候はあるものの、依然として予断を許さない状況だ。仮にECB(欧州中央銀行)やFRB(連邦準備理事会)が政策金利を長期で高止まりさせると、金利の付かない金価格(ZPG)にはマイナスとなってくるだろう。

したがって、上昇トレンドの影に潜むリスクにも十分な注意が必要だ。

 (8/14 午後9:00時点)

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2023-08-15
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