下落を続けるBTC(ビットコイン)、底打ちは間近?
Daily Market Report 2023/8/2
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・USD/JPY(ドル)とBTC/JPYの関係が変化
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図は、BTC/JPYとUSD/JPYの1時間チャート、BTC/JPYとUSD/JPYの相関係数を表示したものである。
8/1以降、BTC/JPYのUSD/JPYに対する相関係数が急速にマイナスに振れている。
これまでは、USD/JPYの上昇に対してBTC/JPYも同じく上昇していたが、直近では逆の動きとなっている。
契機となったのは、7/27-28に控えていた日銀金融政策決定会合である。
USD/JPYは、7/28午前2時に日経新聞から「日銀、金利操作を柔軟運用 上限0.5%超え容認案」と報道があったことを受け急落した。
同日の午後12時頃にはYCC(イールド・カーブコントロール)の修正が発表され、一時的に急騰したものの、長い上髭となった。
この動きに呼応するようにBTC/JPYもUSD/JPYに沿うように乱高下している。
その後、同日午後3時30分から行われた植田日銀総裁の記者会見内容が想定以上にハト派だったことを受け、BTC/JPYとUSD/JPYは共に値を戻す動きとなり、7/31午前10時には日銀が指値オペを実施したことによりどちらも上昇している。
ただし、USD/JPY が142円に迫る動きとなったのに対し、BTC/JPYは420万円を超えることができず、反転下落となり、両者の相関はマイナス方向に振れる動きとなっている。
・下落余地は限定的か
BTC/JPY Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、BTC/JPYの4時間足チャートに100日移動平均線と7月初めから続く下落のトレンドライン(青色)、MACDを表示したものである。
現在のBTC/JPYは、下落のトレンドラインと100日移動平均線がレジスタンスとなっていることがわかる。
加えて、MACDではEMAがシグナルを下抜けるデッドクロスも発生しており、安値は切りあがっているものの、下落基調が強く見える。
このように短期的な視点からは下落基調が続く可能性が高くなるが、一方、長期的な目線では、下落トレンドが継続した場合でも下げ幅は限定的と見ることもできる。
BTC/JPY Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図は、BTC/JPY日足チャートに2023年頭から続く上昇のトレンドライン(ピンク色)と100日移動平均線を表示したものである。
現在値の下には心理的な節目となる400万円水準、100日移動平均線、トレンドライン、とサポートとなりえるラインが複数あることが見える。
短期的な視点から一旦下落に転じた場合でも、これらの水準で下げ止まる可能性もあると考えられる。
仮に反発した場合には、再度450万円に向けて反発し、年初来高値を更新できるかどうかが注目ポイントとなる。
ここで、前項のUSD/JPYとBTC/JPYの逆相関の流れが続くと考えると、USD/JPYの堅調さが続いた場合、BTC/JPYが450万円手前で失速する懸念が高まる。
さらに、BTCに対してネガティブな個別材料が発表された場合には、上昇のトレンドラインを割り込み、前述の水準がレジスタンスとなる展開も想定する必要があるだろう。
一方で、今週はISM製造業・非製造業景気指数や雇用統計の発表が控えていることに注意したい。
ISMは米国景気の先行指標とされ、雇用統計と同様にUSD/JPYのボラティリティが急拡大する指標として市場参加者に知られている。仮に悪い結果となれば、USD/JPYは米国経済の懸念から急落し、負の相関が続くならばBTC/JPYは上昇する可能性もあるだろう。
特に、指標が市場予想を大きく下回り、USD/JPYが急落で応えた場合には、反動でBTC/JPYに弾みがつき、そのまま年初来高値を超えて上値を追う展開も考えられる。
(8/1 午後11:00時点)
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