FOMCを終えてBTC(ビットコイン)の行方は?

Daily Market Report 2023/7/28

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6月からのBTCの動向

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上図は、2023/6/1から7/25までのBTC/JPYの日足のチャートに移動平均線を示したものである。

6月からのBTCの動向をから振り返ると、350万円付近まで下落した後に450万円台まで反発も、現在は405万円付近での取引となっている。

6/5に、SEC(米証券取引委員会)が大手の暗号資産取引所バイナンスを提訴したことで、BTCを含む幅広い銘柄が急落した。

翌日の6/6には、大手暗号資産取引所コインベースも同様に提訴され、連日のネガティブ材料で350万円割れまで下落したものの、目先の材料出尽くし感が出たのか同日中に急反発を描き、6/5の下落幅をほぼ取り戻す事となった。

ビットコインを含む暗号資産市場には向かい風が続く展開が待ち受けているかと思われていたが、6/15に世界最大手の資産運用会社ブラックロックがビットコイン現物ETF(上場投資信託)をSECに申請すると表明したことから流れは一変した。

さらに、それに追随するかのように、米国資産運用最大手のフィデリティもビットコイン現物ETFの上場をSECに申請した(6/30 Reuters)ことが明らかになり、BTCは6/1の370万円台から7/3に450万円台まで上昇した。

このまま勢いにのって上昇を継続できるかと思われたが、短期間での急騰への高値警戒感や7/27に控えていたFOMC(連邦公開市場委員会)の政策方針の発表に対する様子見ムードが重なり、発表直前のBTCは410万円台で推移していた。

そんな中、FOMCの発表内容は6月の据え置きに対して、7月は利上げを実施する結果となった。

これを受け、BTCは403万円付近まで下押した。

本稿では、FOMCの結果を受けての今後のBTCの展開について考察していきたい。

ファンダメンタルズから見るBTC

6月は米国のCPI(消費者物価指数)の伸びの鈍化が確認されたが、失業率の改善や、失業保険の新規申請件数も減少傾向が確認されたことから、2023/7/25の当社のマーケットレポートで利上げが確実視されていると述べたとおり、7月のFOMCで25ベーシスポイント(0.25%)の利上げが確定した。

今回の利上げについて市場参加者は、ほぼ織り込んでいるため、発表直後の値動きは落ち着いたものであった。

FOMCの政策方針は、昨年の「積極的かつ迅速な引き締め」から「データを精査しつつ会合ごとに判断」と慎重な発言が増えてきており、今回の会合においても、データ次第で9月利上げ実施の可能性はあるとパウエルFRB議長は発言している。

しかし、年内に利下げに転じる可能性は低いとの発言もあったため、利上げペースの鈍化を示唆しないまでも、市場は9月据え置きと捉えられそうだ(7/27 Reuters)。

そうなると、次に焦点となってくるのは11月の金利引き上げの有無であろう。

今のところ、積極的な利上げに進んでいく可能性も低いことから、市場は新たな材料を探す、又は本稿の冒頭で述べたビットコインETFの動向などを思案した展開となりそうだ。

ただし、過度に市場が期待し、先行して資金が流入している状態で、ETFの申請が見送りとなった場合、失望売りによる反動のおそれがあることは留意すべき点といえよう。

テクニカル分析

当社取引ツールより作成

上図は、BTC/JPYの日足チャートにRSIと200日移動平均線を示したものである。

足元のBTC/JPYの価格は、7/3高値の452万円から10%近く下げたものの、長期的な方向感を示す200日移動平均線からは依然として上方にあり、一時的な調整とする見方もできる。

既に7月のFOMCは終えており、金利引き上げによる市場の反応は薄かったことや、9月に急激な利上げはないと見る向きが多いならば、様子見で資金を引き上げていた投資家からの資金流入によってBTCの相場が戻るかもしれない。

過去の値動きに対して買われ過ぎ、売られ過ぎを示すRSIをみても、35付近と低めの水準にあることから、短期的には反発も期待できそうだ。

その場合、FOMC前の直近高値である7/23の428万円が目標となるかもしれない。

他方、ETF申請の否認という結果になった場合は、急落する展開は想像に難くない。

急落のシナリオがあるとすれば、上図の黄色のラインで示した335万円が下限として意識されそうだ。

米国の金利動向にBTCの価格が左右されない現状では、ETF申請の結果を注視していく必要があるだろう。

(7/27 午後7:00時点)

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