15,000円から調整中のライトコイン(LTC)、市場は8月の半減期を織り込み済み?
Daily Market Report 2023/7/13
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上図は、2023/5/1を基準とした現在までのBTC/JPYとLTC/JPYの価格変動率である。
BTCとLTCは概ね同レベルの価格変動率で推移しているが、顕著な動きはLTCの6/30の上昇だ。
LTC/JPYは、6/30に12,000円付近から15,800円付近まで1日で30%以上も上昇している。
この背景には、ライトコイン(LTC)のEDX Markets 上場と、半減期が関係していると思われる。
このレポートにおいては、LTCの堅調な動きの背景と今後の動きについて考察してみる。
・LTC高騰の要因とは?
<LTC高騰の要因その①>
まず、一つ目の高騰の要因は、生き残る暗号資産の地位をLTCが確保したということだろう。
CoinPostの報道によると、6/21、ウォール街金融機関が出資する暗号資産取引所「EDX Markets」は取引を開始し、その取扱い銘柄にBTC、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)と共に、LTCが含まれており、これらの銘柄に注目が集まった。
少しLTCの話題から逸れるが、この報道を受け、6/20に約24,000円だったBCH/JPYの価格は、6/30に約42,000円まで高騰している。
また、その数日前の6/12、複数のTwitterアカウントにおいてある動画が共有された。
その動画は2018年に撮影されたものだが、現在、米証券取引委員会(SEC)の委員長を務めるゲイリー・ゲンスラー氏が、複数の暗号資産が「証券ではない」と発言したものとなっている(6/13 コインテレグラフ)。
その動画の中でゲンスラー氏は「仮想通貨市場の70%以上がビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、ビットコインキャッシュである。なぜこれらの4つを挙げたのか?それらは証券ではないからだ」と語っている。
上記の動画は正式な発言ではなく、SECはLTCの分類について明言していないが、少なくともBTCやLTCはこれまでSECが指摘してきた「未登録証券」には含まれていないものとして投資家などからの評価が高まったようだ。
実際に、6/13に約10,000円前後で推移していたLTC/JPYの価格は、その10日後の6/23には12,000円台まで上昇した。
<LTC高騰の要因その②>
次の要因はBTCと同じく半減期による需給の改善である。
LTCは、来月8/2に半減期が予定されており、注目されている。
半減期とは、暗号資産のインフレを防ぐためにBTCなどにも取り入れられている仕組みで、LTCでは4年毎にマイナーへの報酬として付与されるLTCの数量が半減するように設計されている。
なお、LTCの半減期については、当社コラム「ライトコイン(LTC)の半減期とは?価格にいつどんな影響が?」にて細かく説明されているので参照頂きたい。
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LTC(ライトコイン)のチャート・価格情報はこちら
LTCは、2011年に発行された歴史の長い暗号資産であり、これまでに2度の半減期を迎えているが、図のとおり、最初の半減期である2015/8/25、前回の2019/8/5では半減期の約1ヵ月前まで価格を上昇させた後、利益確定売りなどで価格が下落するという動きを見せている。
直近のLTCの動向を確認すると、次回半減期が予定されている8/2の約1カ月半前である6月中旬から価格が上昇し、6/30には15,000円台まで高騰した。その後、半減期の約1カ月前となる7/3以降は価格が下落しており、過去2回の半減期前後と似た推移をしている。
6月中旬以降の上昇理由については、上述のとおり、6/21のEDX Markets上場と、8/2に予定されている半減期への注目度などがLTCの追い風になったものだろう。また、上述以外にも6/15にビットコインETF(上場投資信託)の申請の報道もあり価格に影響したと思われる。
・LTCの今後は?
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上の図は、2023/1/1~現在のLTC/JPYの日足チャートである。
上述のとおり、LTCは7/2に一時約15,800円まで高騰した。その後、7/10に一時約11,800円まで下落したものの、現在は約13,000円前後で推移している。
過去2回の半減期のように、半減期前の下落基調を強める展開となった場合、7/10の直近の安値である11,800円、または、5月6月に記録した安値である10,000円付近までの下落も想定すべきだろう。
一方で、<LTC高騰の要因その①>でも述べたように、LTCに関する明るい報道も多く、SECの「未登録証券」の範囲外とみなされていることの重要性がより高まった場合や、ビットコインETFが承認された場合、BTCに似た LTCの連想的な価格上昇も考えられ、今後、7/2に記録した直近の高値である15,000円まで再び回復することもあるだろう。
(7/12 午後6:00時点)
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