時価総額ランキングから見る狙い目の銘柄は?

Daily Market Report 2023/7/11

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年初から暗号資産への強気ムードが続いており、その上昇は時価総額の大きな主要銘柄により支えられているようだ。

過去の強気相場(例えば2021年初頭はGameStop株騒動(※)が暗号資産市場にも飛び火し、XRPDOGEが高騰した)では時価総額の小さな銘柄の伸びも目立っていたが、今回は様相が異なっているようだ。

(※)GameStop株騒動…2021年1月に米国のソーシャルメディアで結集した個人投資家の買い注文で急騰。空売りを仕掛けていたヘッジファンドが買戻しを迫られ、複数の証券会社が取引制限に動いたことによる、個人投資家の不満もあり、議会で公聴会が開かれる事態となった(2021年10月19日 ロイター)。空売りを仕掛けていたヘッジファンドはこの損失がもとで翌年閉鎖した。

騰落率は当社データ 時価総額はCoinMarketCap(https://coinmarketcap.com/)より作成

上図は、当社取り扱い銘柄の年初来騰落率と時価総額を表したものである(金価格に連動することを目指すZPGと年初時点で取扱いのなかったNIDTは除く)。

98%上昇のBTC(ビットコイン)、69%上昇のETH(イーサリアム)といった時価総額上位の銘柄が騰落率ランクでも上位になっている。

それとは対照的に時価総額の小さな銘柄は騰落率も低くなっている。

従って、ここ半年ほどの暗号資産の上昇は、大型銘柄が主導していると考えられるだろう。

MATIC(ポリゴン)やQTUM(クアンタム)といった銘柄は、この傾向に当てはまっていないという観点では注目に値しそうだ。

ADAは時価総額が7位であるが騰落率が25%に留まっており、時価総額6位のXRPの上昇が49%であるのに対して見劣りしている。

一方でQTUMは時価総額が103位と大型銘柄とは言えないものの、騰落率は64%と時価総額2位のETHに迫るパフォーマンスとなっている。

本日は、特異的な傾向が出ているADAとQTUMにフォーカスして以下に分析してみる。

ADAは有価証券問題が重石に

当社取引ツールより作成
ADA(カルダノ)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2023/1~現在のADA/JPYの日足チャートである。

時価総額で上位一桁のADA(カルダノ)が冴えない理由の一つとして、米SEC(米国証券取引委員会)がADAを有価証券とみなし、それが訴訟問題に発展していることが挙げられるだろう。

同問題が報道された6/5以降、ADAは連日の急落となり、年初来高値(約60円)から半値近くとなる場面もあったが、現在は40円水準まで回復している。

3月安値と重なり節目である40円付近で再度下押しされる可能性もあるが、他の時価総額上位の銘柄と比べた割安感が意識されれば、200日移動平均線(約46円)までの上昇もあろうか。

時価総額が比較的大きいMATICも有価証券問題を抱えており、ADAと同様に価格は低迷している。

QTUMは500円付近でダブルトップを形成

当社取引ツールより作成
QTUM(クアンタム)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2023/1~現在のQTUM/JPYの日足チャートである。

時価総額が100位前後と低いにも関わらず、QTUMは年初来64%もの上昇を見せている。QTUM自体に明確な強気材料はないものの、BCHやLTC,TRXのように数年前から活動を続けている暗号資産が今年は堅調で、QTUMもこれに当てはまる。一定の見直し買いの動きが入ったとも推察される。

今年は日足ベースで大きな上ヒゲを作る場面が3回もあり、価格上昇時に大規模なショートカバー(売り玉の精算)といった要因が絡めば再び大きな上昇があるかもしれない。

しかし、テクニカル面では弱気シグナルとされるダブルトップ(3/20と7/1の急騰時の高値約500円)が形成されており、一旦は調整局面入りも視野に入りそうだ。

時価総額比での割高感が意識されて本格的な調整局面に入ると、200日移動平均線の約360円が意識されそうであり、そこを下抜けるとダブルトップのネックライン(ターゲットプライス)となる6/10安値の約270円も視野に入るか。

ここ半年ほどの暗号資産の上昇は、BTCやETHなどの大型銘柄が主導していると考えられるが、QTUMのように時価総額ランキング102位ながら、騰落率で64%を記録するような銘柄もあるため、引き続き大型銘柄以外にも注視するのもいいだろう。

(7/11 午前1:00時点)

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