上昇相場のビットコイン、ドルコスト平均法で手間なくプラス収支になるのか?

Daily Market Report 2023/6/23

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本格的な上昇への可能性もありそうなBTC(ビットコイン)

BTC/JPY月足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、2020年1月から現在までのBTC/JPY月足チャートである。

昨年は下落が続いていたBTC/JPYであるが、今年は5月を除いて月足が陽線であり、直近では年初来高値の約420万円を更新した。

年初から堅調な相場が続いており、持たざる恐怖も感じそうな状況である。

暗号資産は伝統的な金融資産に比べて、ボラティリティ(変動率の大きさ)が高いと言われており、堅調な相場であっても日々の上下動は大きくなる傾向にある。

また、暗号資産は群集心理も働きやすいとされ、一方向に大きく動くことも少なくない。

ボラティリティの高い商品は日々の価格変動に一喜一憂しやすく、精神的に疲弊しやすいトレードになりがちである。

そこで、購入側でドルコスト平均法をベースとして、ボラティリティリスクを抑えようとしたトレードをした場合、どのような損益となるかを今回算出してみた。

・トレードの基本設定は以下とした。
①月曜日のオープン価格で1万円分のBTCを購入する。
②購入したBTCは基本的に保有し続ける(以下のシナリオ参照)
③検証期間は、2020/1/1~2023/06/22

・その上で以下の4パターンのシナリオを検証した。
1.ホールドのみでポジション調整を行わない。
2.日時の始値から終値で+5%の変動があった場合、その週に建てたポジションのみ利食い(TP)を行う。
3.日時の始値から終値で-5%の変動があった場合、その週に建てたポジションのみ損切り(LC)を行う。
4.日時の始値から終値で±5%の変動があった場合、早く出現した変動に合わせてその週に建てたポジションのみ精算を行う。

年次の評価損益の評価レートは各年の12/31のクローズレートを用いた。

ホールドが手間もなく最良のパフォーマンス

CoinMarketCap(https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は、前述の条件で検証した結果から合計損益と利益率を各年でまとめ抜粋した表である。

2022年を除いて、ホールドをし続けることが高いパフォーマンスをあげる結果となった。

唯一すべての検証条件でマイナスとなった2022年については、テラショックやFTXショックが起こったことで強い下落相場となったため、1.ホールドのみが不利に働き、特に大きな損失となったものと考えられる。

今回の検証条件では、4.±5%の変動で精算を行ったものが一番パフォーマンスの良い結果であった。

これは、強い下落相場でボラティリティが高まった結果、上下に振れやすく利食い・損切りで実現損が相殺されやすい状況であったことが考えられる。

また、精算が多くなったことによりポジション量が抑えられたことで年次評価損益が小さくなったことも影響しているだろう。

上記の結果をみると、2023年を除き、適宜損切りを行ったものがホールドし続けることに次いで、パフォーマンスが良い結果となったことに注目したい。

ドルコスト平均法の基本は、相場に関わらず常に一定額を投資し続けることで、購入単価を平準化させることにあり、そもそもポジションの調整を行うのは趣旨から逸れている部分もある。

しかし、投資を行う上でのリスクを抑えたいということであれば、上記の結果では損切りを適宜行うことも投資のパフォーマンスを高める可能性もあるため、一考の余地はありそうだ。

暴落も耐え忍べばプラス収支に?

CoinMarketCap(https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は、2020~2022年の年初から現在まで保持した場合のそれぞれの利益率を一覧にしたものである。なお、保有ポジションに対する評価レートは、6/21のクローズレートである413万円を用いた。

2022年の大きなドローダウンを挟んでいるが、どの結果においても現時点はプラス収支となっている。

2021年では、±5%で精算を行ったもののパフォーマンスが最良ではあったが、他の年度に比べれば、条件ごとの結果の差はそれほど大きくなく、大きなドローダウンを乗り切ったことに意味があるだろう。

ポジションの精算を行う条件下でも下落局面を乗り切り、プラス収支となったことは、ドルコスト平均法によるポジションの積み上げが効果的である証左ではないだろうか。 

そのため、半端にポジションの調整を行うよりは地道にポジションを積み上げていくほうが手間も少なく、利益を上げるのに有効な手段であると言えるかもしれない。

(6/23 午前7:00時点)

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2023-06-23
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