アルトコインに大打撃も、XRP(リップル)は影響軽微?

Daily Market Report 2023/6/15

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当社価格データより作成
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上図は、2023/1/1から6/13までの当社取扱銘柄における価格上昇率の上位10銘柄をピックアップしてグラフ化したものである。

年初来安値を更新する暗号資産も存在する状況の中、XRP(リップル)はBTC(ビットコイン)に次ぐ上昇率であり、前述の要因からの影響は軽微であるようだ。

6月に入り、SEC(米国証券取引委員会)による暗号資産規制論や、米大手投資アプリのロビンフッド社による一部暗号資産の上場廃止によってアルトコイン全般が大きく下落した。

特に、6/9にロビンフッド社によるSECが規制対象として掲げたSOL(ソラナ)、MATIC(ポリゴン)、ADA(カルダノ)の上場廃止はアルトコインの大幅下落を引き起こし、6/9~6/10のうちに数十パーセント以上も下落するアルトコインも珍しくない状況となった。

一方で、このような状況にもかかわらず、XRPは最大でも4%程度の下落と被害を最小限に抑え、さらにはSECによる攻撃の余韻が残る6/13には、2022/5以来となる一時約78円の高値を付けるなど奮闘している。

この理由については、これまで当社マーケットレポートでも扱ってきた通り、リップル社とSECの訴訟においてリップル社が優勢な状況にあるとたびたび報じられていることに加え、訴訟が今年中に決着がつくとされる見方による影響が大きいと考えられるだろう。

XRPの推移

当社価格データより作成

上図は、2023/1/1から現在までの、BTC、XRP及び、ロビンフッド社にて取扱い廃止となったMATIC、ADAの価格変動率の推移だ。

XRPは、今年に入り他の暗号資産が大幅に上昇する中、3月中旬まで低い水準で推移していたが、3/21にリップル社とSECとの訴訟においてSEC側が指名した専門家の証言が今後の略式判決から除外される判決が下されたことで、約50円前後から約70円まで大幅に上昇した。

その後、5月ごろまでは他の暗号資産と同様に価格を下落させていたが、5月中旬以降、他の暗号資産と比較しても高いパフォーマンスで価格を上昇させ、現在は2022/10以来の高値付近となる約70円台の価格となっている

今後のXRPについて

現在、暗号資産プロジェクトがSECにより提訴される可能性や、取引所での取扱いが廃止される懸念などからアルトコイン全般が不安を抱える中、XRPはそもそもSECと訴訟状態にあり、実際に6/10にはほとんど価格が下落しなかったことから、今後も引き続き、SECによる暗号資産規制の流れによる影響は受けにくいかもしれない。

また、今年中に決着がつくとみられる裁判において、リップル社の勝利となった場合には、XRPはさらなる価格上昇も見込めるだろう。

裁判の結果によって、XRPの価格がどの程度変動するかについては未知数であるが、過去にSECとの訴訟関連のトピックによってXRPの価格が急上昇したケースは複数存在する。

・リップル社がSECとの裁判で優勢との見方が強まり、2021/4/1から4/14に220%の上昇(60円→195円)

・リップル社がSECヒンマン氏による発言(Hinman Docs/ヒンマン文書)の矛盾を指摘したことで、2021/8/6から8/15に75%の上昇(80円→140円)

・CFTC委員長がリップル社を訪問したことで、2022/9/15から9/23に55%の上昇(46円→73円)

・リップル社CEOが裁判の終結を年内中と予測する発言をしたことで、2023/3/20から3/29に47%の上昇(49円→72円)

これらの通り、SEC関連のトピックでリップル社が優位となる報道によってXRPの価格が上昇するケースは多い。また、直近6/13にXRPは2022/5以来となる一時約78円の高値を付けているが、こちらもSEC関連の報道を要因とする一時的な上昇であった。

リップル社とSECの訴訟は早ければ9/30以内にも終結すると予測する報道もある中、リップル社が優位な判決が下った場合には、XRPの価格はこれまでのケースと同様に50%以上も上昇する可能性もあるだろう

一方、これとは対照的に、6/14の午後4時ごろ、約71円で推移していたXRPの価格は一時68円まで下落しているが、こちらについてもXRPの技術的なバグや流出ではなく、前日に公開されたヒンマン文書が裁判の決め手になるような情報ではなかったことに対する嫌気売りではないかと考えられる。

これまでXRP社が不利であるという論調や報道は多くないものの、サプライズ的にSEC側に有利な判決が下された場合は、XRPの価格の価格が下落することのみならず、SEC側が他の暗号資産にも攻勢を強めることも予測され、その結果再び「暗号資産の冬」が押し寄せることになるかもしれない。

(6/14 午後6:00時点)

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