トロン(TRX)が香港の法定通貨に?好調の要因を解説

Daily Market Report 2023/5/25

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当社価格データより作成
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2023年の第2四半期も中盤に差し掛かった中、当社取扱い暗号資産のうち、年初からの上昇率が50%を超える銘柄は4銘柄(BTC,ETH,TRX,ADA)存在している。

上昇率50%アップはかなりハイパフォーマンスであるが、約1カ月前には10銘柄が60%を超える状況であり、足元は下落傾向にあることは否めないだろう。

上図をみると5/23時点で、年初から最も価格が上昇している銘柄はビットコイン(BTC)となっており、上昇率75%(約210万円→約370万円)となっている。

ただし、BTCは4/11に400万円に到達して以降、上値が重くなっており、2023/5/23付けの当社Daily Market Report「迫る6/1、ビットコインはどう動く?」でも記載した通り、米国の債務上限問題がある現在の状況下では、今後の行方が楽観的とはいいづらい。

2位には64%の上昇率でイーサリアム(ETH)が続き、そして3位のトロン(TRX)においては、年初からの価格上昇率で+62%(約6.4円→約10円)になる。

TRXの特筆すべき点としては、ここ一カ月の間で価格を大幅に上昇させており、5/21には昨年6月以来の10円台を記録するなど、まさしく好調といえる状況となっている。

TRXの推移

当社価格データより作成

そもそも2022年に訪れた「暗号資産の冬」によって暗号資産の価格が軒並み下落する中、TRXは高利回りのステーブルコインプロジェクトの「USDD」をローンチしたことなどが影響し、大きな下落を免れていた暗号資産であった。

そのため、今年1月から3月上旬にかけては、他の暗号資産の価格が大幅に上昇する中、ゆるやかな上昇を続けていた。

3月に入ると、暗号資産業界の大手レンダー(貸し手)のシルバーゲート・キャピタルが自主的な清算を行ったことや、スイスの金融2位クレディ・スイスが、同国1位のUBSに吸収合併されるなど大きなニュースが次々と飛び込んできた。

このような中で3/10、米シリコンバレー銀行が金利上昇による保有債券の損失を計上した結果、破綻する事案が発生したことにより、米国株式市場は大きく下落。連鎖的に暗号資産市場も影響を受けたため、TRXは約20%価格を下落する場面もあった。

その後もTRXは、3/22にトロン創設者のジャスティン・サン氏がSECに訴訟を起こされるという報道により一時下落するものの、4月に入ると状況は一転した。

米国のインフレ率が落ち着いたとの見方が強まったことや、米国の銀行危機の影響から暗号資産市場全体が勢いを取り戻したことを追い風にTRXは価格を切り上げ、5月には当社取扱い銘柄の平均値を超えるパフォーマンスへと価格を上昇させることに成功した。

直近の特記事項としてTRXの10円越えに関するいきさつは注目される。

5/21の午後9:28、突如としてTRON Community(トロンコミュニティ)のTwitterアカウントが「6/1にTRXは香港で法定通貨となるだろうか?」と記載された画像付きツイートが投稿された。

真意は不明瞭であるが、TRXは価格を大幅に上昇させ、2022年6月以来の10円台を記録することとなる

このトロンコミュニティの投稿に対してトロン創設者のジャスティン・サン氏は反応していないことから、内容が現実的かどうかについては一考の余地は存在するものの、香港は暗号資産ハブとしての役割を構築することを目標にしており、積極的な政策を進めていることも事実として存在する。

今後のTRXについて

今後のTRXについては、香港での暗号資産の取扱い動向によるものが大きいだろう。

香港政府は昨年10/31に暗号資産取引に前向きな政策を行うことを発表しており、今年5/23、ついにその政策を6/1に施行することを発表した。

その内容としては、香港において取引所が個人投資家に対して暗号資産取引のサービスの提供を認めるものであり、現在、中国の国営不動産開発会社のGreenland社が香港にて暗号資産取引業のライセンスを申請することも報じられていることから、今後もこのような報道も増えていくかもしれない。

一方、香港の取引所が扱うことのできる暗号資産については厳しい審査が必要とされており、現時点でTRXがそのリストに含まれているかどうかは不明であるということも念頭に置いておく必要はある

現在、TRXは10円をやや上回る価格で取引されているが、6/1以降、TRXが香港で法定通貨として利用されるようになるかどうかよりも、まずは香港の取引所で取扱い許可が下りるかどうかが肝となるだろう。6/1までに香港での取扱いが不可能であると判断された場合は、5/21以前の価格水準であった8円台後半から9円あたりまで価格を下落させるかもしれない

なお、BTCはかねてより「米国時間に買われ、アジア時間に売られる」傾向が多いとされているが、今回のTRXのケースでは、5/21の午後10時ごろに一度目の大幅上昇、翌5/22の午後4時から5時の間に2度目の大幅上昇となっている。

今後も、TRXに関する情報は暗号資産としては珍しく、アジア時間の日中から夜にかけて新たな情報が出てくるかもしれないことにも注意しておきたい。

(5/24 午後6:00時点)

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