迫る6/1、ビットコインはどう動く?

Daily Market Report 2023/5/23

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米国が抱えている債務上限問題

米国政府が発行できる国債などの総額は法律で定められており、これを債務上限と呼ぶ。

上限を引き上げるには米国の民主党、共和党の承認が必要となり、承認が得られなければ、国債の元本償還や利払いに回す資金が調達できなくなり、債務不履行(デフォルト)に陥る。

過去に2011年、13年、15年と3回のデフォルト危機があったが、いずれも、債務上限法案の成立、債務上限の運用停止という対応で乗り切ってきたが、2023年1月法定上限額である約31.4兆ドルを突破し再びデフォルトの危機に直面している。

米国債務上限問題については、信頼度の高い米国債がデフォルトになる可能性があるというリスクにより金融不安が燻っている。

米国債市場は流動性が非常に高い市場であり、幅広い機関投資家が保有していることから、デフォルトとなった場合、金融市場に大きなネガティブインパクトを与えることになるであろう。

イエレン米財務長官は5/22に議会に書簡を送り、債務上限を引き上げなければ6/1にもデフォルトに陥る可能性が極めて高いことを示したこともあり、一部のハイテク株を除き米国株はリスク回避姿勢が強まっている。

しかし、5/18のレポート(「米国債デフォルト(債務不履行)の危機。どちらに転んでもビットコインに資金流入?」)で述べたように、民主党、共和党が提示する条件に対し合意に関しての見通しがたっていない。

本稿の執筆時点でも、デフォルトを回避したとの情報は確認されていないが、暗号資産市場においてはどのように転じていくのか等を考察していく。

BTC(ビットコイン)の影響は?

Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図は、2023/3/1から直近までのBTC/JPYとダウ平均の推移をまとめたものである。

BTCは米国株と相関が高い傾向があり、特に上図の黄色枠で示した4/6~4/24の期間は、米国株に連動していることが確認できる。

足元では相関関係が高まっている印象もあるが、直近の下落局面(上図の緑枠)での下落幅には差があることがわかる。

債務上限問題については、アメリカ政治の駆け引きとして取り扱われている部分もあり、米国内部の問題とみて、米国市場から資金が撤退し、一時的な資金の受け皿を探している状況と考えることもできよう。

例えば、日経平均株価ではこれまで3万円台手前でもみ合っていたが、直近5/17には3万円台を突破し、5/19にはバブル後の最高値を更新した。

投資主体別売買動向を確認すると、海外投資家が3月5週目から7週連続で買い越しとなっており、海外投資家の資金流入が株価を押し上げた一面があるだろう。

これらを踏まえて、非中央集権である暗号資産においては、発行体やその周辺に起因するリスクが基本的には無いことや、デジタルゴールドともいわれるBTCはゴールド同様に資金の避難先として意識される側面も持ち、米国市場からの資金がBTCにも向かっており、米国株の下落に比べて緩やかとなっているといえるのではないだろうか。

テクニカル分析では底堅い

BTC/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、年始から現在までのBTC/JPYの日足チャートに一目均衡表と200日間移動平均線を示したものである。

現在、BTC/JPYは370万円台で推移しており、一目均衡表上は雲の帯状の上限付近で足踏みしている様子だ。

上図の黒丸で示したとおり、年始から現在までに下落局面に陥った際も、雲下限のラインに触れた3月の260万円、5月では330万円以降はいずれも反発に転じており、下値を固めてきていることが確認できる。

足元の上昇傾向を維持できるか否かは、雲上限の上抜けが重要となろう。

テクニカル面では次の動きを待つ状況であり、足元では前述の米国債務上限問題に市場の注目が集まっていることを考慮すると、ファンダメンタルズ要因にも値動きが左右されやすいと考えられる。

仮に6/1までに債務上限引き上げで合意できずデフォルトに陥る可能性が高まった場合、金融市場には大きな影響を与えることとなる。しかし、その後短期間で民主党、共和党両党の妥協が成立できた場合、影響は一時的なものに留まることになる。

深刻な金融市場の混乱に陥ることが回避されるとの見方になれば、BTCは雲上限を突破し、400万円を目処に上昇傾向が強まるだろう。

一方で、米国のデフォルト問題が長期化するという見方が拡がった場合は、ネガティブなバイアスがかかった状態で、6月に予定しているFOMC(連邦公開市場委員会)の政策金利による利上げの話などに注目が戻り、不透明感から世界的に金融資産の引き上げの動きが強まる可能性もある。

その場合、リスクオフ相場にシフトし、雲下限の330万円付近でとどまれば良いが、金融資産の引き上げの動きが想定以上に強い場合、200日間移動平均線上の300万円付近まで調整する可能性も否定できないことから、今後の展開を注視する必要があるだろう。

(5/22 午後7:00時点)

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2023-05-23
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