下落基調のETH(イーサリアム)。Buy on dips(押し目買い)のチャンスとなるか?

Daily Market Report 2023/5/17

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下落トレンド中のETH

ETH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、去年9月から現在までのETH/JPYの日足チャートである。

直近のETH/JPYは、4/16に28万円の高値をつけた後下落、4/26には一時23万円の安値まで売り込まれるものの、5/6には再度26万円まで反発した。

25万円を上回る水準は過熱感が意識されるのか、5/12には22万円の安値をつけた後、現在は25万円付近での水準となっている。

チャートを俯瞰してみると、高値の切り下げ安値の更新を見せており、三角持ち合いを形成しつつあり、次のトレンドに向けて地固めをしている状況だ。

ファンダメンタル的な要素としては、米国の債務上限問題が取り沙汰されている。

しかし、この話題は過去何度も議題に上がる話でもあり、市場では単なる政治的な意味合いを持ったパフォーマンスと取られているという意見も散見される。

それよりも注目されているのは、今年中に利下げが実現する可能性についてだろう。

前回のFOMC(連邦公開市場委員会)会合では、米国の地方銀行の経営破綻による金融不安が市場に危機感を与えている中、FRB(連邦準備理事会)が今年中の利上げの可能性に触れていた。

5月に入り、市場参加者の間では、利上げ打ち止めとの見方が強まり、年内に利下げするとの見方まであるが、5/3のパウエル議長のFOMC後の会見では「インフレ低下に時間がかかるというわれわれの見解を踏まえると、利下げは適切でない」(5/4 ロイター)としていた。

また、仮に利上げを打ち止めたとしても、銀行破綻だけが動機でなく、景気後退懸念への対応だったとも考えられる。

そもそも地方銀行の破綻に始まる金融不安の原因は、金利上昇による債券評価損の拡大による自滅と、これをリスクオフと見た市井の人々による地銀セクターからの資金引き上げである。

ただし、金利の上昇は銀行にとって貸付金利の上昇による融資利益率の改善というモチベーションのもと、貸出先の選別から利益率の低い事業の淘汰という経済最適化の利点もあり、一概に経済にマイナスとは言い切れない。

したがって、利下げが行われるかどうかは、現在のインフレがどの程度抑えられるかが重要な指標となる。現在はインフレ率が目標の2%には遠く及んでおらず、利下げが今年中だと判断してしまうには時期尚早かもしれない。

利下げが行われれば、リスク資産であるETH/JPYには追い風となるため今後の動向には引き続き注目したい。

上昇のシナリオ

ETH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、ETH/JPYの日足に上昇シナリオを線画したものだ。

今回は今後のシナリオを考察するために、ライン分析と移動平均線(MA)を使用する。

分析する上で重要なラインとして

・4/16の高値Aライン(28万円付近)
・5/6の高値Bライン(26万円付近) (昨年7月末の高値でもある)
・2/16の高値と4/26の安値とからなるCライン(23万円付近)
・5/12の安値Dライン(22万円付近)
・3/10の安値Eライン(17万円付近)
・赤の20MA(週足のトレンド確認)
・青の週足20MAである140MA(月足のトレンド確認20MA×7日営業日で計算)

週足レベルの値動きとしては赤の20MAを見ると3/10の安値から4/16の高値までで高値を切り上げて推移していることがわかる。

直近つけた5/12の安値もC、Dラインでサポートされるようだと週足のトレンドとしてはBuy on dips(押し目買い)の局面であるようにも見える。

しっかりと上昇トレンドへの転換を判断するためには、図に黒の矢印で示した通り、5/12の安値から更に安値を切り上げて推移し、価格が20MAを上抜けてくるような相場状況が必要だろう。

ターゲットプライスとしては、Bラインの26万円を目指してくる相場展開が考えられやすい。ここを抜けると橙矢印のようにAラインの28万円が見えてくる。

下落のシナリオ

ETH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、ETH/JPYの日足に下落シナリオ①~③を線画したものだ。

20MAの直近の状況を見てみると、20MAはまだ価格の上で推移しており、Cラインを足場に価格が戻したとしても売りが入ってくる可能性の高い相場状況である(シナリオ①)。

ただし、青の140MAは下から上向きの形状となっているため、さらに価格が下げて来るとDラインや週足の押し目買いが入りやすいか(シナリオ②)。

直下のC,Dラインと140MAを下抜けてくるエリアに入ってくれば、売り優勢の相場環境となるかもしれない(シナリオ③)。

この場合のターゲットプライスとしては、3/10につけた安値であるEライン(17万円)が考えられるだろう。

(5/17 午前6:00時点)

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