三角保ち合い中のビットコイン、米利上げ停止を織り込むか?

Daily Market Report 2023/5/9

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市場の関心は6月、7月の利上げ停止に向かうか

シリコンバレー銀行破綻をはじめとした、相次ぐ米地銀の経営破綻により信用不安が広がる中、ファースト・リパブリック銀行も破綻の危機に瀕し、JPモルガンに買収される形となった。

これを危機と取ったのかFRB(連邦準備理事会)のパウエル議長は5/3のFOMC(連邦公開市場委員会)で利上げを停止する可能性を示唆していたが、結果として25bpの利上げを実施し、金融不安よりも物価の安定を優先した格好だ。

会見冒頭でパウエル議長は「米銀システムは注意深く監視しているが、改善が見られている」と発言しているものの、会見中のパックウェスト・バンコープ銀行の身売り報道などから、地方銀行セクターは売り込まれており、市場はあまりFRBの声明を信じてはおらず、さらなる銀行倒壊を警戒している状況だった。

銀行倒壊を防ぎ、利上げ停止で米経済はソフトランディングすればリスクオンとなり、BTC(ビットコイン)は買い優勢で上昇する可能性もあるため、今後の経済指標でのインフレ示唆に今まで以上に敏感になることが考えられるだろう。

労働市場はいまだ力強く

5/5の日本時間21時半に雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数は前年比25.3万人と予想の18.5万人を大きく上回った。さらに、平均時給前月比に関しても予想0.3%に対し0.5%と強い結果となった。

市場にとって、FOMCでの7月利上げ停止示唆や、今後の利上げはデータ次第としたFRBの声明があっただけに、FOMC直後の強い雇用統計の結果はインフレの根強さを警戒するには十分な材料といえるかもしれない。

5/10にはCPI(消費者物価指数)が発表される。現状、特にFRBが問題視している米国民への直接的な負担となりえるエネルギー価格やサービス価格の公表もあるため、指標の内容には注意が必要だろう。

強い雇用統計にCPIの上昇が加われば、利上げ継続の連想からリスクオフ相場にシフトする大きな要因となりえるかもしれない。そうなれば、BTCへの下落圧力も膨らむ可能性もあり得るだろう。

テクニカル面では三角保ち合いを形成するBTC

BTC/JPY 4時間足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、3月の上旬から現在までのBTC/JPYの4時間足チャートである。

現在のBTC/JPYは、今年4/14につけたAの409万円ラインから高値を切り下げ、5/1にBの403万円ラインを付け、直近では更に切り上げた5/6の397万円のCラインを付けた。

安値に関しては、4/22の354万円のDラインから切り上げて、5/6にEの377万円ラインを付けている。

上述の通りA、B、Cと高値を切り下げ、D、Eと安値を切り上げており、三角保ち合いを形成して値動きの収束を見せている状況だ。

6月、7月での利上げ停止の可能性が色濃くなってくれば、三角保ち合いを上昇方向にブレイクし、Aラインの409万円を超え、昨年6月以来の水準である417万円を目指す展開となろうか。

一方で、今後の経済指標の内容がインフレの根強さを示すものなら、FRBはさらなる利上げを検討する可能性もあるため、リスクオフで下落方向にブレイクしてくる展開も考えられる。

その場合には、今年3月以降日足終値で割り込んでいない、350万円割れがまず視野に入るだろう。

しっかりと下抜けすると、足元の上昇傾向が否定され、節目の300万円まで調整する展開も想定されそうだ。

(5/9 午前7:00時点)

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