ハッキング事件も関係なし!?ETHが30万円台を目指せる条件は?
Daily Market Report 2023/4/24
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暗号資産のハッキング被害が増えている。2022年は同被害額が過去最大を記録し、直近でも4/20にETH(イーサリアム)ウォレットを対象としたハッキング被害が報道された(4/20 COINPOST)。
しかし、相次ぐハッキング事件とは裏腹に、ETHは、シンプルな仕組みでセキュリティ性が高いとされるBTC(ビットコイン)との価格連動性を高めている。
・BTCとの連動性高まる
当社データより作成
上図は、2021/1~現在のBTC/JPYとETH/JPYの相関関係を表したものである。
グラフ縦軸の目盛は相関係数となっており、BTCとETHの価格推移が完全に連動していると相関係数は1となり、完全に真逆の値動きだと-1となる。
暗号資産市場が活況であった2021/4やルナショックの余波で悲観相場となっていた2022/6など両者の相関が大きく崩れた場面はあるものの、長期的には相関係数は1付近に収束しつつある。
このことから、BTCとETHは同じような値動きをしやすい傾向になっていると言える。
・ハッキングの影響も軽微か
当社データ、defillama.comより作成
上図は、先程のBTCとETHの相関係数の図に、暗号資産のハッキングによる被害額を付け加えたものである(グラフ右側縦軸)。なお、ここでのハッキング被害には、ブロックチェーンやスマートコントラクト等の不備や脆弱性に起因するものを集計しており、暗号資産取り扱いサービス事業者が直接の原因となっている被害は含んでいない。
暗号資産の普及や進化に伴ってハッキング被害額は増えており、2022年の同被害額は過去最大となった。
上図の被害額には、ETHのブロックチェーン以外での事件も多数含まれている。しかし、異なるブロックチェーンを連結させる技術(クロスチェーン)も進んでおり、高機能が特徴のETHも決して他チェーンのハッキング被害とは無関係ではない。
その反面、BTCは単純な残高の受け取りと送金に特化したシンプルさ故にブロックチェーンの信頼性も高く、目立ったハッキング被害は無いことが強みの一つと言える(※クロスチェーンによる影響はゼロではない)。
このようにETHとBTCは性能や技術的な背景は異なっているものの、相関係数が1に収束していることから両銘柄の値動きの連動性は高まっており、4/20に報道されたETHウォレットのハッキング事件は、ETHの悪材料に留まらず、BTC相場の重石ともなるかもしれない。
・節目価格での動きは?
ETH/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
イーサリアム(ETH)のチャート・価格情報はこちら
上図は、2023/1~現在のETH/JPYの日足チャートである。2月と4月の反落ポイントと、当時のBTCの価格も記載している。
ETH/JPYは、年明け以降の暗号資産市場全体の上昇に連れ高となったが、BTCが2万5千ドルと3万ドルで反落したタイミングでETHも下落する格好となっている。
特に2021年、2022年に強く意識されていたBTCが3万ドルを付けた場面では、BTCと相関関係の強いETHも強く反応している。
現在はBTC,ETHとも直近高値からの調整局面となっているが、今後の展開を想定する上で、まずは下落がどの水準まで進むのかに注目したい。
第一段階としては、BTCが2万5千ドルで反落したポイントであるETH/JPYの23万円で下げ止まるかがポイントだ。
ここで反転出来ないようであると、上図黄色線の年初来上昇トレンド(概ね20万円付近)までの急速な調整も視野に入るかもしれない。
その一方でETHの調整が軽く、23万円のサポートが確認でき、BTCが上昇の波に乗る場合、相関をもってETHにも追随する動きが出てくるかもしれない。
仮にBTCが3万ドル(約403万円)を楽に突破する展開となれば、ETH/JPYは昨年5月以来となる30万円台も考えられるだろう。
(4/23 午後5:00時点)
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