ENJ(エンジンコイン)がWボトムを形成、BTC(ビットコイン)に続き攻勢となるか?
Daily Market Report 2023/4/19
_
・年初からのENJ相場を考察
ENJ/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
ENJ(エンジンコイン)のチャート・価格情報はこちら
上図は、年初から現在までのENJ/JPYの日足チャートに5日移動平均線と25日移動平均線を示したものである。
ENJは、2023/2/23に年初来高値(75.853円)をつけて以来、調整が続いていたが、ようやく攻勢の兆しを見せ始めたようだ。
2/16の当社マーケットレポート「今年84%上昇のENJ(エンジンコイン)。2021年水準の100円オーバーを目指せるか」で取り上げたとおり、ENJは、年初から2月にかけて大幅な上昇を見せ、当社取扱い銘柄の中でも一際目を引く存在であったといっても過言ではない。
ところが、3月には米シリコンバレー銀行等、暗号資産と親和性の高い金融機関が破綻したことにより、ENJも他の銘柄と同様に低迷した。
しかし、上図のように3/10の安値44.185円、3/28の安値45.658円がWボトムを形成し、4/7にはネックラインとなっていた3/15の高値57.831円を突破しており、再び上昇基調となる可能性も考えられる展開だ。
4/7の急伸後は反落に転じたものの、直近では5日移動平均線がサポートラインとなって底堅い値動きが続いており、再浮上の機会をうかがっているようにも見える。
一方、暗号資産の代表格というべきBTCの動きはどうだろうか。
暗号資産には各々に特性があり、必ずしも別銘柄の価格が連動するとは限らない。
しかし、年初から2月にかけての暗号資産市場では、BTCの堅調さが市場全体の底上げに貢献しており、ENJについても、特段の材料を欠く中で大幅な上昇を見せたのは事実といえよう。
したがって、ENJの今後を占う上でBTCの動きは無視できない。
・BTCと米銀行株の動向に着目
当社資料より作成
上図は、2023年3月から4月にかけてのBTCとBKX(KBW銀行株指数)の価格推移を示したものである。
※BKX(KBW銀行株指数):バンクオブアメリカやシティグループ等の銘柄で構成する米銀行株指数
前述のとおり、3月はシリコンバレー銀行等が破綻し、金融不安は暗号資産市場にも波及した。
しかし、上図を見るとBTC、BKXは共に3月中旬まで概ね連動していたが、突如BTCがBKXを置き去りにして上昇トレンドに転じたことが分かる。
トレンド転換については、3/12に米財務省高官がシリコンバレー銀行の預金者保護を表明したこと(3/13 Reuter)等から事態が鎮静化したためと考えられるが、4月中旬においてもBKXが低迷する中、BTCが上昇トレンドを崩していない点は重要だ。
BKXの低迷が米国の金融不安を物語っているとすれば、リスクオフの風潮からBTCも低迷してしかるべきところ、両者が相反する動きを見せる状況は、特筆に値するといえよう。
こうした相関は、リスクオフのムード下にあってもBTCの存在がポジティブに捉えられ、リスクの回避先として選択される時代に入った兆候を示しているのかもしれない。
さらに、BTCは4/11に400万円の大台を回復し、年初来高値を更新したが、ほぼ同時期に安全資産とされる金の価格が史上最高値を更新したことも興味深い事実である。
金融市場においてBTCがよりポジティブな存在として認知され、真にデジタルゴールドの地位を確立し始めたとすれば、暗号資産の代表格といえるBTCが先行指標となり、他の暗号資産の価値を高めていく可能性も考えられるだろう。
・まとめ
ENJの動向に話題を戻そう。
本稿では、ENJの攻勢が伺える点として以下の理由、背景を述べた。
(1)ENJ価格がWボトムを形成し、ネックラインを突破したこと。
(2)BTCと米銀行株の相関から、リスクオフのムード下でもBTCがポジティブな存在とされ始めた兆候があること。
(3)BTCが先行指標となり、他の暗号資産の価値も高める可能性があること。
また、2/21の当社マーケットレポート「回復基調が続く暗号資産市場、ステラルーメンは追随できるか?」の図で示したとおり、2/19の終値ベースでは、年初からの価格上昇率がBTCの51.4%に対し、ENJは103.6%と大きく上回っていた経緯があり、再びENJに火が点けば、高いパフォーマンスを示すことができるかもしれない。
なお、本稿の執筆時点において、ENJは60円ほどで推移しており、年初来高値は75.853円である。
次の関門となる4/7高値64.468円を突破できれば、年初来高値の更新と2021年水準の100円オーバーがターゲットとなろう。
ただし、BTCやETH(イーサリアム)等の主力銘柄と比較して、時価総額が小さく流動性の低いENJは、ボラタイルな展開になりやすく、急騰と急落が背中合わせになる可能性にも留意したい。
(4/18 午後9:00時点)
◆本資料においてお客様に提供される情報は、株式会社DMM Bitcoinが収集・作成等したものです。
◆本資料は、一般的な情報提供を目的に作成されたものであり、暗号資産取引の勧誘を目的としたものではありません。
◆本資料は、本資料作成時点で株式会社DMM Bitcoinが信頼できると判断した情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
◆本資料の情報によって生じたいかなる損害についても、株式会社DMM Bitcoinおよび本情報提供者は一切の責任を負いません。
◆本資料のグラフ・データ等は、過去の実績または作成時点での見通し・分析であり、将来の市場環境の変動や運用状況・成果を示唆・保証するものではありません。また、税金・手数料等を考慮しておりません。
◆本資料に関する著作権、知的所有権、その他一切の権利は、株式会社DMM Bitcoinまたは権利者に帰属します。お客様は、本資料に表示されている情報をお客様自身のためにのみ利用するものとし、第三者への提供、再配信、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。