急上昇中のXRP(リップル)、間もなく裁判決着の兆し?
Daily Market Report 2023/3/31
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・市場動向
3月下旬の暗号資産市場は、米商品先物取引委員会(CFTC)がバイナンスを提訴するなど悪材料が発生したことを受け、売り圧力が強まる場面もあった。しかし、BTC(ビットコイン)は足元350万円付近を下限に高値圏を保っており、アルトコインも目立った下落は見られなかった。
3/21には、XRP(リップル)が独自の値動きで上昇をみせたことが目立った。要因としては、リップル社が米SEC(証券取引委員会)との間で争われている裁判について、リップル社に有利な判決が下されたことに起因しているようだ。
アナリサ・トーレス連邦地裁判事は、リップル社と米SECが提出した専門家による証言を、今後の略式判決から除外する申し立てについて判決を下した(3/22 Cointelegraph Japan)。
この判決で、XRP購入の認識について証言する主要な証人として、米SECが指名した専門家を排除されたことで、市場関係者はリップル社が最終的に訴訟に勝つと考え、その期待が今回の上昇へ繋がったとみられる。
次に、XRP/JPYの今後の値動きについてテクニカル分析を用いて考察していく。
・テクニカル分析
XRP/JPY 週足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
XRP(リップル)のチャート・価格情報はこちら
上図は、XRP/JPYの週足Bidチャート(期間:2022/4/18~現在)である。
<ポイント>
・週足ダブルボトム成立
・ストキャスティクス:80%圏(売りサイン)
・レジスタンスライン:75MA・100MA
・サポートライン:200MA
・ターゲットプライス:上78円(10月高値目安)、下43円(12月下値目安)
XRP/JPYをテクニカル指標で見てみると、週足でダブルボトムを形成し、ストキャスティクスは買われ過ぎ圏80%に位置している。足元は70円前後で、200MAをサポートに雲上抜けを目指して上昇していることがわかる。
前回ダブルボトムを成立させた際は78円まで上昇しており、今回も過去の値動きを踏襲していくのか注目される。
目先の目標としては75MAをしっかりと上抜けすることであり、その上の78円ラインに控えている100MAを上抜けできるかが今後の動きのポイントだろう。直近高値78円を超えてさらに上昇し、雲上抜けにも成功していくようであれば、いよいよ100円も視野に入ってくるだろうか。
逆に、裁判関係の追い風が一変し、200MAを割り込んだ場合は、ダブルボトムの底である43円付近を目安として想定しておくべきか。
米SECのターゲットはXRPだけではなく、2月に米大手取引所クラーケンを証券法違反で提訴、今月22日には、米最大手暗号資産取引所コインベースに対して、証券法違反の疑いでウェルズ通知(※)を送付した(3/23 CoinPost)。
バイナンスの件も然り、こうした一連の動きから、米国内での暗号資産業界に対する規制強化の強まりが伺える。
(※ウェルズ通知:企業や個人に対し、SECが法的措置を講じる予定であることを正式に伝える公文書)
有価証券問題について、米SECのゲンスラー委員長は、「ステーキングプロトコルで利益を得ることができるPoS系仮想通貨は、すべて証券と見なされる可能性が高く、SECの管轄下にある。」(3/16 CoinPost)との認識を示している。
もし、XRPが有価証券とみなされた場合、類似トークン全てが証券として整理され、ETH(イーサリアム)を筆頭にSECが未登録有価証券だと主張するPoS系暗号資産にも波及するおそれがある。
判決次第で大きな影響を与える好材料にも悪材料にもなり得るこの裁判について、XRP投資家らを代表するJohn E Deaton弁護士は、「略式裁判の判決は今後数週間以内に下される可能性がある」と言及している(3/28 CoinPost)。
この春、ついに裁判決着となるのだろうか。リップル社、SECを注視しつつ、XRPやPoS系暗号資産価格にどれほどの影響を及ぼすのか、動向を見守りたい。
(3/30 午前11:00時点)
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