バイナンス提訴により下落のビットコイン。しかし、テクニカル的には押し目の可能性も？

Daily Market Report 2023/3/29

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・バイナンス関連のファンダメンタルズについて

BTC/JPY 日足Bidチャート（当社取引ツールより作成）
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上図は、2023年の3月から現在までのBTC/JPYの日足Bidチャートである。

3/10に破綻したシリコンバレーバンクにはUSDCを発行するCircle社の準備金33億ドルが預金されており、破綻を受けて信用不安からUSDCの価格は一時0.9ドルを割り込み、BTC（ビットコイン）を含む他の暗号資産の価格も同様に下落した。

しかし3/12にCircle社が潤沢な財務状況と準備金の出金できる可能性について声明を出すと、3/13にはUSDCの価格は下落前の水準に戻った。

複数の大手銀行がシリコンバレーバンク買収に動いていることが報道されたが、クレディスイスの経営不安が報道され、伝統的な金融が抱えるリスクへの不安が高まり、伝統的な金融とは無縁と思われる暗号資産が注目されるようになった。

その結果として3/10以降BTC価格は上昇し、3/19には約370万円まで達したが、それ以降360万円付近でのレンジ相場の展開が続いていた。

3/27には世界取引高1位を誇る海外暗号資産取引所のバイナンスがCFTC（米商品先物取引委員会）から提訴され、BTC/JPYは一時335.7万円まで下落する場面があった。

訴状の内容を簡単にまとめると以下のようになる。

・デリバティブのライセンスを申請せずに、米国の顧客にデリバティブ取引サービスを提供したこと
・KYC（本人確認）の手続き無しに2BTCまで引き出せたことがあり、それが意図的であったこと
・バイナンス自身でアカウントを多数持ち、マーケットメイクを行い、さらには取引高を偽装していたこと

これに対し、バイナンスのCEOのChangpeng Zhao（CZ）氏は以下の声明を発表し、火消しに躍起のようである。

・KYCを義務化しており、VPNユーザーもBANしていること
・バイナンス自身のアカウントは流動性の提供に使用するほか、費用をカバーするために取引することはあるが、市場操作や利益を出すための取引は行っていない

などと主張した。（3/28 BinanceホームページBlog）

FTXが破産し暗号資産が暴落したことは記憶に新しいが、バイナンスが業務停止などの処分を受けることになれば、FTX以上の衝撃があり、暗号資産全体の価格にも多大な影響があるだろう。

現にCFTCの提訴後、バイナンスから3,400BTC以上がとうしかにより引き出されたというニュースもある。（3/29 コインテレグラフ）

現状は提訴されたのみであり、最終的には和解金の支払いで事態の収拾がされる可能性は高いが、クレジットリスクに敏感な状況でこのようなネガティブニュースはBTCの価格に一抹の不安を投げかけている。

・テクニカル分析

BTC/JPY 週足Bidチャート（当社取引ツールより作成）

上図は、2022年から現在までのBTC/JPYの週足Bidチャートである。

2022年6月半ばから2023年3月半ばまでBTC価格は330万円以下に抑え込まれていたが、今年3月に上にブレイクした。これによって330万円がサポートに変わり、押し目があったとしてもここで反発する可能性があるだろう。

ファンダメンタルズにおいても、信用不安への対応からFRBは市場への資金供給を増やしており、米国の株価も大きな調整局面とはなっていない。これが暗号資産市場へも波及しているような状況から、上述のとおり330万円を背にした押し目買いのスタンスは有効かもしれない。

一方、330万円のラインを割ってしまうと、再度、330万円がレジスタンスとして機能し上値が重くなる展開も想定しておく必要があろうか。

この場合、短期間で330万円をクリアできないようであると、下落トレンドへ転換する可能性は高くなる。

下落トレンドとなれば、2022年の6月の安値ラインとなる260万円付近までは目立ったサポートはないため、急激な値動きで260万円まで下落する可能性には注意が必要だ。

足元ではいったんの落ち着きを取り戻しているように見える信用不安であるが、いつまた、リスクが顕在化するのか余談を許さない状況だ。

引き続き信用リスクの状況や暗号資産取引所の動向をチェックしていきたい。

（3/29 午前6:00時点）

 

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