低調なETC(イーサクラシック)、季節性アノマリーが相場を動かすか

Daily Market Report 2023/3/24

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今年に入ってからは低出来高が続くETC/JPY

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成
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上図は、2022/1/1から執筆時点までのETC/JPYの出来高(棒グラフ)と終値(折れ線グラフ)を表したものである。

2022年中は、概ね3ヶ月程度のサイクルで、膠着と急騰・急落を繰り返し2,000~6,000円のレンジを行き来する忙しない相場展開となっていた。

出来高を確認すると、相場が動意付く局面を除いて、概ね1,000億円を下回る出来高(上図 網掛け部分)で推移していたことを読み取ることができる。

年初からの直近3ヶ月も同様の状況で、価格推移も2,000~3,000円での値動きとなり、昨年のようなダイナミックな動きはまだ見られていない。

これまでのサイクルだけを考えれば、方向はともかくとしてそろそろ動意付く可能性も考えられるだろう。

季節性アノマリーでは4月上昇の可能性も

CoinMarketCap (https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は、2017~2022年の過去6年間の騰落日数一覧である。

表より過去6年の4月の傾向では、騰落日数が2022年以外の年度で上昇日数>下落日数となっており、他の月に比べても通算で上昇日数と下落日数の差が大きく、4月は上昇傾向が強いことが読み取ることができる。

2022年は下落しているが、これは同年3月後半に米国のミーム株が大幅上昇となったことがETCの上昇の一因(※)となり、3月中からすでにETC/JPYは高い水準にあったことに起因すると考えられる。

4月中の値動きは、3月の急上昇相場の息切れもあり、冴えないものになったと考えられる。
※2021年5月にミーム株急騰した際に火付け役となった米投資アプリRobinhoodでETCの取り扱いがあり、ミーム株に加えRobinhoodで取り扱いのある暗号資産も急上昇した経緯がある。

ファンダメンタルズ面では、3月から不安要素となっていた欧米の銀行に対する信用不安が一旦落ち着きを見せたことで、BTC(ビットコイン)やETH(イーサリアム)では、年初来高値水準まで上値を伸ばしている。

それに比べると、ETCはまだ雰囲気改善の恩恵を受けているとは言い辛い冴えない値動きとなっている。しかし、前述したように季節性アノマリー上はETCは4月に上昇する傾向が強いこともあり、現時点での相対的な弱さが今後も続くとは限らない。

さらに言えば、市場の雰囲気の改善が進むことでリスクテイクの傾向が強まり、ETCのような現在冴えない動きをしている銘柄がいわば出遅れ銘柄として食指が伸びる可能性もある。

なお、昨日の米FOMCではパウエル議長の年内利下げ否定発言があったものの、ドットチャートでの2023年末の金利予測は昨年12月時点と変わらず5.125%が見込まれており、市場では金融引締めの終了が近づいているとの見方も拡がっている。

利上げ局面の終了は暗号資産市場には追い風となり、相場の下支えとなるだろう。

こうしたETC独自のアノマリーや、利上げ局面の終了といった要素を考えるのであれば、現時点で冴えない動きをしている暗号資産銘柄の取引も一考かもしれない。

出遅れていると考えて上昇目線で捉える場合、ETC/JPYでは直近のレンジ上限である3,000円台回復がまず目標となろう。

3,000円台をクリアすることができれば、直近安値圏である2,000円台前半での底打ちが確認され、FTXショック以前の水準である4,000円台回復や、2022年中の高値水準であった5,000円台突破も視野に入れた上昇相場となる可能性も視野に入れておきたい。

最後にテクニカルについて確認する。

中期的には下落目線継続か?

ETC/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)

上図は、ETC/JPY の週足チャート(2022/3~執筆時点)に、一目均衡表を表示したチャートである。

週足では強い下落シグナルである、三役逆転状態が継続している。

目先の上値目処である3,000円付近に基準線(上図 赤線)が、その上の4,000円付近には一目均衡表・雲が位置しており、大台ごとに意識されやすいテクニカル水準が被っている状況だ。

直上の雲は薄い状態であるものの、先々雲に厚みが出ながら雲下限が水準を切り下げていくこととなる。

そのため、上昇した場合でも薄い雲を突破できない場合は、雲下限を目処とした上値の重い展開が続くこととなりそうだ。

中期的なスパンでは下落傾向が示されており、下落した場合2,000円割れの水準で踏ん張ることができるかどうかが注目点となるだろう。

2022年中では2度、2,000円を挟んだ水準での攻防となった期間があり、いずれもその後は反発に向かった。

そのため、2,000円を明確に割り込んで下落する場合には、下落に勢いがつく可能性もあり1,000円の大台を下回る下落になることに警戒しておきたい。

(3/24 午前4:00時点)

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