一時下落も価格は復帰!MKRの動向は?

Daily Market Report 2023/3/16

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3月のMKRは約6.5%の上昇


騰落率ランキング(期間2023/2/28 – 2023/3/14)
当社クローズレート(Bid)より作成

上図は、2/28~3/14における当社取扱い銘柄の騰落率のランキングである。

26銘柄中上昇したのは6銘柄のみであり、他の銘柄は米銀の経営破綻が要因の下落を引きずる形で、未だに価格は回復していない。

そんな中、MKR(メイカー)は6.5%上昇と年初来高値には届いていないものの、他銘柄よりも伸び率が高く一足先に回復基調にあるようだ。

次項では、先週市場が大きく落ち込んだ要因とMKRが大きく回復した要因を振り返り、今後のMKRの展開を考察する。

下落はひと段落?これから盛り返すことができるのか

MKR/JPY日足チャート(当社取引ツールより作成)
MKR(メイカー)のチャート・価格情報はこちら

上図は、MKR/JPYの2023/1/1~3/15までの日足チャートである。

・3/1
1月から堅調に推移しつつ、3/1には一時124,500円と前日比20%を超える上昇が起こった。上昇の背景としては、レンディングプラットフォーム「Aave(アーベ)」との提携が考えられる。

提携の際、Aaveに500万DAIが生成され、AaveのDAIマーケットに供給された。これによりDAIの流動性が上がり、AaveのDAI貸出市場で安定した2%の借入金利が適用されることを期待しての上げだと考えられる。

・3/8~3/11
その後、3/8からは下落基調に転じており、3/10には3/1の上昇分をほぼ打ち消すラインまで下落している。3/11には一時8万円を切る場面もあった。

この下落は経済の基盤となる米国の銀行の破綻がトリガーとなった。

シルバーゲート銀行の年次報告書の提出延期に始まり、SVB(シリコンバレー銀行)、シグネチャー銀行の経営破綻が相次いだ。

米銀の経営破綻としては史上2、3番目の規模であり、金融市場に対する信用不安が暗号資産市場にも波及した。その結果、MKRは3/6~3/11の期間で21%以上の下落となった。

・3/13~
米銀の経営破綻が相次いだ中、MKR/JPYは3/13に約9万円から約12万円まで急反発した。

反発の理由は、イエレン米財務長官がSVB破綻の影響波及に否定的な姿勢を示したほか、FDIC(連邦預金保険公社)によるSVBの買収を視野にいれている旨の発表により、市場の懸念が後退したことによるだろう。

加えて、米財務省とFDICが共同声明を出し、SVBの預金の保護、シグネチャー銀行にも類似した特例を適用すると発表されたことが市場を落ち着かせたようだ。

米財務省とFDICの共同声明により市場の混乱はある程度収まったように見えるが、今後のMKRはどうなるのだろうか。

MKRは、Makerプロトコルで米ドル連動型のステーブルコイン「DAI」を発行するが、スマートコントラクトに担保されている資産の半数がUSDCで構成されていた。

そのため、SVBの経営破綻とSVBに拘束されたUSDCの取り付け騒ぎの影響でUSDC・DAIの実勢価格は基準値の1米ドルからディペッグし、一時0.9ドル付近まで下落した。

これを受けて、MKRはドルペッグを強化するため、USDC担保のDAIの発行上限を引き下げ、USDCからDAIへのスワップ手数料を引き上げる緊急提案を行い、可決された。

また、前述したように、MKRはレンディングプラットフォームであるAaveと提携を行った。

そのAaveであるが、デリゲートに対する報酬として、最大で3万ドルを支払うパイロットプログラムを立ち上げている。

このプロジェクトは3カ月間を予定しており最終的な数値の発表は7月頃になるものの、こうした施策において投票率やエンゲージメントが大きく上昇することがあれば、DAO(分散型自立組織)の成功事例として市場は好感しDeFi市場を代表するMKRのさらなる価格上昇に繋がるかもしれない。

(3/15 午後8:30時点)

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2023-03-16
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