米銀行破綻のチェーンリアクション、ハードランディングでビットコインには打撃の可能性

Daily Market Report 2023/3/15

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金利の影響を受けるビットコイン

シリコンバレー銀行(SVB)の破綻が波及し、暗号資産のドル決済システムの中核を担っていたシグネチャーバンクも13日に事業停止に追い込まれたとの報道がなされた。

SVBとシグネチャーバンクのニュースは暗号資産にとってマイナスの材料と思いきや、値動きはしっかりしたものになり意外感が感じられた。

ビットコインは13日から14日までの取引にかけて大幅に上昇、285万円付近の取引から、325万円の高値をつけて推移している。

この背景には、SVBの破綻やシグネチャーバンクの事業停止により、米国債利回りが大幅に低下、4.09%から一時3.4%付近までの急激な下落となった事が挙げられる。

金利が低下すると、リスク資産の一つであるビットコインは価格が上昇する傾向がある。

米銀行の連鎖破綻が示す経済の赤信号とは

連鎖的な銀行破綻のそもそもの原因としては、累積的な米金融引き締めの効果が大きい。

金利が上がると、融資先への貸出利回りは上昇するために融資が滞る。そこから生じる信用不安と銀行の財務悪化の懸念により、預金の流出が顕著となって銀行の破綻を招く。

金利上昇の結果、銀行が保有する債券価格は下落することになり、含み損を多く抱える状況も投資家や預金者の不安につながったようだ。

したがって、このままFRBの金融引き締めが続けば、米経済の重要な基盤を担う銀行は危機に陥り、米経済はハードランディングを迎えざるを得ない可能性もある。

一方で、ここで金融引き締めを止めてしまうと膠着性が強いインフレが続くことになる。利上げの遅れは経済に悪影響を及ぼし、将来に禍根を残す可能性が高くなるリスクがある。

このようにFRBは大きなジレンマを抱えている状況で、引き締めを継続すれば経済の機能の低下を招くことになるだろう。一方で、確かにピークアウトの兆候が見え始めてるとはいえ、まだまだ根強いインフレを野放しにすれば国民の生活は困窮し、こちらも大きな打撃を受けることにつながる。

FRBが、どちらを最優先に見据えているかが問われる瀬戸際まで来ていることがわかっていただけるだろう。

金利の動向はビットコインへの影響度合いが大きいうえに、引き締め継続で銀行が相次いで破綻となればリスクオフに敏感なビットコインへの大きな打撃は避けることができないだろう。

テクニカル

BTC/JPY 日足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、去年7月から現在までのBTC/JPY の日足チャートにサポートラインとレジスタンスラインを表示したものである。

現在のBTC/JPYは、前回高値である336万円付近に向かって上昇しており、再度安値を切り上げてくれば、上昇トレンド入りとなる。

現状、直近で見えるレジサポラインとして、以下のラインが挙げられる。
aライン:今年2/21に付けた日足直近高値である336万円
bライン:今年1/29に付けた日足前々回高値307万円
cライン:今年2/10に付けた日足前々回安値276万円
dライン:今年3/10に付けた日足前回安値259万円
eライン:去年12/14に付けた高値で、今年に入ってからの上昇トレンドの起点になったダブルボトムネックラインである244万円

前述の通り、金融引き締めが緩和の方向に動くなら、上昇トレンドを継続することも想定される。

この場合、bラインの307万円をサポートとして、安値を切り上げる形で上昇してくるシナリオとなる。前回高値であるaラインの336万円をクリアし、ここを新たなサポートとするような展開となる可能性も出てくるだろう。

しかし、FRBがインフレ制圧を優先し、金融引き締めを継続するのであれば下落に転ずる想定が優位となる可能性が高くなる

この場合、aラインの336万円はレジスタンスとして、今後は機能することになり、2/10の安値であるcラインの276万円を試す下落局面となる可能性が高くなる。

次回開催のFOMCは来週3/23となっているが、金利動向を巡りBTC/JPYはボラティリティの高くなる局面となりそうだ。

(3/15 午前9:00時点)

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2023-03-15
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