年初から上昇基調のイーサリアム、上海アップグレードでどうなるか?

Daily Market Report 2023/3/3

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これまでの値動き

ETH/JPY日足チャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、年初からのETH/JPYの日足チャートである。年初からの暗号資産市場全体の上昇基調もあり、調整を挟みつつも1/1の終値156,593円から3/1の終値225,055円と約44%の上昇を達成している。

そんなETH(イーサリアム)だが、現在材料として注目されているのは上海アップグレードだ。ETHは2022年9月のマージアップグレードによってPoWからPoSに移行したが、上海アップグレードでは、ステーキングされているETHの引き出しが可能となる。

上海アップグレードの進捗としては、2/28にSepoliaテストネットでアップグレードが正常に実施された。今後の流れとしては、Goerliテストネットで実施したのち、イーサリアムメインネットで実施される見込みである。

本番環境であるメインネットでの実施時期については、3月中には行われるとの見方が多数を占めるが、公式ウェブサイトには2023年上半期中との記載にとどまっているため、3月中の実施が確定しているわけではないことに注意したい。

アップグレード前後の価格推移

ETH/JPY日足チャート(当社取引ツールより作成)

アップグレードによる価格への影響を考えるために、2022/9/15のマージアップグレード前後の値動きを確認すると、アップグレード2週間前から前々日までは上昇基調にあったが、アップグレードを迎える前々日から下落に転じ、アップグレード後も一週間ほど続落していた。

当時の相場状況を思い返すと、ルナショックによる価格下落からの回復基調にあった中でステーキング需要とハードフォークへの期待感から買いが入り、実際にアップグレードが完了すると、出尽くしによる下落に転じたと考えられる。

今回の上海アップグレードでも同様のことが起こるとすれば、アップグレード完了が節目となって上昇トレンドが一服する可能性もあろう。

また、アップグレードの性質も考慮対象となる。前回のマージアップグレードでは前述の通りステーキング需要やハードフォークへの期待感による買いが入っていたと考えられるが、今回はステーキングによって得られたETHの引き出しが可能になるため、それがそのまま売り圧力としてETHの価格を押し下げる展開も視野に入れておきたい。

以上、二つのポイントが下落シナリオの理由となる。

ETH/JPY日足チャート(当社取引ツールより作成)

上の図は、ETH/JPYの2022/9/10から現在までの日足チャートである。

ETH/JPYは、現在50MAをサポートに21万円前後で推移している。上述の下落シナリオが展開された場合、2月中旬にサポートとして機能していた200MAを割り込み、1月下旬~2月上旬の安値である19万円前後までの下落も考えられる。

19万円を明確に下抜けした場合はさらに下落圧力が強まる可能性もあり、二つ目のターゲットプライスとして、2022年11月安値の14万7,000円が想定されるだろうか。

50MAで持ちこたえ、反発の兆しが見える展開となった場合は、2月下旬からサポートラインとなっていた25MAを上抜けできるか注目したい。

実際の相場はどちらに動くのか、上海アップグレード日程に関連した情報には引き続き注意が必要だろう。

(3/2 午後9:00時点)

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