1月から60%上昇のポリゴン(MATIC)。上昇継続のカギはリオーグ対策か?
Daily Market Report 2023/3/2
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・1月のMATICは45%超の上昇
MATIC/JPY Bid日足チャート(当社取引ツールより作成)
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本日は、MATICの分析を行うが、先ずは1月の状況から振り返る。
上図は、MATIC/JPYの2023/1/1~1/31までの日足チャートである。
年初から堅調に推移し、1/29には一時149.86円をタッチ。年初から58%を超える高値を付けた。
1/31には138.1円と値を落としたものの、年初からの上昇率としては45%を超えた。
昨年よりインスタグラムやマスターカード、ディズニーなど、Web3関連で大手企業との提携やサービスへのMATICの採用が相次いで発表されている。
また、1/17にはアップデートが実施され、高騰する取引手数料(ガス代)を軽減するための施策と、ブロックチェーンの再編成(リオーグ)が行われた。
年始からの堅調な相場状況に加え、これらの出来事が上昇の要因になったと考えられる。
・2月の値動きから考える3月以降の動きは…?
MATIC/JPY Bid日足チャート(当社取引ツールより作成)
上図は、MATIC/JPYの2022/10/20~現在までの日足チャートである。
2/14~2/17で大きく上昇しているが、以下のことが要因として挙げられよう。
・2/14
ポリゴン、来月に「Polygon zkEVM」のメインネットのベータ版をローンチへ(2/15 CoinPost)
・2/16
スクウェア・エニックスがポリゴンラボと提携、web3プロジェクト「Symbiogenesis」にポリゴン(MATIC)採用(2/16 CoinPost)
このように、好材料が続いたものの、2/18頃(図の赤矢印)から一転下落しており、MATIC固有の材料よりもファンダメンタルズ要因が調整を後押ししたようだ。
ファンダメンタルズ要因としては、2/21に発表された2月の米国購買担当者景気指数(PMI)速報値が市場予想である47.5を大きく上回る50.2と発表されたことに加え、2/24発表のPCEデフレータ(前年同月比)も市場予測5.0%を上回る5.4%となり、インフレ抑制に向けたFRB(米連邦準備制度)の金融引き締め長期化への警戒感が一段と高まったことが要因で、米株市場が下落した。
米株市場に連れて暗号資産市場も下落したために、MATICの利益確定的な売りも強くなったようだ。
更にポリゴン主要開発企業のPolygon Labs(ポリゴンラボ)は、2/21に従業員の20%削減を発表、2/23にはポリゴンのブロックチェーンエクスプローラであるポリゴンスキャンで障害が発生しており、固有材料でもネガティブニュースが相場を押し下げた。
2/18~2/28の間に、価格は18.75%下落したが、今回の調整は直近高値である2022年11月の180円を割り込んでおり、リスクが警戒される状況である。
以降、今後の動きを分析してみるが、今回はMATIC特有の材料にスポットを当ててみる。
ブロックチェーンネットワークにおいて2つのブロックが同時に生成された際にチェーン分岐が発生し、取引の遅延や不確実性、ノードのコスト増加が影響を及ぼす。
これらの問題を解決するために、1/17にMATICのブロックチェーンの再編成(リオーグ)対策が実施されたが、残念ながらすべての問題が解決されたわけではなかった。
2/22には157ブロックものリオーグが発生し、ポリゴンエコシステムの開発者はさらなる対策を取るよう訴えている。
これに対し、ポリゴンの共同設立者であるJaynti Kanani氏が近いうちに対策(数秒以内のファイナリティの獲得)を発表するとTwitter上で保証している(2/24 CoinPost)。
2022年から2023年にかけて大手企業との提携やポリゴン採用のニュースが相次いでおり、それらのプロジェクトへの影響も大きいことから、リオーグ対策の発表時期によっては大きく値が上がる可能性もあり、直近の高値である190~200円付近までの復帰も見えようか。
反対に、ブロックチェーンの再編成(リオーグ)の対策具体案が見えてこない場合、大手DEXの創設者が発言したように、ブロックチェーンブリッジや分散型取引所が大きく影響を受けるかもしれない。
そうなった場合には、ポリゴンのイメージが大きく落ち、企業ブランドやプロジェクトの失墜を嫌った大手企業との提携や採用が見直される可能性が生じ、価格は大きく下落することも考えられる。
2月上旬~中旬にかけて維持していた150円台を割ることがあれば、1月中旬の110~120円台までの下落も想定しておくべきだろう。
(3/2 午前10:00時点)
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