回復基調が続く暗号資産市場、ステラルーメンは追随できるか?
Daily Market Report 2023/2/21
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・XLM(ステラルーメン)の動向に着目
当社資料より作成
上図は、2023/1/1の終値を起点として、2023/2/19までの当社取扱い銘柄の価格上昇率を昇順に示したものである。
※MATIC(ポリゴン)は、当社取扱開始日が2023/1/25のため、開始日以前の価格は、外部の流動性供給者(LP)の配信価格を参照している。
先週の当社マーケットレポートでは、2/16、2/17に年初からの回復基調に触れてきたが、週末にはENJ(エンジンコイン)に代わり、MATICが上昇率の首位に躍り出る等、循環物色の様相を呈しており、引き続きランキングの変動に注目していきたい。
なお、堅調な相場つきは週明けも続いており、本稿では、急ピッチな回復を見せる銘柄と伸び悩む銘柄が混在する中、後者に属するXLMに着目して今後の動向を探っていく。
・XLM相場の振り返り
XLM/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
XLM(ステラルーメン)のチャート・価格情報はこちら
上図は、XLM/JPYの日足チャートに、一目均衡表およびRSIを示したものである。
また、上図を見ると、XLMは2022年末にかけて下落の一途を辿りながらも、2023年の年初から一転して回復を遂げたことが分かる。
こうした値動きは、当社取扱い銘柄に多く見られるが、XLMに特段の好材料は見当たらないことから、BTC(ビットコイン)やETH(イーサリアム)といった主力銘柄の回復基調がXLMをリードしたと考えて良いだろう。
昨年11月のFTXショックでは、上記の主力銘柄が他の銘柄を巻き込んだ形となったが、現状は真逆のトレンドが相場を支配しているといえそうだ。
・一段高へのシナリオは?
XLMが一段高のシナリオを辿るとすれば、上昇率の低さゆえの出遅れ感から、循環物色が期待できることが理由となろう。
MATICやENJのように、BTCやETHの上昇率を大きく上回る銘柄も少なくない中、XLMの上昇率は29.6%と平均値(58.1%)を大きく下回っており、他の銘柄と比較して出遅れ感は明らかといえる。
XLMが平均値に沿って上昇していたと仮定した場合、計算上の価格は14.820円(小数点第4位以下を切り捨て)となり、2023/2/19の終値12.146円(Bid/売)は、割安な水準と見ることもできよう。
したがって、相場全体において現在の回復基調が継続し、利食いした資金が上昇率の低い銘柄へ循環する展開となれば、XLMの出遅れ感ないし割安感から買いが入り、一段高となることもあるかもしれない。
テクニカルの側面では、2023/2/20現在、ローソク足が一目均衡表の雲の上で堅調に推移しつつ、基準線と転換線がゴールデンクロスを迎えようとしており、RSIも上昇余地を残している。
前述した利食い資金の循環によって積極的な買いが入り、これまで上値を抑えていた12円台前半を抜けることがあれば、FTXショック前のプライスゾーンである16円台に接近する可能性も考えられるだろう。
・懸念点は?
一方、XLMの上昇に懸念点があるとすれば、XRP(リップル)の動向だ。
本稿の冒頭で示した図によれば、XLMよりも上昇率が低い銘柄としてXRPが登場しており、これら2銘柄に共通するのは、中央集権的な性格であるという点だ。
※上昇率最下位のZPG(ジパングコイン)は、金価格との連動を目指しているため、本稿の分析では除外する。
そもそも、暗号資産の多くは、非中央集権的な性格を持ち、特定の運営者が管理していないことに対し、XLM、XRPは特定の団体が管理していることが大きな特徴である。
とりわけ中央集権的な銘柄は、非中央集権的な銘柄と比較して安定した管理が期待できることから価格も安定しやすいとされるが、ボラタイルな相場において、両銘柄の性格やイメージがマイナスに作用する場合もあるかもしれない。
仮に、非中央集権的な銘柄と中央集権的な銘柄で取捨選択が行われているとすれば、両銘柄における上昇率の低さは、単なる出遅れではなかったということになり、XLMの今後を占うにあたっては、XRPの動向にも留意すべきだろう。
相場全体の回復基調が続いたとしても、XRPが動意づかない場合、XLMの上昇率も低迷する懸念があることを念頭に置いておきたい。
なお、今月22日から25日に開催されるG20では、暗号資産の規制に関する議論が予定されており(2023/2/16 Reuter)、相場全体においても、ネガティブなニュースに端を発した急激なトレンド転換に注意が必要だろう。
本稿では、循環物色による上昇が期待できる銘柄としてXLMを取り上げたが、堅調な相場つきとはいえ、XLMの買いには、トレンド転換に備えたリスクコントロールも求められる。
(2/20 午後8:00時点)
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