ゴールドの価格に概ね連動するZPG、株安や円安で真価発揮。今年は更に妙味あり!?

Daily Market Report 2023/2/20

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2022年は暗号資産を代表するBTC(ビットコイン)が年間を通して約60%下落し、暗号資産市場には厳しい年であった。他のアセットクラスにおいても、インフレや欧米の金融引き締めなどの影響で主要国の株式や債券も下落した。

その一方で、金(ゴールド)価格は昨年に過去最高値圏に迫るなど脚光を浴び、足元の価格推移も比較的堅調である。

金(ゴールド)はインフレヘッジや有事の際の逃避資産など、様々な側面を持つが2022年においてはこうした側面が顕在化した。

株安、円安のリスクヘッジとなったゴールド

ZPG/JPY週足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
ZPG(ジパングコイン)のチャート・価格情報はこちら

上図は、ゴールド1グラムの価格と連動することを目指す暗号資産である、ZPG(ジパングコイン)の週足チャートである。

ZPGは、ロシアによるウクライナ侵攻、米国の中央銀行にあたるFRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長の発言内容が引き金となった株安局面にて価格上昇した(上図黄色矢印)。

また、1ドル150円付近まで円安が進んでいた11月には節目となる8,000円を超える場面もあり(上図黄色丸)、リスクオフや円安の局面でZPGは底堅い推移となっていた。

今年のリスク要因は?

①日銀総裁の交代
日本銀行の現総裁でリフレ派とされる黒田氏の任期は4月までとなっており、総裁が変わることで約10年間続いた金融政策などが見直される可能性がある。

長期金利の意図的な抑制や、政府債務の過半を日本銀行が肩代わりするような現政策が見直されることとなればGDP比2倍を超える政府債務にも影響が広がるかもしれない。

昨年9月には財源の裏付けに乏しい政策が掲げられた英国で信用リスク懸念が広がり、急激な金利上昇と英ポンド安が起こった。

このようなシナリオではゴールドがリスク回避先となり、ZPGの上昇にも繋がるだろう。

②米国の金融政策
米国では市場予想を上回る雇用統計やCPI(消費者物価指数)の発表が続き、インフレが沈静化するとは言い切れない。

フェドウォッチによると6月のFOMC(米公開市場委員会)でFF金利はリーマンショック前のピークを上回る5.25~5.50%上昇するとみられている。

金利が付かないゴールドには逆風の展開とも捉えられるが、インフレと高金利による景気悪化が意識されればリスク回避先としてゴールドが注目されるかもしれない。

そして、ZPGにおいては、日米金利差の拡大による円安効果での押し上げもあろうか。

ゴールドはいまだ過小評価?

fred.stlouisfed.org、sdw.ecb.europa.eu、am-consulting.co.jp、tradingview.com より当社作成
ゴールド価格はドル建て

上図は、2003/1の数値を100とした日米欧それぞれのマネタリーベースと金価格を表したものである。

無国籍通貨とも表現されるゴールドは、1971年のニクソン・ショック以前は米ドルとの価値が固定されていた。

そして、近年においてもゴールドと法定通貨には一定の関係性がり、日米欧のマネタリーベースがそろって拡大した2008年のリーマンショック後にゴールド価格は上昇した。法定通貨の供給量が大幅に増加し、相対的なゴールドの価値が上がったためだ。

しかし、コロナショック後は日米欧共に大規模な金融緩和(マネタリーベース拡大)を進めリスク性資産が選好された。2021年に米国の主要株式指数は過去最高を記録し、暗号資産のBTCも750万円を超えた。

その一方で、ゴールド価格の伸びは十分とは言えず、上昇余地が残されているかもしれない。

反面、昨年の米FRBに続きECB(欧州中央銀行)も3月からのバランスシート縮小に着手し、マネタリーベースの拡大は一服すると考えられる。しかし、景気や世界情勢の悪化によりリスクオフの流れとなれば割安感のあるゴールドに注目が集まるかもしれない。

その場合、概ねゴールドの価格に連動したZPGの動向にも注視すべきだろう。

(2/19 午後8:00時点)

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2023-02-20
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