2023年のリップル(XRP)はスロースタート、買い一巡後はどうなるのか

Daily Market Report 2023/2/17

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当社取扱い銘柄は全面高、平均して51%の上昇

当社クローズレート(Mid)より当社作成
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上図は、2023/1/1を起点とする当社取扱い銘柄の騰落率を表した比較チャートである。

比較チャートをみると、全銘柄が年初来でプラス圏となっており、暗号資産市場の堅調なスタートが伺える。

堅調さの要因については、昨年のFTXショックの影響範囲が明るみになるにつれて市場が冷静さを取り戻し始めた点や、インフレ懸念が比較的和らいだ点、昨年末が下落して引けた分、1月効果(※)が強まった可能性等、複数の要因が考えられる。
(※)1月の収益率が他の月よりも高くなりやすいというアノマリーの一種。前年末は税金対策を目的とした損失確定の売りが出るが、年明けには新規の買いが集まりやすいとされる。

今月のファンダメンタルズをみても、ニューヨーク州によるステーブルコイン「BUSD」の発行停止命令のほか、米国SECによるステーキングサービス規制を受けて、韓国の金融当局もステーキングサービスの調査に乗り出しており(2/16 コインテレグラフジャパン)、今後同様に諸外国に波及していく展開を考えると、決して良好とはいえない。

今の相場は懐疑の中での反発ともいえそうだ。

ここで個別に銘柄をみていこう。

最上位銘柄のENJ(エンジンコイン)(水色)は、2/16 7:00 時点で+100%に乗せ、年初の31.898円から64.233円と価格が2倍になった。
(ENJの詳細は2/16の当社レポート「今年84%上昇のENJ(エンジンコイン)。2021年水準の100円オーバーを目指せるか」参照)

最下位の銘柄は、ゴールドとの連動を目指すZPG(ジパングコイン)(橙色)である。これは市場参加者の強いリスク選好感を表した結果と受け取れるが、+3%とZPGもプラス圏を維持しており、米国の利上げ懸念が後退しつつもインフレ懸念は残っているとの示唆も得られそうだ。
(ZPGの詳細は1/27の当社レポート「ジパングコイン、長期的な上昇トレンドが始まる?」参照)

今回取り上げるXRP(赤色)は、モンテネグロとデジタル通貨の実証実験を発表するなど(1/31 CoinPost)、好材料がありながらも、パフォーマンスでは、平均値(黄色)が+51%となった当社取扱い銘柄の中で+20%と、ZPGに次いで低い。

しかし、2022年のXRPを振り返れば、暗号資産市場における時価総額が、2022年初の8位から年末に6位へ上昇するなど、比較的強かったといえる。

当時の下げ相場におけるXRPの底堅さを考えると、ある程度下値が限られているとも受け取れる。

現在の暗号資産市場の上昇が一巡し、循環物色される局面が来れば、再び注目されるポテンシャルを秘めている銘柄と考えられそうだ。

次に、テクニカル分析を用いてXRPが続伸した場合の上値の目処を考察する。

テクニカル的な上値の目処としては「シャーク」に注目。

XRP/JPY日足チャート(Bid)
当社取引ツールより作成

上図は、2022年9月末から、執筆時点までのXRP/JPYの日足チャートである。

昨年秋のXRP/JPYは11/16~17に控えていたSwellへの期待感から78.372円(X)まで上昇したが、FTXショックと重なり、43.419円(A)まで急落した。

その後、57.785円台(B)まで反発するも、インフレ懸念を背景とした世界的な株安に連れ、43.419円(A)を割り、2023/1/2には38.102円台(C)まで下押した。

年初の上げ相場では43.419円(A)を回復したものの、57.785円(B)には届かない価格帯に位置している。

今後の展開をハーモニックパターン(※)を用いて考えると、①82.916円(D)を目指して上昇後、②下落に転じる、「シャーク」が考えられる。
(※)ハーモニックパターン…フィボナッチ比率を用いたテクニカル分析の一種

上図はサメのヒレのように見えることから「シャーク」と呼ばれる。

「シャーク」の成立要件は、以下の通り。

1.(C)は(A)を抜け、(A)-(B)の113.0%-161.8%リトレースメント
(上図では(B)-(C)値幅/(B)-(A)値幅で137.01%となり、満たしている)

2.(D)は、(X)-(A)の113%エクステンション
(上図では(X)-(A)値幅の113%(39.497円)+43.419円(A)で82.916円(D)となる)

3.(D)は、(B)-(C)の161.8%-224%エクステンション
(上図では(D)-(C)値幅/(B)-(C)値幅が227.68%となるため、+3.68%超過している

XRPが続伸しシャークが成立する場合、一旦(D)を目指した上昇が始まる公算が大きい。

一方、(B)を超えられなかった場合、シャーク成立とはならないが、足元の暗号資産市場の堅調さや昨年のXRPの底堅さを考えると、(B)(C)間のレンジ相場を経てから上昇する展開も考えられる。

なお、上述の1.と2.は現状のXRP/JPYは満たしているが、3.の要件では+3.68%超過しており、これが誤差の範囲でなければ「シャーク」は成立しない。

また、(C)で反発することを前提としているため、(C)を割り、下値模索の流れとなった場合にも再考が必要となる。

もし、XRP/JPYが「シャーク」であり、(D)達成後、②の下落後の展開となった場合は、「5-0(ファイブゼロ)」のパターンに移行する展開も考えておきたい。

これは、「シャーク」発生後に起こりうるパターンで、この場合のターゲットプライスは(C)-(D)間の半値となる60.509円となる。

その後、③60.509円到達時に反発し、再び上値を狙うシナリオとなる。

まずは、今の上げ相場に乗って、昨年11/25につけた57.785円(B)のラインを抜けられるか注目しておきたい。

(2/17 午前1:00時点)

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