今年84%上昇のENJ(エンジンコイン)。2021年水準の100円オーバーを目指せるか
Daily Market Report 2023/2/16
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2023/1/1終値および2023/2/14終値から算出(通貨ペアは/JPY)
CoinMarketCap、Wall Street Journalより当社作成
2023年に入り、NFTが再び注目を集めつつある。
実際、NFTやGameFiといったWeb3の拡大を目的とするエンジンコイン(ENJ)は、今年1/1から2/14までに価格を84%上昇させており、当社取扱い銘柄の中でも最も上昇率の高い暗号資産だ。
一方でENJは、2021年に13円から約550円と最大約4,000%も価格を上昇させたにもかかわらず、2022年末には30円まで下落するなど、大きな浮き沈みを経験している銘柄でもある。
今年1月よりENJが上昇している要因としては、昨年よりリリースしていたエンジンウォレット2.0が今年に入りiOSに対応したことや、そもそもENJのサービス領域であるNFT分野が復調傾向にあることが挙げられる。
果たしてENJは2021年と同様、価格を上昇させることができるだろうか。まずは過去の推移をおさらいしたい。
・2021年~2022年のエンジンコイン
期間:2021/1/1~2023/2/14
CoinMarketCap、Wall Street Journalより当社作成
ENJ(エンジンコイン)のチャート・価格情報はこちら
2021年は暗号資産全体が好調であり、例えば暗号資産を代表するビットコイン(BTC)も過去最高値を記録する年となったが、ENJは特に価格を上昇させることに成功した銘柄の一つでもあった。
実際、当社取扱い銘柄において2021/1/1終値と同年12/31終値を比較すると、15,000%上昇(約1.9円→約290円)したポリゴン(MATIC)、3,300%上昇(約360円→約12,000円)したアバランチ(AVAX)に次いでENJは2,000%(約14円→約290円)の上昇率を記録していた。
この2021年におけるENJの大幅な上昇理由としては、やはりNFTのブームによるところが大きいといえるだろう。
NFT自体は、2019年に開催されたイーサリアムの大型イベント「Devcon大阪」の入場特典として配布されるなど技術としてはすでに確立していた。そして、2021年はTwitterの最初のツイートがNFTとして売りに出されたことが世界中に報道されたことからNFTの認知度が増加し、一躍NFTブームを巻き起こすこととなった。
NFT関連の銘柄は、このブームに追従し価格を上昇させており、中でも安価な手数料でNFTの発行ができるMATICや、NFT用のユーティリティトークンであるENJは大幅な上昇を達成していた。
2022/1/1終値および2022/12/31終値から算出(通貨ペアは/JPY)
CoinMarketCap、Wall Street Journalより当社作成
しかし翌2022年、ロシアによるウクライナ侵攻、米国の政策金利上昇、ステーブルコインプロジェクト「テラ」の崩壊、暗号資産貸付業者のセルシウス(米国)の破綻や大手暗号資産取引業者FTXの破綻など、暗号資産にとって数々の困難が待ち受けることとなる。
結果、2022/1/1に約300円であったENJはNFTブームの収束によって利用価値が減少するだけでなく、暗号資産市場の打撃の影響から、同年12/31には30円まで下落してしまう。
・エンジンコインの今後
今年に入りENJが好調を維持している理由としては、前述の通り、エンジンウォレット2.0のiOS版リリースなどが挙げられるが、今後のENJの価格に重要な影響を及ぼす材料としては、さらなるNFTブームの拡大がポイントのひとつと考えられる。
暗号資産メディアTHE BLOCKによると、NFTの週間取引高は2022/10半ばには8,500万ドルと約1年半ぶりの低水準まで落ち込んでいた。しかし、それ以降は上昇に転じており、現在は2022/10半ばを基準とすると約3倍の約2億5000万ドルにまで回復している。
2021年中旬からの約1年間は、週間取引高がコンスタントに5億ドル以上、多い時で10億ドルを超える週もあったため、現在の水準は決して高いとはいえない。しかし、NFTの取引状況が改善傾向にあることは2021年の前例から判断すると、ENJにとってもプラスの材料だろう。
現在、ENJは先週よりやや勢いを落ち着かせ60円前後で推移しているが、状況的にはFTX破綻およびNFT取引高低下以前の65~70円台を目指す展開になることも不思議ではない。
一方、好調のENJにも不安要素は存在する。
ENJの開発チームはエンジンウォレット2.0のリリース以降、NFTに特化したポルカドットのパラチェーンであるエフィニティ(EFI)に開発リソースを割いているため、ENJは現在、材料を出尽くしている状況である。
昨年、ETHやADAは大型アップグレード後に価格を下落させたため、エンジンウォレット2.0をリリースしたENJに関しても注意が必要であることは念頭に置きたいところだ。
また、2/14に発表された米国消費者物価指数(CPI)の結果により、今後、想定以上に政策金利が引き上げられるとする見方もあるようだ。
昨日発表された1月の米小売売上高では、前月比3%増加と予想を上回る結果となり、S&P500指数が上昇していることから、市場の状況は引き続き観察する必要があるだろう。
(2/16 午前10:00時点)
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