ビットコイン、インフレヘッジ資産としての真価を発揮か?
Daily Market Report 2023/2/15
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・CPI上振れにもかかわらず、上昇するBTC
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
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上図は、インフレ率がピークに達した2022/7/13の6月CPI(米消費者物価指数)発表時と、今回2023/2/14の1月CPI発表時のBTC(ビットコイン)の価格推移を比較したものだ。
図を見ると、2022/7/13に発表されたCPIは事前予想値8.8%に対し、実績値9.1%(前年同月比)と大きく上振れる結果となった。発表直後のBTCの値動きとしては、大幅に下落していることがわかる。
これは、コロナによるパンデミックやロシア・ウクライナ戦争が引き起こした食料品価格やガソリンなどのエネルギー価格高騰によるコストプッシュ型のインフレーションを、米中央銀行が利上げを行うことにより抑圧しようとしていることに起因しているものと考えられる。
2023/2/14に発表されたCPIでは、事前予想値6.2%に対し実績値6.4%(前年同月比)と、2022年の6月CPIと同じく事前予想値よりも実績値が上振れたのにも関わらず、BTCは上昇していることがわかる。
市場環境としては、インフレ抑圧のために米中央銀行が利上げを行っているという部分は昨年7月も今も変わりがない。それにもかかわらず、今回のCPI発表後に上昇の様相を見せたことは、昨年7月のBTC市場とは異なる挙動であることがわかるだろう。
CPI発表後のS&P500は上下に振れてはいたものの横ばい推移となっており、BTCとの相関とは無関係な動きとなっていた。
今回のCPIについては、米クリーブランド連銀のCPI事前予想がかなり高かったこともあり、過度に投資家のリスク感度が高くなっていた側面があるかもしれない。
結果は予想に対して+0.2%に収まり、株式市場への影響はおおむねニュートラルとも言える値動きとなった(S&P500は▼0.03%)一方で、BTCの上昇(285万円付近から294万円付近まで上昇)は顕著であった。
今回のCPIについてはインフレの膠着性を改めて確認できるものであり、3.7%まで再度上昇している米国債を見ると、徐々に市場は行き過ぎた楽観論(年内の利下げ開始)を打ち消す動きにシフトしていくことも想定できる。
こうした中で、昨日のBTCの動きはインフレが継続する世界を先取りするような動きにも見えなくはない。つまり、BTCがインフレヘッジ資産としての真価を取り戻す可能性だ。
・テクニカル的には、21,410ドル(276万円付近)が重要か。
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上図は、2022年4月から、執筆時点までのBTCの日足チャートである。
直近の値動きとしては、2022/11/5に付けた高値で形成されるCの21,410ドル(276万円付近)にサポートされる形で、反転の様相を見せている。
このラインにサポートされるなら、2023/2/2に付けた直近高値であるBの24,300ドル(311万円付近)を目指してくる展開が考えられようか。
Cラインにサポートされて上昇しBラインを抜けてくると、次は2022/8/15に付けた高値25,200ドル(333万円付近)を目指してくる展開も考えておく必要があるだろう。
逆に、Cラインにサポートされず下抜けてくる場合は、2022/9/22の安値や2022/12/14の高値で形成されるDの18,100ドル(244万円付近)まで落ちてくる可能性も考えられるため注意が必要だろう。
(2/15 午前6:30時点)
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