ビットコイン、310万円付近で頭打ちの要因は?まだ高値は目指せるか?
Daily Market Report 2023/2/10
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年初から1月中旬にかけて、BTCは40%近く上昇したが310万円付近で頭打ちとなっており、ここ2週間ほど頓着状態となっている。
単に上昇相場が一服したという見方もできるが、昨年の節目価格やブロックチェーン上の動きを鑑みると、まだ上昇余地が残っているともいえそうだ。
本日はそれらを深堀してBTCの今後の動向を分析してみる。
・テクニカル視点の節目価格帯2.4万ドル(約310万円)
BTC/JPY週足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
BTC(ビットコイン)のチャート・価格情報はこちら
上図①は、2022/5~現在のBTC/JPYの週足チャートである。
BTCの上昇は約310万円(約2.4万ドル)で小幅に反落しているが、この2.4万ドル水準は2022/8に上値を抑えたレジスタンスラインとも一致している。
そして、足元では200週移動平均線とも拮抗状態であり、現在のBTCは長期テクニカル視点での節目に位置していそうだ。
・ブロックチェーン上の動きにも注目
CryptoQuant.comより当社作成
上表①は、1日間にブロックチェーン上で取引されたBTC総数量を100%として、長期保有されていたBTCがブロックチェーン上で取引(≒売却)された割合を表している。6ヶ月間トランザクションのインプットとしてブロックチェーン上に取り込まれていないUTXOを“長期保有BTC”とみなしている。
※UTXO(Unspent Transaction Output):未使用のトランザクションアウトプット
ブロックチェーン上でのBTC取引は短期が主流であり、例えば1日間で動くBTCの9割以上は直近1週間で既に取引履歴のあるBTCがほぼ占めているなどの傾向がある。
裏返せば、長い期間動いていないBTCが取引される割合はごく僅かであり、上表で6%を超えた日は過去3年間で3日しかない。
したがって、上表①【C】の8.4%は際立って高い数値であり、310万円近くまでの価格回復を待った多数のBTC長期保有者が一斉に売却を行った結果だと考えられるだろう。
テクニカル視点のレジスタンスに加えて、長期保有者の売却傾向もBTC上昇を抑えている要因かもしれない。
・過去の事例からは上昇シグナルあり!?
BTC/JPY週足 Bidチャート(当社取引ツールより作成)
上図②は、2020/12~現在のBTC/JPYの週足チャートに、上表①における長期保有BTCの売却が目立った【A】【B】【C】の該当期間を図示したものである。
【A】BTCは当時約276万円であり、その後2021/4の高値700万円まで上昇ラリーが続いた。
【B】3日後の約210万円で下値を固め年明け以降の上昇相場を迎えた。
【C】現在の価格水準とほぼ同等。2週間ほど価格は停滞中。
【A】【B】当時と現在では大局的な相場環境は異なるものの【C】を起点として再び上昇基調となる可能性もあるかもしれない。仮にBTC長期保有者の売却がある程度一巡していれば310万円付近での押し戻し圧力が弱まり、この310万円水準は楽に突破できる可能性もありそうだ。
その反面、BTCに楽観ムードが広がっているとは言い切れない。
【A】においてBTCを売却した長期保有者の損益率はおおよそ+200%以上だったのに対し、【B】【C】はそれぞれ約-60%、約-15%程度の損切りとなっており、足元の投資家心理は決してポジティブなものではないだろう。
実際、2/8には米国の大手取引所のCEOが「SECがステーキングサービスを禁止しようとしている」との噂について言及しており、市場ではステーキングサービス禁止への警戒感が広がっている。
BTC/JPYは、2/9に290万円台まで下落しており、投資家心理の悪化から下落相場に転じるシナリオにも引き続き注意が必要だろう。
(2/9 午後4:00時点)
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