堅調な暗号資産市場。5月にハードフォークを控えるビットコインキャッシュは?

Daily Market Report 2023/1/26

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当社取扱い24銘柄の騰落率

騰落率ランキング(期間2023/1/10 – 2023/1/24)
当社クローズレート(Bid)より作成

上図は、1/10~1/24における当社取扱い銘柄の騰落率のランキングである。

24銘柄すべてが上昇しており、年始から暗号資産市場全体が堅調に推移していることが伺える。

中でも、ENJ(エンジンコイン)、XYM(シンボル)の上昇率は40%を超えており、他の暗号資産とは一線を画す内容となった。

XYMに関しては、特別なファンダメンタルズ等のニュースは確認できていないが、ENJに関しては、2022/12/8にAndroid版、2023/1/16にiOS版のEnjinウォレット2.0がリリースされた影響により、価格が上昇したと思われる。

また、暗号資産の代名詞であるBTC(ビットコイン)は30.07%上昇と、300万円付近まで価格は戻っている。

米国の利上げ打ち止めを織り込む形で上昇している米国株の流れを受けて、暗号資産は全般に堅調に推移しているが、本日はこの中でも5月にハードフォークを予定しているBCH(ビットコインキャッシュ)に着目してみる。

BCHは、上述のランキングでは14位と18.69%の上昇となっており、13,000円付近を底にして、現在17,000円付近まで上昇している。昨年11月の直近高値18,000円に迫る展開となっており、今後の動きが注目される。

BCHのハードフォークに向けた値動きに注目

2023年1月現在、BCHのハードフォークは2023年5月頃と予想されている。

今回のハードフォークで注目すべき内容は、BCHベースのアプリケーションを構築できるスマートコントラクト機能の導入だろう。

これにより、ユーザーは分散型アプリケーションの開発や定期的な支払いなど、より便利にBCHを扱えるようになるという。

また、早ければ3月にも西インド諸島の国家セントクリストファー・ネイビス連邦でBCHが法定通貨として採用する計画もあるため、この付近の値動きには留意しておきたい。

本稿では、背景は違うものの2018年に起きたBCHのハードフォーク前後の値動きを振り返り、5月に行われるハードフォークの動きを考察する。

・2018年11月のハードフォーク

BCH/JPY日足チャート(当社取引ツールより作成)
BCH(ビットコインキャッシュ)のチャート・価格情報はこちら

上図は、2018年7月~12月末までのBCH/JPY日足チャートである。

2018年は暗号資産市場が落ち込んでいたことを念頭に置いておく。

上図を見ると、反発はありつつも10月末までは基本的に下落基調だったことが分かる。

その後、11月上旬から急に値が上がり、ハードフォーク(上図赤丸)前の11/7をピークに反転し下落。ハードフォーク当日も大きく値を下げ、12月中旬には8,500円を割るまで値下がった。

11月の値上がりは、ハードフォークへの期待と時期が近付いてきたことによるものと考えられるが、下落の要因は、そこを狙った利確勢の売り圧、Bitcoin ABCとBitcoin SVの対立の不透明さに起因する市場の不安だと推察できる。

では、2023年のハードフォークではどのような値動きになるのだろうか。

2023年のハードフォークは開発チームの対立によるネガティブな理由ではなく、BCHの機能改善のためのポジティブな理由であることを忘れないでおきたい。

そのため、2018年のハードフォーク時にあった、チーム対立による市場の混乱と不安という要素は排除できる。

また、上述した通りセントクリストファー・ネイビス連邦で法定通貨として採用されれば、ハードフォークの時期も近いことから、期待感で堅調に推移する可能性も考えられるだろう。

BCH/JPY日足チャート(当社取引ツールより作成)

上図は、2022/7/1~現在までのBCH/JPY日足チャートである。

現在、BCH/JPYは17,000円台で推移しているが、上述の説明のとおり、このまま堅調に推移し、2022/11に記録した18,000円(赤線)を上抜けできれば、その後、2022/7に記録した20,000円(青線)も見えてこようか。

懸念点としては、利確勢の売り圧と暗号資産全体に影響するファンダメンタルズの変化であろう。

暗号資産特有のイベントであるハードフォークや半減期は、実施日の直前に利確による売り圧が高まり、大きく値を落とした状態で実施日を迎えるパターンが散見される。

法定通貨としての採用や、スマートコントラクトの実装が市場参加者に良いニュースと受け止められたとしても、ハードフォーク前の売りが発生することは考えられるため、前後のニュースや値動きには注意しておきたい。

また、米国インフレのピークアウトが注目されているが、その動向や景気の悪化が顕在化することによる株式の下落などは暗号資産にも影響を及ぼすため、他のアセットクラスの動向も細心の注意を払っていきたいところだ。

(1/25 午後6:00時点)

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