回復基調のベーシックアテンショントークン、短期的には売り妙味?

Daily Market Report 2023/1/23

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BAT(ベーシックアテンショントークン)相場の振り返り

BAT/JPY 日足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
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上図は、BAT/JPYの日足チャート及び一目均衡表を示したものである。

2022年11月のFTXショックは、暗号資産相場を席巻し、BATも急落に至らしめた。

また、上図を見ると、2022年12月中旬にはFTXショック直後の安値すら割り込み、年末まで下落の一途を辿ったことが分かる。

2022/12/13の当社マーケットレポートで述べたとおり、LTC(ライトコイン)などのようにFTXショック直後に独自のリバウンドを見せた銘柄も僅かながら存在したことから、BATの低迷は、暗号資産全体に対する信用力の低下と独自の材料不足が要因であったといえるだろう。

そして、2023/1/22現在、年頭からの暗号資産相場の回復に呼応するように、BATも値を戻す展開を見せている。

しかし、直近の値動きは、FTXショック後に揉み合っていた30円から33円付近の価格帯が上値を抑えており、揉み合いの期間にBATの買いを行った層からすれば、同価格帯を逃げ場と考えたいところであろう。

他方、一目均衡表では基準線と転換線がゴールデンクロスとなり、明るい兆しも垣間見えるが、上図のように雲の上限が目前に迫っており、いまだFTXショックが燻る相場では、BAT独自の好材料なくしてここからの一段高は厳しいかもしれない。

2023/1/19のジェネシス・グローバル・キャピタルによる米連邦破産法11条の申請(1/20 Reuters)は、一見して相場に大きなインパクトを与えていないようだが、暗号資産の信用不安を招くニュースに事欠かない状況で過度の楽観視は禁物といえる。

サイコロジカルラインはいかに?

当社資料より作成

また、上図は、BAT、BTC(ビットコイン)およびETH(イーサリアム)のサイコロジカルライン(※)を示したものである。
※投資家心理の偏りを数値化した指標。25%以下で売られ過ぎ、75%以上で買われ過ぎと逆バリの指標。

年頭より3銘柄とも回復基調であったことから、いずれも強気に傾いており、BATがBTCやETHを牽引したとは考え難く、主力銘柄の動向がBATを連れ高に導いたと見るのが妥当であろう。

したがって、主力銘柄が弱気に傾き始める等、暗号資産相場が再び軟調に転じれば、BATも連れ高ならぬ連れ安する可能性も否定できず、現在、3銘柄のサイコロジカルラインが70%以上である過熱感からも、BATのさらなる上昇には懐疑的にならざるをえない。

前述した30円から33円付近の価格帯や一目均衡表の雲も考慮すると、短期的にはBATの上値追いに期待できない状況であり、現在の価格帯で保ち合いが続くならば、売り建が選択肢の1つとなるだろう。

BATの本質に立ち返る

ところで、BATの本質とは何か。

短期的ではなく、中長期的な視野に立ちBATの将来性を占うならば、この暗号資産の本質に立ち返る必要がある。

原資産や法的な後ろ盾のない暗号資産ゆえに、需要こそが価格上昇の拠り所であり、各々のユースケースから需要や将来性を探るべきだろう。

2017年5月、BATは開発元のBrave Software社によってローンチされた。

また、Brave Software社は、WEBブラウザ「Brave」の開発も手掛けており、現在の公称ユーザー数は約5,500万人である。

同ブラウザは、通常のネットワーク広告をブロックすることでネットワークのトラフィックを減らすことが可能となっている。一方で、ユーザはBrave Software社が配信する広告の表示を許可、閲覧することによってBATを獲得し、獲得したBATはコンテンツの利用料や投げ銭として使用することができる。

つまり、BATはBraveというWEBブラウザを中心としたユーティリティトークンであり、その需要はBraveの普及が命運を握っているといえよう。

しかし、昨今のWEBブラウザは、Google Chromeが圧倒的なシェアを見せており、他にEdgeやSafariというライバルも存在し、Braveが厳しい状況に晒されていることも想像に難くない。

将来的なBATの上昇には、Brave Software社の開発力や発信力にも期待されるところだが、中長期的な視野からBATの買いを検討するならば、値動きのみに捉われず、Braveのシェア拡大やユーザー数の推移を見極めていく必要もあるだろう。

BraveがGoogle Chromeを脅かす存在になった時、BATは現在の価格帯とは別次元にいるかもしれない。

(1/22 午後7:00時点)

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2023-01-23
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