11%の下落も視野に?年末年始のアノマリーがビットコインにもたらす影響は
Daily Market Report 2022/12/27
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・暗号資産市場のサンタクロースラリー
米国株式市場には、12月の最終5営業日から翌1月頭の2営業日にかけて上昇相場になりやすい「サンタクロースラリー」と呼ばれるアノマリーがある。
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
上図は、1990年から2021年までのNDX(ナスダック100指数)の12月最終5営業日から翌1月頭の2営業日までの変動を平均化し、12月最終5営業日初日を100として計算したグラフである。
上図のグラフの通り、12月最終営業日に一度勢いが弱くなるものの米国株式市場は年末から年始にかけて上昇する傾向があることがわかる。
このアノマリーは暗号資産市場にも当てはまるだろうか。
下図は、2015年から2021年までのBTC/USD(ビットコイン)の12月の最終5営業日から翌1月頭の2営業日までの変動を平均化し、12月の最終5営業日初日を100として計算したグラフである。
BTC/USDは、12月末に大きく下落するものの翌年に向けて再度上昇しており、年末から年始にかけての上昇アノマリーは意識されていると言えよう。
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・上昇圧力はいつまで続くか
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上図、青色の折れ線グラフは2015年から2021年までのBTC/USDの12/1から翌年1/31までの変動を平均化し、12/1を100として計算したグラフである。
オレンジ色の折れ線グラフは急激な相場環境であった2020年を除いたものである。
(※以降の分析にはオレンジ色の折れ線グラフを用いる。)
相場が激しく乱高下していた2020年を除けば、折れ線グラフは値動きのパターンにおいては大きく変わっていないため、一定の傾向が意識されている公算が大きい。
上図から、BTC/USDにおけるサンタクロースラリーの上昇は1/4から1/7まで継続する傾向があること読み取れるだろう。
しかし、上昇はあくまで短期的であり、天井を付けた後は1月末まで下落トレンドとなる可能性もあることを同時に示している。
この傾向に沿うように推移すると仮定するした場合、12/26から翌年1/4にかけて約3%(=(113.7-110.4)/110.4)上昇した後、1月末にかけて最大で11%(=(100.8-113.7)/113.7)程度下落することとなる。
下図は、これを現在のBTC/JPYの日足チャートに当てはめたものである。
図. BTC/JPY日足Bidチャート(当社ツールより作成)
2023/1/4にかけて現在価格の約2,200,000円から約3%上昇し、2,266,000円水準に達する。この価格帯は12/16の終値と重なっており、レジスタンスとなり得るポイントである。
2,266,000円水準でレジスタンスされ最大11%下落となる場合、11/21につけた直近安値(2,083,699円)を割り込み下落トレンド入りとなることを想定しておく必要があるかもしれない。
・1月効果は期待できるか
毎年1月の米国株式市場は上昇相場となりやすいと言われている。
外国人投資家の多くは12月のクリスマスシーズンに休暇を取るため、相場変動に備え一度ポジション整理した後、新年に投資を再開する傾向があると言われている。このような新年の投資再開に伴う株式の買い入れが上昇相場を引き起こすとされ、「1月効果」というアノマリーとして知られている。
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上図は、1990年から2021年までのNDXの12月から翌1月の変動を平均化し12月最初の営業日を100として計算した折れ線グラフ(図上)と、NDXとBTC/USDの相関係数(2022/12/1~12/23)を示したもの(図下)である。
上図から、サンタクロースラリーに始まる米国株式相場の上昇は1月効果を伴い1月末まで上昇を続けるする傾向を示していると読み取れるだろう。
相関関係があるとされて来たNDXとBTC/USDはFTXショック発生後、逆相関の関係となっていた。
しかし、図下のとおり12/6以降、相関係数がプラス圏の推移となり、徐々に相関関係を戻しつつある。
以前のように相関関係の高い相場環境となれば、米国株式に連れられる形でBTC/USDも1月効果の恩恵を受けることができる可能性も考えられる。
一方で、上述のとおり、12/16の終値付近である2,266,000円水準でレジスタンスされると、11/21安値(2,083,699円)を目指して再度下落する展開もあり得るため留意しておく必要もあるだろう。
(12/26 午後11:00時点)
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