踊り場を向かえたイーサリアム。反転には20万円のクリアが必要か

Daily Market Report 2022/12/20

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・一旦下げ渋りを見せるイーサリアム

ETH/JPY 日足 Bidチャート（当社取引ツールより作成
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上図は、2022/1/24から執筆時点（2022/12/20）までのETH/JPYの日足チャートである。

足元のETH（イーサリアム）は12/14につけた175,000円の直近高値から売り込まれ、11/21につけた直近安値146,000円との中間の水準である160,000円付近を推移している。

長期的な動向を示す140MA（青色）は下落基調が続くが、足元では下げ止まり感が出ているのがわかる。ただし、現値はこの140MAの下に位置しており、本格的な反発局面には力不足といった状況だ。

市場全体としては、14日に開催されたFOMC（連邦公開市場委員会）の結果は概ね織り込んだと言えるだろう。

これまで4会合継続してきた0.75%の利上げ幅を縮小させ、0.5%の利上げ幅となった。

過度の利上げは経済へ悪影響を及ぼしかねないため、利上げ幅が縮小に転じたことは金融市場にとってはポジティブな材料となるものの、パウエル議長の2023年中の利下げは考えていないなどのタカ派な発言も見受けられ、マーケットは株・暗号資産安、ドル高で反応した。

更に、ECB（欧州中央銀行）のラガルド総裁が、12/15の理事会において0.5%の利上げを発表し、次の会合でも、それ以降も追加利上げを行うことを示した。

予想よりタカ派であったラガルド総裁の発言にマーケットは頭を抑えられた印象もある。

そのような相場環境の中、今後のETH/JPYはどのように推移するだろうか。ライン分析と移動平均線を用いて考察していく。

今回のレポートは、11/22の当社レポート「イーサリアム、買戻しは起こるのか？17万円ラインが重要」のシナリオ更新をおこなう。

今回分析する上で重要な価格水準を上図に描画した。

・Aライン（240,000円付近）1/24と10/29に付けた前回高値
・Bエリア（170,000～175,000円付近）6/24の高値と9/22の安値・12/14に付けた直近高値ゾーン
・Cライン（146,000円付近）11/21の安値
・チャネルラインD
・橙色の20MA（日足の長期トレンド確認）と青色の140MA（20×7日で日足の超長期トレンド確認）

超長期のトレンドを示す140MAは前述のとおり売り優勢な状況が続く。

直近の20MAを見ると、山の頂点を切り下げつつ谷を更新していることから短期のトレンドも下落のトレンドであることがわかる。

価格基準では、8/14に付けた高値267,000円ラインから高値を切り下げ、9/11に249,000円の下落後の戻り高値をつけ、その後下落し、10/29に高値は240,000円まで切り下がった。

安値に関しても、8/29につけた190,000円のラインから安値を更新し、9/22に170,000円の安値を付けている。

その後、上昇局面も見られたが、直近では11/21に146,000円の安値を更新している。

直近1ヶ月程度の短期トレンドとしては、レンジになっており、まだ明確にトレンドは発生していないが、Bエリアに頭を抑えられている状況であることがうかがえる。

Bエリアにこのまま頭を抑えきられるようなら、上図に赤の点線で示した通り高値を切り下げ、まずは直近の安値である146,000円までの下落という展開も見ておくべきだろうか。

一方で、足元では11/21にチャネルラインDの下限にサポートされて上昇に転じており、上図に青の点線で示した通り、高値更新/安値切り上げで、現在200,000円付近に位置する140MAまで上昇して来る可能性も残されていそうだ。140MAを上抜けることで、チャネルラインD上限である210,000～220,000円付近までの上昇の可能性も考えられるかもしれない。

現在、ETHの価格は狭い範囲での小動きが続いているが、今後については、2023年3月に次期アップグレード「Shanghai（上海）」の実施が予定されており、こちらの動向によって相場への影響も視野に入れておきたい。

上下どちらかに振れることにより動意づく可能性も考えられ、今後Bエリア或いはCラインに接近する場合、相場の急変に備えたい。

（12/20 午前7:00時点）