利上げペース減速の可能性、ビットコインに追い風となるか

Daily Market Report 2022/12/16

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乱高下するビットコイン(BTC)

FTXショックから冴えない値動きが続いていたBTCだが、米国11月分CPI(消費者物価指数)の発表、12月FOMC(連邦公開市場委員会)と重要イベントが続き乱高下する展開となっている。

上:BTC/USD 1時間足
下:USD/JPY 1時間足
Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成
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上図は、12/13~現在のBTC/USD(ビットコイン)とUSD/JPY(ドル)の1時間足チャートである。

ここ数日のBTC/USDはFF(Federal Funds)金利の動向に敏感なドルの値動きと反対に動いているのがわかる。

12/13に発表された11月CPIに関しては、10月に0.4%上昇した前月比だが、11月のCPI前月比では0.1%の上昇であった。前年同月比では7.7%だった10月に比べ11月は7.1%と、いずれも伸び率が鈍化し、発表前の市場予想を下回る結果だった。

この結果を受け、利上げペース減速の期待からUSD安BTC高となった。

11/30にパウエルFRB議長が12月FOMCでの利上げペース減速の可能性について言及したが、12月FOMCでの利上げの減速は実現せず、暗号資産市場はUSD高BTC安で反応した。

予想ターミナルレートに修正あり

CPI後にCME FedWatchが予想するFF金利見通しについて、変化を確認した。

CPI発表前では、2023/5までにFF金利は5.00-5.25%、そして、5.00-5.25%水準の金利が7月まで維持された後、段階的な利下げにより2023年のターミナルレートは5.00-5.25%という予想だった。

CPI発表後は、予想を下回るCPIにより利上げペース鈍化を支持する見方が大半となった。

FF金利は2023/3までに4.75-5.00%水準に引き上げられ9月まで維持。その後、段階的に引き下げられ2023年のターミナルレートは4.75%-5.00%という予想に修正された。

FOMC通過後もこの見通しに変化はなかった。ただし、FOMCメンバーが予想する2023年ターミナルレートは5.00-5.25%となっており、FedWatch の予想よりも高い数値であった。

利上げペースはインフレ率などの経済状況の変化に影響を受ける可能性もあるため、今後のFF金利の推移がビットコインを含むリスク資産の追い風となるか着目したい。

BTC、中期的には上目線か

図1.Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

図2.Tradingview(https://jp.tradingview.com/)より当社作成

上図1はBTC/USDの11/21から現在までの4時間足チャートに2本のトレンドラインと3本の移動平均線(5,15、25)を描画したもの、図2はBTC/USDの11/21から現在までの日足チャートに3本の移動平均線(5,15、25)を描画したものである。

図1からBTC/USDは安値を切り上げながら上昇するレンジ内を推移していることがわかる。

3本の移動平均線が上を向く上昇のパーフェクトオーダーが直近高値までは形成していた。しかし、トレンドライン上限で反落後、5日移動平均線は下を向く格好となった。このことから、4時間足レベルでは下落が考えられる。

その場合、トレンドライン下限の17,250USD付近(≒232万円)を目指して下落する可能性もある。

一方、図2の日足レベルでは、同じく上昇のパーフェクトオーダーが発生しており、一旦調整局面を迎えるものの、中長期的には上昇となる見込みもあろう。

ただし、図1で示したレンジの下限(≒232万円)を割り込むようなら、再度下落トレンドに転ずる展開も可能性として考慮する必要があるだろう。

(12/15 午後11:00時点)

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2022-12-16
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