ビットコインとNasdaqが逆相関に。この流れは続くのか

Daily Market Report 2022/12/15

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Nasdaq、CoinGeckoより当社作成
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2022年は米国株式市場と暗号資産市場で共通する価格変動要因として、米国の政策金利上昇が挙げられ、共に価格の上昇局面で上値を抑えられる状況が長く続いた。

また、このような状況の中でビットコイン(BTC)は、暗号資産市場特有の要因であるテラショック、セルシウスショック、FTXショックにより、12/13時点では年初の約46,000ドルから約62%減となる約17,000ドル(日本円では約530万円から55%減となる約230万円)まで価格を下落させることとなった。

一方、当社マーケットレポート「米国株、銅と高い相関を見せるBTC。高い相関が続くと…」などでもたびたび伝えてきたBTCとNasdaqの30日相関係数はFTXショックの影響により崩れており、これはBTCとNasdaqの価格連動性が失われていることを意味する

BTCとNasdaqの相関関係

Nasdaq、CoinGeckoより当社作成

上図は、BTC/USDとNasdaqの30日間の相関関係を表したグラフであり、係数が1に近付くほど高い連動をする状況にあり、-1に近付くほど双方が逆の推移をする状況にあることを示す。

2022年はBTCとNasdaqは共に年間を通して高い相関関係を維持してきており、11月までは30日相関係数が負の値になることはなかったものの、11月のFTXショックによって今年初の逆相関となった。

過去、テラショックやセルシウスショックといった暗号資産市場特有の下落要因発生時にもBTCとNasdaqは高い相関関係を維持し続け、連動性は崩れていないことから、今回逆相関となったことはかなり珍しい事態だといえるだろう。

Nasdaq、CoinGeckoより当社作成

とはいえ、この逆相関の状況は限定的といえるかもしれない。

実際、上図の通り、BTCとNasdaqのより短期的な相関関係を示す15日相関係数では、11月の1カ月間は逆相関状況が続いていたものの、FTX騒動が沈静化しつつある12月には相関関係が回復していることから、30日相関係数についても同様に、相関関係の回復は近いと考えられるだろう。

BTCとNasdaqの高い相関関係が示すこととは

かねてよりBTCとNasdaqの相関関係は高い状態にあるといわれており、2022年も同様、年間を通して相関関係は高い状況で推移していた。

このことから、BTCはこれまでと同様、Nasdaqの材料からも価格に影響を受けると考えられ、今後もCPI(消費者物価指数)の発表、決算期や米国の政策金利の動向などに注目すべき点は変わらない

実際、12/13、インフレ減速を示すCPIを受けて株式相場は大幅続伸し、BTCも12/14には一時244万円まで価格が上昇した。12/15のFOMCでの結果を受け、直近の価格影響にも注意が必要だろう。

米国の政策金利は、現在の4.25~4.50%からさらなる引き上げが見込まれ、来年中に引き下げはないとの見方が強まっていることから、Nasdaqに悲観的な見方が強まっており、これが相関関係の高いBTCに波及する可能性もあるだろう。

また、今回のFTXショックのように、BTCは暗号資産市場特有の材料の影響も受けることを認識する必要がある。

現在、FTXをめぐる状況として、FTXの拠点であるバハマでは現地時間の12/12、元CEOのサム・バンクマン=フリード氏が逮捕されており、近いうちに進展があるかもしれない。場合によっては、BTCとNasdaqの相関関係が再び崩れるような状況になるかもしれないため、FTXをめぐる問題の動向には注意しておきたい。

(12/14 午後7:00時点)

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2022-12-15
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