リップルの値動きは独特?テクニカルでは「クラブ」に注目

Daily Market Report 2022/12/7

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23銘柄中13銘柄がXRPと負の相関

ZPGは当社クローズレート、その他はCoinMarketCap(https://coinmarketcap.com/)より当社作成

上図は、当社取扱い銘柄の100日間の相関係数マトリクス(期間:2022/8/24‐12/2)である。

相関係数は銘柄間の連動性を図る指標で、分散投資の観点では負の相関を持つ銘柄を組み合わせることが望ましいとされる(当社コラム:「暗号資産(仮想通貨)での分散投資を解説」参照)。

上図をみると、24銘柄中17銘柄は、自身を除く16銘柄に対して0.6より大きい相関をもっており、暗号資産同士の相関は概ね高い値動きをしていたといえよう。
(相関係数の強弱の分水嶺は、市場や業種によって多様だが、今回は0.6以上とした。)

一方、負の係数のほうが多い銘柄は、LTC、ZPG、XRPの3銘柄となる。

以下に概要を記す。

〇LTC(ライトコイン)・・・20銘柄が負の係数、うち-0.6以下はXLM(ステラ・ルーメン)の-0.62年初につけた17,500円を高値に、年前半は軟調な展開。6月にはアップデート「MinbleWinble」の匿名性が問題視されたことにより、韓国で上場廃止され、当時の金融市場のリスクオフもあって、6月中旬に5,400円台まで落ち込んだ。その後は、比較的堅調で、10月下旬からは荒い値動きながら上昇し、12月現在は1万円台に回復した。
(詳細は12/5の当社マーケットレポート「暗号資産は老舗銘柄を選好する方向へ。原点回帰の流れは継続か」参照)

〇ZPG(ジパングコイン)・・・20銘柄が負の係数
ZPGはゴールドとの連動を目指す暗号資産である。ビットコインを始めとする暗号資産は「デジタルゴールド」と呼ばれていたが、FTXショックなどを経た直近100日間に関して言えば、負の相関をしつつあるようだ。
(詳細は11/30の当社マーケットレポート「ゴールドへの連動を目指すジパング、暗号資産の冬に退避先となるか」参照)

〇XRP(リップル)・・・13銘柄が負の係数だが、0付近が多く、逆相関ではない独特の動き
年後半のリップルは、リップル社の動向から比較的材料の多い銘柄といえる。

足元のファンダメンタルズとして、リップル社は3Qレポートで「XRP保有割合が流通量全体の50%を初めて下回る」と報告するなど、透明性を強調している(10/28 CoinPost)。

また、10/11にはフランスとスウェーデンでオンデマンドリクイディティの顧客を獲得したと発表し(10/12 CoinPost)、11/15には英政府に暗号資産への規制方法を提案するレポートを提出したほか(11/16 CoinPost)、11/19にはアイルランドでライセンス取得するなど(11/19 CoinPost)、欧州政府との結びつきも強めている。

そして、2020年末より懸念されているXRP有価証券問題については、10/28に米ブロックチェーン協会がリップル社を擁護する法廷助言書を提出したほか(10/31 CoinPost)、12/2にはSECとリップル社が略式判決の動議書に対する回答を提出し、最終局面に入ったとみられている(12/7 CoinPost)。

次に、テクニカル分析の観点からXRPの注目しておきたいポイントを取り上げる。

43.419円を割り込まないなら「クラブ」も視野に

XRP/JPY 週足Bidチャート(当社取引ツールより作成)
XRP(リップル)のチャート・価格情報はこちら

上図では、XRP/JPYの週足チャートにハーモニックパターン「クラブ」(※)を描画している。
(※)ハーモニックパターン…フィボナッチ比率を用いてターゲットプライスとなる、(D)点を算出するテクニカル手法。上図はカニのハサミに似ていることから「クラブ」と呼ばれる。

「クラブ」の成立要件は、以下のとおりとなる。

条件1.(B)は、(X)-(A)の38.2% – 61.8%リトレースメントの範囲内であること(上図では55.1%となり満たしている)
(※)(A)-(B)の値幅(40.219円)/(X)-(A)の値幅(73.03円)≒55.1%となる
条件2.(C)は、(A)-(B)の38.2% – 88.6%リトレースメントの範囲内であること(上図では86.9%)
条件3.(D)は、(X)-(A)の161.8%リトレースメントであること(上図では161.581円となる)
条件4.(D)が反転のポイントとなり、このとき(B)-(C)の261.8%-361.8%プロジェクションとなる(上図、161.581円の場合は338.1%となり、満たしている)

条件1~4を満たしていることから、「クラブ」の値動きをとる場合を考えてみる。

1.<上昇局面>(期間:11/14-)
11/14週安値である(C)点からの反発を起点とした上昇である。

また、(C)点が6/13週安値の(A)点(38.153円)を割り込んでいないことから、(A)-(C)間の延長の上昇トレンドともみることができる。

目先のターゲットプライスは10/3週高値の(B)点(78.372円)だが、この付近は11月のSwell前の価格帯としても意識されているだけに、市場参加者による相応の売り指値があると考えられ、これをこなせるかが鍵となる。

(B)点を抜けることに成功したならば、8ヶ月以上前につけた(X)点(111.383円)までレジスタンスがなく、価格に弾みがつき、(X)点も抜けた場合は、そのまま(D)点(161.581円)を目指して上値追いを加速させると考えられる。

2.<下落局面>((D)点到達後)
(D)点の価格帯で失速し、(X)点(111.383円)を目がけて失速する流れとなる。

その後の地合いが良ければ、もみ合いつつ再び上昇する場合も考えられるが、(B)点→(C)点のように、それまでの節目となる価格を目掛けて下落するシナリオも想定される。

また、上昇局面で失速し、(B)点の位置を再び下回った場合には、(C)点に向けた下落を警戒したほうがよいだろう。

一方で、(D)点を抜けることに成功した場合は、売りのロスカットを巻き込むような相当の強い相場と考えられる。その場合は、週足だけでなく、月足単位でのチャート分析も必要といえそうだ。

さらに、XRPの価格が再び弱気となり、(C)点(43.419円)を割り込む場合には、「クラブ」のシナリオは否定されたとする見方が強くなる。

特に、最終局面とみられる有価証券問題の判決には警戒すべきだろう。

(12/7 午前7:00時点)

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